シダックス(4837)がカラオケ事業から撤退!? 今後の業績を分析してみる

   

 様々な事業を展開しているシダックス(4837)は、カラオケ事業から撤退をすると日本経済新聞にて報道されました。

 しかしそのことについて同社は、業績の抜本的改善を目指してレストランカラオケ事業を行っている連結子会社のシダックス・コミュニティー株式会社の持分81%及び、シダックストラベラーズコミュニティー株式会社への債権をB&Vへ譲渡をしたそうです。

 そして、今後もシダックス・コミュニティー株式会社へのサービスは継続をしていくとのことです。

 (本日の一部報道について

 (資本業務提携締結及び子会社の異動(持分譲渡)に関するお知らせ

 (資本業務提携締結に伴う債権譲渡に関するお知らせ

 また今回の報道を受け、多くの株主は同社の優待制度が今後も継続されるかどうかについて関心があるように見受けられます。

 そこで今回は、今後の業績の見通しと優待制度のことについて見ていきたいと思います。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.赤字続きの業績

2.決算短信から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.セグメント別の売上高及び利益について

 2-3.今後の見通し

 2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金について

  2-4-2.投資キャッシュ・フローについて①

  2-4-3.投資キャッシュ・フローについて②

  2-4-4.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

  2-4-5.人件費について

  2-4-6.株主優待引当金について

 2-5.気になる問題

  2-5-1.新株予約権について

  2-5-2.自己資本比率について

  2-5-3.持分法による投資損失の計上

  2-5-4.シダックス・コミュニティー株式会社について

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年2集 春号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「カラオケ赤字減らず。だが、運営受託が学童保育時に急反発。利益回復に弾み。19年3月期はカラオケ出血続く。が、稼ぎ頭の運営受託は学童新規開拓奏功し増勢。給食の棚卸し効率化効く。営業益続伸。」とカラオケ事業のマイナス要素も含め、全体的には評価のよい内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は11.8%しかなく、安全性に問題があるレベルです。

 有利子負債は23,320百万円、総資産の41.9%も占めています。

 資本金10,781百万円に対し、利益剰余金は▲3,928百万円のマイナスになっています。

 

 

 

1-3.赤字続きの業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

15.3

(実績)

174,461 647 202 255 6.6
16.3

(実績)

159,707 ▲771 ▲1,089 ▲7,120 ▲182.7
17.3

(実績)

148,433 1,269 ▲2,966 ▲3,220 ▲82.6
18.3

(実績)

142,890 1,169 ▲1,387 ▲1,396 ▲35.8
19.3

(予想)

148,000 2,500 1,500 750 19.2

 売上高については2015年3月期をピークに、2016年3月期以降から減収が続いています。

 利益も2015年3月期がピークになり、2016年3月期以降は赤字が続いています。

 2019年3月期の業績について会社側はまだ公表していませんが、四季報記者は売上高148,000百万円、純利益750百万円を予想しています。

 

 

 

 

2.決算短信から詳しく見ていく

 


 

 続いて、平成30年3月期決算短信[日本基準](連結)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は、「コントラクトフードサービス事業」、「メディカルフードサービス事業」、「トータルアウトソーシング事業」及び「レストランカラオケ事業」、「コンビニエンス中食事業」、「エスロジックス事業」の6つの事業で構成されています。

 

セグメント別 事業内容
コントラクトフードサービス事業 企業、官公庁、学校等の食堂の給食及び管理業務の受託運営を行っている。
メディカルフードサービス事業 病院入院患者を対象とした給食及び老人保健施設の給食の受託運営を行っている。
トータルアウトソーシング事業 民間企業や地方自治体への車両運行管理や施設管理及び運営など、食を含めた業務の一括アウトソーシング受託を行っている。
レストランカラオケ事業 レストランと通信カラオケを融合したレストランカラオケを全国で展開している。また、地域密着型のカルチャースクール、各種イベントなど町のコミュニケーションスペースとしてのサービスの提供を行っている。
コンビニエンス中食事業 病院、企業、官公庁、大学及びオフィスビル等において、食料品、飲料、日用品及び医療衛生用品等を販売する施設内売店の受託運営を行っている。
エスロジックス事業 事業所給食事業、外食産業に利用する食材、消耗品を当社グループ及び得意先等へ販売を行う他、厨房設備の設計、販売を行っている。

