広告費用前営業利益発言で話題奮闘! ロコンド(3558)を分析してみる

   

 ネット通販会社ロコンド(3558)の田中裕輔社長が考えた広告費用前営業利益発言が発端で、同社が多くの投資家に注目を浴びているそうです。

 どうやら、広告費用前営業利益だと122%も伸びているそうです。

 実際、別の記事によると業績は好調に推移しているそうです。

 (ネット通販のロコンドが好調、チヨダとABCマートも回復 靴小売り6月売上

 そこで今回は、ロコンド(3558)のファンダメンタルズを分析してみました。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.増収傾向の業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.会社の対応すべき課題

 2-4.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金について

  2-4-2.優れた財務体質

  2-4-3.固定資産の割合について

  2-4-4.投資キャッシュ・フローでは、敷金及び保証金の差入が中心

  2-4-5.経営指標等について

 2-5.気になる問題

  2-5-1.財務キャッシュ・フローでは株式の発行が中心

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年3集 夏号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「主力の靴通販サイトは順調増。テレビCM効果も加わり新規会員数が急速拡大。ECサイト支援などBtoBサービスも伸長。だが、テレビCM大量投入に伴う広告宣伝費が重荷。営業大幅赤字に転落。」とネガティブよりの内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は78.3%もあり、安全性は十分です。

 有利子負債はなく、無借金経営が行われています。

 資本金1,103百万円に対し、利益剰余金は473百万円になっています。

 

 

 

1-3.増収傾向の業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

15.2

(実績)

1,693 ▲632 ▲633 ▲635 ▲529.9
16.2

(実績)

2,227 ▲208 ▲207 ▲209 ▲175.0
17.2

(実績)

2,893 193 195 298 91.1
18.2

(実績)

3,972 326 312 175 16.2
19.2

(予想)

6,000 ▲1,000 ▲900 ▲900 ▲82.6
20.2

(予想)

7,800 0 100 100 9.2

 2015年2月期から2018年2月期にかけ売上高は右肩上がりで伸びていますが、利益については2016年2月期まで赤字が続いていました。

 2019年2月期以降も売上高は増収傾向が続くものの、利益は再び赤字になる予想になっています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第8期(平成29年3年1日-平成30年2月28日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は靴とファッショの通販サイトを軸とする「ECサービス」、またECサービスで構築したIT・物流インフラ等を共有・活用した「プラットフォームサービス」を運営しています。

 

セグメントの名称 事業内容
ECサービス ECサービスについては、受託型と買取型の2つの取引形態になっています。

受託型は、「LOCONDO.jp」に各ブランドがテナント方式で出店を行い、出店後の運営管理を当社が行うサービスであり、各ブランドの店舗に掲載する商品を当社の物流拠点に受託在庫として預かり、販売を行っています。

買取型は、当社が各ブランドからファッション商材等の商品を仕入れ、自社在庫を持つことで当社が在庫リスクを負担し販売を行うセレクションショップ型事業です。

プラットフォームサービス プラットフォームサービスについては、ブランドの自社公式EC支援(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗の欠品及び品揃え補強(LOCOCHOC)の運営等を行っています。

 

 

 

2-2.販売実績

 

セグメント名称 販売高

(千円)

割合

(%)

ECサービス 3,285,434 82.7
プラットフォームサービス 686,623 17.3
合計 3,972,058

 同社はECサービス事業の売上高が最も高く、売上全体の82.7%を占めています。

 

 

 

2-3.会社の対応すべき課題

 

 日本国内の衣料・服装雑貨等のEC化率は11.5%(平成29年度、経済産業省「電子商取引に関する市場調査」より)と、諸外国と比較しても低い水準にあり、そのためEC化率の拡大を目指していくそうです。

 

 

 

2-4.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-4-1.現金及び預金について

 

 

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

流動資産
 現金及び預金 986,933 58.7% 946,269 43.2% 2,943,653 66.7%
総資産合計 1,682,216 2,189,625 4,414,523

