増益発表で株価上昇! ニチダイ(6467)を分析してみる

   

 8月1日、ニチダイ(6467)の決算発表がありました。

 それによると、19年3月期第1四半期の経常利益が前年同期比67.0%に拡大したそうです。

 この発表を受け、翌日に株価はストップ高をつけました。

 (ニチダイ <6467>【連結】

 そんな業績好調な同社の、ファンダメンタルズを分析してみました。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.横ばい傾向の業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.地域ごとの売上高について

 2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金について

  2-4-2.良好な財務体質

  2-4-3.安定した経営指標

  2-4-4.理想的なキャッシュ・フロー

 2-5.気になる問題

  2-5-1.有形固定資産の償却方法について

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年3集 夏号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「ターボチャージャー部品は搭載機種の切り替えで横ばいやっと。だが柱の金型は国内向け新分野品が着実増。中国客先復調で海外も上向く。フィルターは医薬品作業向けが牽引。前期のような棚卸評価損もなく、営業増益続く。普通20円配。」と業績の好調ぶりがうかがえる内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は63.0%になり、安全性に問題はなさそうです。

 有利子負債は2,024百万円、総資産の12.5%を占めています。

 資本金1,429百万円に対し、利益剰余金は7,285百万円になります。

 

 

 

1-3.横ばい傾向の業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

14.3

(実績)

14,272 1,306 1,332 809 89.5
15.3

(実績)

14,635 1,269 1,311 875 96.8
16.3

(実績)

14,264 828 766 485 53.7
17.3

(実績)

14,147 642 643 424 46.9
18.3

(実績)

15,248 755 778 522 57.7
19.3

(予想)

15,700 960 950 630 69.6
20.3

(予想)

16,200 1,000 990 650 71.8

 2014年3月期から2017年3月期までの売上高は14,000百万円台で推移していますが、2018年3月期からは15,000百万円台の増益に転じています。

 そして、2019年3月期以降も増収増益を予想した業績内容になっています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第51期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は、部門を基礎とした事業の種類別セグメントから構成されており、「ネットシェイプ」、「アッセンブリ」及び「フィルタ」の3つを報告セグメントとしています。

 

セグメントの名称 主要製品
ネットシェイプ事業 自動車部品メーカーを中心とした、主に冷間鍛造に使用される精密鍛造金型等、エアコン用スクロールコンプレッサー部品、各種ギア等自動車部品等
アッセンブリ事業 ターボチャージャー部品(ディーゼル・ガソリンエンジン向)
フィルタ事業 石油化学、医薬品、食品、原子力などの分野で使用される焼結金属フィルタ等

 

 

 

2-2.販売実績

 

セグメント名称 販売高

(千円)

割合

(%)

ネットシェイプ 7,171,263 47.0
アッセンブリ 5,915,923 38.8
フィルタ 2,161,509 14.2
合計 15,248,696

 同社は、ネットシェイプ事業の売上高が最も高く、売上全体の半分近くを占めています。

 

相手先 販売高

(千円)

割合

(%)

三菱重工業(株) 3,098,874 20.3
Mitsubishi Torbocharger Asia Co.Ltd. 3,072,850 20.2

 また主な販売先2社だけで、売上全体の4割近くを占めています。

 

 

 

2-3.地域ごとの売上高について

 

セグメントの名称 売上高

(千円)

割合

(%)

日本 9,339,817 61.2
タイ 4,447,781 29.2
その他 1,461,097 9.6
合計 15,248,696

 同社は海外でも事業を展開しており、売上全体の4割近くを販売しています。

 

 

 

2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-4-1.現金及び預金について

 

 

 

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

H30.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産
 現金及び預金 2,073,286 13.2% 2,586,486 16.2% 2,774,815 17.2%
総資産合計 15,725,077 15,961,543 16,151,561

 3期に渡り、現金及び預金が増えています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、いずれの期も営業キャッシュ・フローから十分な資金を獲得したことが要因で現金及び預金が増加しています。

 

2-4-2.良好な財務体質

 

 短期的な支払能力を表す指標に当座比率があります。一般に100%あればよいといわれていますが、同社の場合は156%になります。

 また自己資本比率は63.0%もあり、財務体質は優れたほうだといえます。

 

2-4-3.安定した経営指標

 

 

 

H28.3.31

(回転)

H29.3.31

(回転)

H30.3.31

(回転)

売上債権回転比率 3.76 3.51 3.78
たな卸資産回転比率 5.65 7.00 7.31
買掛債務回転比率 10.82 8.99 9.61

 3期にわたり、各指標とも数字に大きなばらつきは見られず安定しています。

 しかし、製造業の平均的なたな卸資産回転比率は10回転といわれていますので、同社の場合は売上高に対して在庫が少し過剰気味であると考えられます。

 

2-4-4.理想的なキャッシュ・フロー

 

 

 

H28.3.31

(千円)

H29.3.31

(千円)

H30.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー 1,074,928 1,801,517 1,483,979
投資キャッシュ・フロー ▲692,750 ▲581,317 ▲568,718
財務キャッシュ・フロー ▲664,101 ▲691,000 ▲798,752

 平成29年3月期と平成30年3月期は営業キャッシュ・フローで獲得した資金内で投資キャッシュ・フローと財務キャッシュ・フローで資金を支出しています。

 無理のない、理想的なキャッシュ・フローです。

 

 

 

2-5.気になる問題

 

 さて、同社のファンダメンタルズを調べていると1つ残念な問題がありました。その点について触れたいと思います。

 

2-5-1.有形固定資産の償却方法について

 

  一般に、有形固定資産の償却方法では多くの会社が定率法を採用しています。なぜなら、その方が最初で多くの費用を計上できるため節税に効果があるからです。

 しかし同社の場合は、毎年一定額で費用計上を行う定額法を採用しています。

 

※ 定額法と定率法の違いについては、こちらのサイトが参考になります。

 (定率法⇒定額法には要注意!「減価償却方法の変更」で利益が変わる理由とは?

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 会社として派手さは感じられないものの、無理はしない身の丈をわきまえた堅実な経営が行われている印象を受けました。

 有形固定資産の償却方法に定額法を採用していることは残念に思いましたが、総合的にはよい会社だと思いました。

 8月3日の終値である954円で計算をすると、PERは13.71倍、PBRは0.84倍になっています。 

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 機械

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