割安高配当銘柄、ユニゾホールディングス(3258)を分析してみる

   

 割安で配当利回りが3.8%もある銘柄がツイッター上で話題になっていました。それが、不動産業を営むユニゾホールディングス(3258)です。

 チャートを拝見すると、ここ最近は下降トレンドになっています。第三者割当増資で発行株式数が増えることを嫌気した投資家による投げ売りが原因なのでしょうか?

 (第三者割当増資における発行株式数の確定に関するお知らせ

 早速、ファンダメンタルズを分析してみました。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.増収増益続きの業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.発行済株式総数、資本金等の推移について

 2-4.会計方針(収益認識基準)の変更

 2-5.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-5-1.現金及び預金について

  2-5-2.投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心

  2-5-3.財務キャッシュ・フローでは、借入等が中心

 2-6.気になる問題

  2-6-1.総資産回転比率が低い

  2-6-2.多額の支払利息

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年3集 夏号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「国内のビル賃貸は新規取得鈍化だが既存物件の賃料増額が寄与。海外は米国で積極投資継続、賃料収入積み増す。ホテルは出店拡大、既存店も高稼働。ホテル開業負担こなし利益続伸。金利負担膨らむ」と業績の好調ぶりが伺える内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は11.7%と非常に低く、安全性に不安が残ります。

 有利子負債は620,880百万円、総資産の84.1%も占めています。

 資本金26,163百万円に対し、利益剰余金は35,195百万円になります。

 

 

 

1-3.増収増益続きの業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

14.3

(実績)

21,930 6,905 5,727 3,078 186.2
15.3

(実績)

27,668 8,813 7,341 4,214 238.7
16.3

(実績)

32,385 10,605 8,500 6,593 332.5
17.3

(実績)

38,906 13,128 9,823 6,249 275.8
18.3

(実績)

52,462 17,570 11,500 8,488 313.2
19.3

(予想)

60,800 20,000 12,300 9,500 277.6
20.3

(予想)

65,500 22,000 13,500 10,200 298.1

 2014年3月期から2018年3月期まで売上高及び利益ともに伸び、増収増益が続いています。

 2019年3月期以降も増収増益が続く業績予想になっていますが、増資の影響で1株あたりの利益が減少しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第41期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は、オフィスビル等の保有、賃貸、管理や不動産仲介等を行う不動産事業、ビジネスホテルの保有、運営等を行うホテル事業を営んでいます。

 

セグメントの名称 事業内容
不動産事業 国内オフィスビル等の保有、賃貸、アセットマネジメント及びプロパティマネジメント業務並びに不動産仲介、ゴルフ場の保有、運営等

 

米国オフィスビル等の保有、賃貸、管理等

 

国内オフィスビル等の清掃、管理等

ホテル事業 ホテルの保有、運営

 

 

 

2-2.販売実績

 

セグメント名称 販売高

(千円)

割合

(%)

不動産事業 42,261,383 80.6
ホテル事業 10,200,674 19.4
合計 52,462,057

 同社は不動産事業の売上高が最も高く、全体の80.6%を占めています。

 

 

 

2-3.発行済株式総数、資本金等の推移について

 

発行済株式総数増減数

(株)

発行済株式総数残高

(株)

資本金増減額

(千円)

平成26年11月25日 2,870,000 19,403,000 4,943,288
平成26年12月15日 430,000 19,833,000 740,632
平成28年7月11日 3,450,000 23,283,000 6,127,545
平成28年7月28日 487,700 23,770,700 866,203
平成29年7月18日 4,140,000 27,910,700 4,921,880
平成29年7月28日 610,000 28,520,700 725,204

 毎年のように、新たに株式を発行して資金を調達しています。

 この調達した資金はオフィスビル等の不動産を購入するために充当されたと思いますが、発行済株式総数が増えれば1株あたりの利益は希薄化をします。

 現在は増収増益が続いていますが、投資家としては1株あたりの利益の希薄化と会社の成長性について損得関係を天秤にかけたいところです。

 

 

 

2-4.会計方針(収益認識基準)の変更

 

 当連結会計年度より、ユニゾングループはテナントよりの賃貸収入についての収益認識基準を契約書に基づき収益を認識する方法から解約の可能性が高い又は相当程度の不確実性があると判断される場合を除いた期間(賃貸人が退去しない可能性が高い期間が合理的に確実な期間)の段階賃料も含めた契約総額をフリーレント期間を含む当該期間に亘り均等に認識する方法に変更しています。

 この結果、前連結会計年度の売上高は680,053千円増加し、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益はそれぞれ674,015千円増加しています。

 

 

 

2-5.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-5-1.現金及び預金について

 

 

 

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

H30.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産
 現金及び預金 19,647,036 4.2% 40,402,122 6.4% 46,115,241 6.2%
総資産合計 466,620,607 633,866,840 738,676,853

 3期に渡り、現金及び預金が増えています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、いずれの期も有形固定資産の取得で資金を使用したものの、営業キャッシュ・フローからの資金の獲得と借入金や社債、株式の発行で資金を調達したことなどが要因で現金及び預金が増えています。

 

2-5-2.投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心

 

 

 

H28.3.31

(千円)

H29.3.31

(千円)

H30.3.31

(千円)

投資キャッシュ・フロー ▲73,720,313 ▲130,651,784 ▲127,884,291
有形固定資産の取得による支出 ▲84,858,692 ▲131,013,659 ▲135,746,347
有形固定資産の売却による収入 11,233,708 0 5,385,769

 投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心になっています。

 

 

 

