急騰銘柄、シーズメン(3083)を分析してみる

   

 6月12日、シーズメン(3083)の株価が急騰しました。

 その理由について調べてみたものの、これといったニュースは見当たりません。

 実はこの会社、2,3年ほどくらい前に株価が安かったことから、一度買いを検討した銘柄であります。

 今回は、個人的にも一度関わったことがあるシーズメン(3083)のファンダメンタルズを分析したいと思います。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.減収減益続きの業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績について

 2-3.不当表示について

 2-4.今後の見通し

 2-5.第三者割当について

 2-6.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-6-1.現金及び預金について

 2-7.気になる問題

  2-7-1.有形固定資産及び無形固定資産について

  2-7-2.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

  2-7-3.経営指標等について

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年2集 春号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「19年2月期は出退店ゼロ。既存店(前期5%減)は独自商品増やし底入れ。前期10退店で減収だが採算改善。在庫処分減り家賃引き下げ推進。減損、閉鎖損減る。」と少し明るさが見え始めた内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は28.1%ありますが、安全性に少し欠けているように感じます。

 有利子負債は605百万円、総資産の32.1%を占めています。

 資本金245百万円に対し、利益剰余金は▲87百万円とマイナスになっています。

 

 

 

1-3.減収減益続きの業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

純利益

(百万円)

1株益

(円)

15.2

(実績)

6,832 ▲6 ▲16 ▲93 ▲118.2
16.2

(実績)

6,285 ▲87 103 ▲259 ▲328.4
17.2

(実績)

5,264 ▲397 ▲414 ▲719 ▲910.8
18.2

(実績)

4,229 ▲256 ▲272 ▲750 ▲794.88
19.2

(会社予想)

3,800 10 5 0 0.0

 2015年2月期から2018年2月期にかけ、売上高の減収と赤字業績が続いています。

 2019年2月期も売上高の減収が続くものの、利益面では赤字業績から改善する見込みになっています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第29期(平成29年3年1日-平成30年2月28日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は、カジュアルウエアを主として扱う小売専門店を営んでいます。

 

 

 

2-2.販売実績について

 

商品別 売上高

(千円)

割合

(%)

シャツ 136,257 3.2
ニット

(セーター・トレーナー等)

1,266,700 29.9
ボトムス 466,409 11.0
ブルゾン 1,215,043 28.7
小物・雑貨 948,985 22.4
その他 196,263 4.6
合計 4,229,659

 同社ではニットの売上高が最も高く、売上全体の29.9%を占めています。

 次にブルゾンの売上高が高く、売上全体の28.7%を占めています。

 

 

 

2-3.不当表示について

 

 平成29年6月後半以降に同社が運営する店舗のうち32店舗にて実施した「夏季セール」において、セール対象の衣料品の販売価格の表示が、実際のものよりも取引方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示があり、景品表示法に違反するとして、平成29年12月5日付で消費者庁より措置命令を受けています。

 (「METHOD」のシーズメン、セールで不当表示

 

 

 

2-4.今後の見通し

 

平成30年2月期の業績

(百万円)

平成31年2月期の業績予想

(百万円)

対前期増減率

(%)

売上高 4,229 3,800 ▲10.1
営業利益 ▲256 10
経常利益 ▲272 5
当期純利益 ▲750 0

 早期の業績回復に取り組むため、「①魅力ある店頭・VMDの実現」、「②CRMの強化」、「③MDの精緻化」、「④仕入先の戦略的な選択」、「⑤コスト削減の徹底」、「⑥過年度在庫の消化促進」、「⑦EC事業の拡大」を実現していくそうです。

 

 

 

2-5.第三者割当について

 

発行株式数:普通株式1,025,000株

発行価額:1株につき475円

資金調達の額:486,875,000円

資金調達の使途:運転資金に充当

 同社は第三者割り当てによって新たに株式を発行し、平成30年3月12日に割当先からの払込が完了したそうです。

 しかし、新たに株式を発行すれば1株あたりの利益は希薄化をしますので、既存株主が保有する株式の価値は希薄化をする恐れがあります。

 

 

 

2-6.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-6-1.現金及び預金について

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

流動資産
 現金及び預金 1,223,107 34.3% 738,862 26.8% 315,256 21.5%
総資産合計 3,564,487 2,760,389 1,463,337

 3期に渡り、現金及び預金が減少しています。

 キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成29年2月期は営業キャッシュ・フローからの資金の支出に加え、有形固定資産や無形固定資産の取得、そして有利子負債を返済したことが要因で現金及び預金が減少しています。

 平成30年2月期は営業キャッシュ・フローからの資金の支出に加え、有利子負債を返済したことが要因で現金及び預金が減少しています。

 

 

 

2-7.気になる問題

 

 さて、同社のファンダメンタルズを調べていると問題だらけの会社であるように感じました。そのことについて取り上げていきたいと思います。

 