 

 

 

2-2.セグメント別の売上高及び利益について

 

セグメントの名称 売上高

(百万円)

セグメント利益又は損失

(百万円)

コントラクトフードサービス事業 27,534 1,252
メディカルフードサービス事業 32,051 1,282
トータルアウトソーシング事業 42,634 3,269
レストランカラオケ事業 17,032 ▲1,038
コンビニエンス中食事業 14,129 287
エスロジックス事業 3,289 2,660
その他 6,217 ▲221
合計 142,890 7,492

 売上高はトータルアウトソーシング事業が最も高く、その次はメディカルフードサービス事業になっています。

 セグメント利益についてもトータルアウトソーシング事業が最も高くなっていますが、損失を出しているのはレストランカラオケ事業とその他になっています。

 

 

 

2-3.今後の見通し

 

 平成31年3月期の業績予想については、現段階で合理的な算出が困難であるため未公表です。

 レストランカラオケ事業以外は堅調に推移し、翌年度以降においては安定的な収益を確保できる経営基盤への改善を実現していくそうです。

 

 

 

2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-4-1.現金及び預金について

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

H30.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産
 現金及び預金 11,135 15.0% 8,543 12.7% 9,082 18.9%
総資産合計 74,370 67,215 48,133

 平成29年3月期には現金及び預金が減少しています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、営業キャッシュ・フローから資金を獲得したものの、有形固定資産の取得や貸付による支出などのために現金及び預金が減少しています。

 

2-4-2.投資キャッシュ・フローについて①

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

H30.3.31

(百万円)

投資キャッシュ・フロー 1,400 ▲2,913 13,912
有形固定資産の取得による支出 ▲1,228 ▲2,263 ▲1,448
有形固定資産の売却による収入 231 1,096 11,935

 投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の売却を行っています。

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

H30.3.31

(百万円)

割合

(%)

有形固定資産
 建物及び構築物(純額) 9,894 13.3% 8,316 12.4% 5,339 11.1%
 土地 10,388 14.0% 9,607 14.3% 1,504 3.1%
 車両運搬具(純額) 637 0.9% 1,316 2.0% 1,028 2.1%
 リース資産(純額) 2,321 3.1% 2,450 3.6% 1,104 2.3%
 その他(純額) 1,002 1.3% 1,019 1.5% 917 1.9%
有形固定資産合計 24,242 32.6% 22,708 33.8% 9,892 20.6%
総資産合計 74,370 67,215 48,133

 その結果、有形固定資産は24,242百万円から9,892百万円にまで減少していますが、これは不採算店舗の撤退をするためだと考えられます。

 

2-4-3.投資キャッシュ・フローについて②

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

H30.3.31

(百万円)

投資キャッシュ・フロー 1,400 ▲2,913 13,912
関係会社株式の売却による収入 0 0 3,869

 投資キャッシュ・フローでは、関係会社株式の売却も行っています。

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

H30.3.31

(百万円)

割合

(%)

投資その他の資産
 関係会社株式 3,821 5.1% 3,864 5.7% 128 0.3%
総資産合計 74,370 67,215 48,133

 その結果、関係会社株式は3,821百万円から128百万円にまで減少していますが、これはシダックス・コミュニティー株式会社の株式をB&Vへ譲渡をしたためだと考えられます。

 

2-4-4.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

H30.3.31

(百万円)

財務キャッシュ・フロー ▲1,860 ▲1,330 ▲6,524
短期借入金の増減額(▲は減少) 0 2,000 ▲1,330
長期借入れによる収入 16,000 10,975 2,000
長期借入金の返済による支出 ▲14,326 ▲11,520 ▲14,126
社債の償還による支出 ▲760 ▲560 ▲180

 財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心になっています。

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

H30.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動負債
 短期借入金 0 0.0% 2,000 3.0% 669 1.4%
 1年内返済予定の長期借入金 10,500 14.1% 10,426 15.5% 8,216 17.1%
 1年内償還予定の社債 560 0.8% 180 0.3% 0 0.0%
固定負債
 社債 180 0.2% 0 0.0% 0 0.0%
 長期借入金 21,810 29.3% 21,664 32.2% 11,748 24.4%
有利子負債合計 33,050 44.4% 34,270 51.0% 20,633 42.9%
総資産合計 74,370 67,215 48,133