 平成30年2月期には現金及び預金が急増しています。

 キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、主に株式を発行して資金を調達したことが要因で現金及び預金が増えています。

 

2-4-2.優れた財務体質

 

 短期的な支払能力を表す指標に当座比率があります。一般に100%あればよいといわれていますが、同社の場合は360%もあります。

 自己資本比率は78.3%もあり、有利子負債はありません。財務体質に優れた会社といえます。

 

2-4-3.固定資産の割合について

 

 

 

H28.2.29

(%)

H29.2.28

(%)

H30.2.28

(%)

流動資産 90.1 83.7 89.5
固定資産 9.9 16.3 10.5

 同社の場合、固定資産の割合は少なく、流動資産の割合が多くなっています。

 ネット通販事業を行っているため、ほとんど店舗等の設備投資を必要としない事業形態だからだと考えられます。

 

2-4-4.投資キャッシュ・フローでは、敷金及び保証金の差入が中心

 

 

 

H28.2.29

(千円)

H29.2.28

(千円)

H30.2.28

(千円)

投資キャッシュ・フロー ▲65,402 ▲232,846 ▲129,817
敷金及び保証金の差入による支出 ▲22,675 ▲164,038 ▲107,920
敷金及び保証金の回収による収入 1,200 0 91,555

 投資キャッシュ・フローでは、敷金及び保証金の差入が中心になっています。

 

 

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産
 敷金及び保証金 103,313 6.1% 267,351 12.2% 283,716 6.4%
総資産合計 1,682,216 2,189,625 4,414,523

 その結果、敷金及び保証金は103,313千円から283,716千円にまで増加しています。

 

2-4-5.経営指標等について

 

 

 

H28.2.29

 

H29.2.28

 

H30.2.28

 

売上高
(千円)
2,227,833 2,893,915 3,972,058
当期純利益又は当期純損失(▲)
(千円)
▲209,763 298,496 175,346
純資産額
(千円)
979,304 1,277,800 3,458,760
総資産額
(千円)
1,682,222 2,189,622 4,414,530
従業員数
(人)
68 67 80

 売上高は増収傾向ですが、利益については平成29年2月期から黒字に転換しています。

 従業員数も増え、純資産額及び総資産額は倍以上に増えています。

 以上より、この会社は成長株だと考えられます。

 

※ 平成28年2月期の赤字は、事業拡大のために先行投資を行ったためのようです。

 

 

 

2-5.気になる問題

 

 さて、同社のファンダメンタルズを調べていると気になる点もありました。そのことについて取り上げたいと思います。

 

2-5-1.財務キャッシュ・フローでは株式の発行が中心

 

 

 

H28.2.29

(千円)

H29.2.28

(千円)

H30.2.28

(千円)

財務キャッシュ・フロー 1,292,403 196,188 1,789,884
株式の発行による収入 795,275 0 1,999,117

 順調に売上高が伸び運転資金を必要としているためでしょうか、財務キャッシュ・フローでは株式の発行で資金を調達しています。

 

 

 

H29.2.28

(千株)

H30.2.28

(千株)

発行済株式総数 4,246 5,444

 その結果、発行済株式総数は5,444千株にまで増えています。

 発行済株式数が増えると1株当たりの利益は減少しますので、株主は損をすることになります。

 

※ 平成28年2月期は普通株式を発行していないため、記載を省略しています。

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 売上高の増収に伴い、多くの資金を必要とする成長株であるように感じました。

 そのためだと思いますが、平成30年2月期は多くの株式を発行して資金を調達しています。

 けど、新たに株式を発行すれば1株あたりの利益が減少しますので、株主の利益を第一に考えるのであれば銀行から借入を行うべきだと思いました。

 7月13日の終値である1,090円で計算をすると、PBRは3.43倍になっています。

 

※ PERについては、赤字業績の予想になっているため表示できません。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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