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

H30.3.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産
 建物及び構築物(純額) 76,386,647 16.4% 143,151,519 22.6% 205,907,504 27.9%
 信託建物及び信託構築物(純額) 92,238,055 19.8% 97,340,438 15.4% 94,416,200 12.8%
 機械装置及び運搬具(純額) 115,837 0.0% 146,314 0.0% 188,658 0.0%
 信託機械装置及び信託運搬具(純額) 146,162 0.0% 140,013 0.0% 96,424 0.0%
 土地 65,828,173 14.1% 109,167,755 17.2% 151,815,158 20.6%
 コース勘定 1,489,299 0.3% 1,489,299 0.2% 1,489,299 0.2%
 信託土地 179,609,680 38.5% 197,305,862 31.1% 196,290,813 26.6%
 建物仮勘定 1,279,491 0.3% 2,989,191 0.5% 6,661,885 0.9%
 その他(純額) 680,763 0.1% 591,391 0.1% 1,081,635 0.1%
有形固定資産合計 417,774,107 89.5% 552,321,782 87.1% 657,947,576 89.1%
総資産合計 466,620,607 633,866,840 738,676,853

 その結果、有形固定資産合計は417,774,107千円から657,947,576千円にまで増えていますが、その中でも建物及び構築物(純額)と土地の増加が目立ちます。

 

2-5-3.財務キャッシュ・フローでは、借入等が中心

 

 

 

H28.3.31

(千円)

H29.3.31

(千円)

H30.3.31

(千円)

財務キャッシュ・フロー 73,671,229 144,196,184 108,317,249
短期借入金の純増減額(▲は減少) 15,041,200 ▲32,838,650 ▲16,145,090
長期借入金れによる収入 119,402,784 185,296,693 147,180,232
長期借入金の返済による支出 ▲64,329,706 ▲70,382,712 ▲80,594,365
社債の発行による収入 4,968,513 49,743,930 48,747,139

 財務キャッシュ・フローでは、借入金や社債などの有利子負債の借入が中心になっています。

 

 

 

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

H30.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債
 短期借入金 54,133,740 11.6% 21,295,090 3.4% 5,150,000 0.7%
 1年内返済予定の長期借入金 67,341,096 14.4% 85,986,209 13.6% 61,397,831 8.3%
固定負債
 社債 5,000,000 1.1% 55,000,000 8.7% 104,000,000 14.1%
 長期借入金 259,763,704 55.7% 368,302,321 58.1% 450,333,024 61.0%
有利子負債合計 386,238,540 82.8% 530,583,620 83.7% 620,880,855 84.1%
総資産合計 466,620,607 633,866,840 738,676,853

 その結果、有利子負債は386,238,540千円から620,880,855千円にまで増加し、総資産の84.1%を占めるようになっています。

 

1年以内

 

(千円)

1年超

2円以内

(千円)

2年超

3年以内

(千円)

3年超

4年以内

(千円)

4年超

5年以内

(千円)

5年超

 

(千円)

短期借入金 5,150,000
社債 5,000,000 20,000,000 18,000,000 61,000,000
長期借入金 61,397,831 83,841,274 78,579,571 137,572,019 77,468,769 72,871,389

 なお、短期借入金、長期借入金及び社債の返済予定期間はこのようになっています。

 

区分 当期首残高

(千円)

当期末残高

(千円)

平均利率

(%)

返済期限
短期借入金 21,295,090 5,150,000 0.5
1年内返済予定の長期借入金 85,986,209 61,397,831 0.7
長期借入金(1年以内返済予定のものを除く) 368,302,321 450,333,024 1.5 平成31年4月30日~平成39年12月30日
合計 475,583,621 516,880,855

 また、短期借入金及び長期借入金の平均利率は、0.5%~1.5%になっています。

 

 

 

2-6.気になる問題

 

 さて、同社のファンダメンタルズを調べていると気になる問題がありました。そのことについて取り上げたいと思います。

 

2-6-1.総資産回転比率が低い

 

 

 

H28.3.31

(回転)

H29.3.31

(回転)

H30.3.31

(回転)

総資産回転比率 0.07 0.06 0.07

 総資産回転比率(売上高÷総資産)が極端に低くなっています。

 これはつまり、売上高に貢献していないムダな資産が多いということになります。

 

2-6-2.多額の支払利息

 

 

 

H28.3.31

(千円)

利益率

(%)

H29.3.31

(千円)

利益率

(%)

H30.3.31

(千円)

利益率

(%)

営業利益 10,605,579 32.7% 13,802,187 34.9% 17,570,985 33.5%
    ~
 支払利息 2,357,889 3,451,619 6,692,686
経常利益 8,500,316 26.2% 10,497,129 26.5% 11,500,813 21.9%

 営業利益では大きな利益を出していますが、経常利益になると利益が大きく減少しています。

 その原因は多額の支払利息が発生しているためですが、これは借入金や社債の金利ではないかと思います。

 また、借入金の増加に伴って支払利息が年々増えていますが、今後金利が上昇すると会社の収益を圧迫する可能性があると考えられます。

※ 但し、金利スワップの利用等により金利上昇リスクのヘッジを図っているそうです。

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 売上高に比べて借入金や社債などの有利子負債の過剰さが目立ちます。現在は営業キャッシュ・フローも黒字で銀行も積極的に貸付けを行っているため資金繰りに問題はなさそうですが、今後の金利動向について留意する必要があると思います。

 また、借入金だけでは足りないためか株式を発行し、資金を調達している点についても気になるところです。発行済株式数が増えれば株式価値の希薄化が起こりますので、投資家ならその点も考慮して今後の会社の成長性を見極める必要があると思います。

 同社はものすごい勢いで有形固定資産を取得していますが、その理由について詳しく調べてみると何か面白い情報があるのかもしれません。

 7月30日の終値である2,081円で計算をすると、PERは6.76倍、PBRは0.66倍になっています。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 不動産業, 業種別

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