 その結果、有利子負債は33,050百万円から20,633百万円にまで減少しています。

 

2-4-5.人件費について

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

H30.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動負債
 役員賞与引当金 6 0.0% 0 0.0% 56 0.1%
 賞与引当金 892 1.2% 582 0.9% 28 0.1%
固定負債
 役員退職慰労引当金 691 0.9% 0 0.0% 0 0.0%
総資産合計 74,370 67,215 48,133

 流動負債や固定負債に計上されている役員賞与引当金などの人件費関連の引当金が3期に渡って減少をしていますが、これは収益改善のため人件費の削減を行ってきたためだと考えられます。

 

2-4-6.株主優待引当金について

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

H30.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動負債
 株主優待引当金 319 0.4% 335 0.5% 292 0.6%
総資産合計 74,370 67,215 48,133

 今後も優待制度が継続されるかどうかについてですが、そのための引当金が流動負債に計上されています。

 平成30年3月期は292百万円、総資産のわずか0.6%だけしか負担になっていません。

 このことから、業績がこれ以上悪化しない限りは今後も優待制度を継続してくと考えられます。

 

 

 

2-5.気になる問題

 

 さて、同社のファンダメンタルズを調べていると気になる問題もありました。そのことについて取り上げていきたいと思います。

 

2-5-1.新株予約権について

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

H30.3.31

(百万円)

割合

(%)

純資産の部
 新株予約権 0 0.0% 0 0.0% 143 0.3%
総資産合計 74,370 67,215 48,133

 株式報酬型ストックオプション制度を導入したことにより、平成30年3月期から新株予約権143百万円が計上されています。

 ここで注意したいことは新株予約権の権利が行使された場合、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があることです。

 

2-5-2.自己資本比率について

 

 

 

H28.3.31

(%)

H29.3.31

(%)

H30.3.31

(%)

自己資本比率
(連結ベース)
15.4 11.0 10.2

 子会社などを含めた連結ベースの自己資本比率は10.2%しかありません。

 

 

 

H28.3.31

(%)

H29.3.31

(%)

H30.3.31

(%)

自己資本比率
(親会社のみ)
27.5 29.3 32.5

 しかし、親会社のみの自己資本比率は32.5%になります。

 連結ベースの自己資本比率が低い理由について有価証券報告書第16期(平成28年4年1日-平成29年3月31日)から調べてみると、債務超過に陥っている子会社と持分法適用関連会社がありました。

 特にレストランカラオケ事業を行っている関連会社のシダックストラベラーズコミュニティー株式会社の債務超過額は平成29年3月末時点で6,247百万円にもなるそうです。

 

2-5-3.持分法による投資損失の計上

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

H30.3.31

(百万円)

経常利益 ▲1,089 ▲2,966 ▲1,387
営業利益 ▲771 1,269 1,169
差額 ▲318 ▲4,235 ▲2,556

 営業利益に比べると、経常利益は少なくなっています。

 

 

 

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

H30.3.31

(百万円)

営業外費用
 持分法による投資損失 212 3,477 1,740

 その理由は、営業外費用に持分法による投資損失を計上しているためです。

 この持分法による投資損失は、主にレストランカラオケ事業を行う持分適用関連会社が原因になっているそうです。

 

2-5-4.シダックス・コミュニティー株式会社について

 

H29.3.31 売上高
(百万円)
当期純利益
(百万円)
債務超過額
(百万円)
シダックス・コミュニティー株式会社 20,310 ▲1,461 862

 レストランカラオケ事業を行うシダックス・コミュニティー株式会社は平成29年3月期には▲1,461百万円の赤字を出しています。

 また、債務超過額は862百万円になっています。

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 同社の場合、レストランカラオケ事業が業績に悪影響を与えています。

 しかし、レストランカラオケ事業を行うシダックス・コミュニティー株式会社とシダックストラベラーズコミュニティー株式会社をB&Vへ譲渡したことで今後は業績の向上と財務体質の改善が見込まれると思います。

 優待制度については、会社としての負担が少ないように感じられたため今後も継続されると思います。

 注意するべき点として、同社は自己資本比率が低く、新株予約権の計上で株式の価値の希薄化が懸念されることだと思います。

 6月1日の終値である400円で計算をすると、PBRは3.18倍になっています。

 

※ PERについては、会社側が業績予想を発表していないため公表できません。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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