2-7-1.有形固定資産及び無形固定資産について

 

 

 

H28.2.29

(千円)

H29.2.28

(千円)

H30.2.28

(千円)

投資キャッシュ・フロー ▲186,840 ▲97,647 121,985
有形固定資産の取得による支出 ▲208,132 ▲90,049 ▲49,205
無形固定資産の取得による支出 ▲25,517 ▲87,820 ▲16,062

 3期連続で有形固定資産や無形固定資産を取得しています。

 

 

 

H28.2.29

(千円)

H29.2.28

(千円)

H30.2.28

(千円)

特別損失
 固定資産除去損 12,213 8,448 4,599
 店舗閉鎖損失 4,682 26,995 49,211
 減損損失 25,626 143,153 421,345

 しかし、損益計算書では減損損失などの特別損失を計上しています。

 

 

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

有形固定資産
 建物(純額) 317,698 8.9% 238,128 8.6% 0 0.0%
 工具、器具及び備品(純額) 87,113 2.4% 70,267 2.5% 0 0.0%
 リース資産(純額) 0 0.0% 8,253 0.3% 0 0.0%
 建物仮勘定 3,775 0.1% 0 0.0% 0 0.0%
有形固定資産合計 408,586 11.5% 316,648 11.5% 0 0.0%
無形固定資産
 ソフトウエア 6,900 0.2% 16,438 0.6% 0 0.0%
 リース資産 0 0.0% 88,020 3.2% 0 0.0%
 その他 28,008 0.8% 3,800 0.1% 0 0.0%
無形固定資産合計 34,908 1.0% 108,258 3.9% 0 0.0%
総資産合計 3,564,487 2,760,389 1,463,337

 その結果、固定資産の価値は減り続け平成30年2月期には有形固定資産と無形固定資産の価格は0千円になっています。

 一体、何のために有形固定資産や無形固定資産を取得したのでしょうか。

 

2-7-2.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 

 

 

H28.2.29

(千円)

H29.2.28

(千円)

H30.2.28

(千円)

財務キャッシュ・フロー ▲103,650 ▲175,156 ▲310,973
短期借入金の純増減額(▲は減少) 0 ▲1,000 ▲199,000
長期借入れによる収入 0 0 100,000
長期借入金の返済による支出 ▲179,036 ▲141,430 ▲141,588
社債の発行による収入 195,982 0 0
社債の償還による支出 ▲120,000 ▲140,000 ▲140,000

 財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心になっています。

 

 

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

流動負債
 短期借入金 200,000 5.6% 199,000 7.2% 0 0.0%
 1年内償還予定の社債 140,000 3.9% 140,000 5.1% 115,000 7.9%
 1年内返済予定の長期借入金 141,430 4.0% 131,448 4.8% 126,644 8.7%
固定負債
 長期借入金 260,812 7.3% 129,364 4.7% 92,580 6.3%
 社債 365,000 10.2% 225,000 8.2% 110,000 7.5%
有利子負債合計 1,107,242 31.1% 824,812 29.9% 444,224 30.4%
総資産合計 3,564,487 2,760,389 1,463,337

 その結果、有利子負債は1,107,242千円から444,224千円にまで減少しています。

 しかし、この有利子負債が減少した理由は銀行などが融資を引きあげたためではないかと思います。

 

2-7-3.経営指標等について

 

 

 

H28.2.29 H29.2.28 H30.2.28
売上高
(千円)
6,285,328 5,264,976 4,229,659
当期純損失(▲)
(千円)
▲259,307 ▲719,140 ▲750,309
営業キャッシュ・フロー
(千円)
▲48,675 ▲211,440 ▲234,617
純資産額
(千円)
1,772,886 1,057,293 375,174
自己資本比率
(%)
49.7 38.3 25.6
従業員数
(人)
188 169 122

 売上高の減収に伴い赤字業績が続き、営業キャッシュ・フローのマイナスも続いています。純資産額は減少し、自己資本比率も低下しています。また、従業員のリストラが続いています。

 会社として危険な状態であるとしかいえません。

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 平成30年2月期までは、手持ちの現金及び預金などの資産で赤字業績と負債の返済に何とか対応できた印象です。

 しかし、現金及び預金など会社の資産も底をつきそうな状況であり、自力で業績の黒字化を行うことは難しいと思います。銀行からの新たな借入もできず、新たに株式を発行して資金を調達するしか方法がないように感じました。

 4月5日のニュースによると、新社長として三河宏彰取締役販売本部長が就任したそうです。新たな社長は会社の業績を立て直すことができるのか、その動向に注目したいと思います。

 (シーズメン 新社長に三河宏彰取締役販売本部長

 6月13日の終値である1,026円で計算をすると、PBRは2.67倍になっています。

 

※ PERについては、利益0百万円の予想になっているため表示できません。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 小売業, 業種別

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