マックむらい氏の登壇決定で株価急騰! AppBank(6177)を分析してみる

      2018/06/06

 2018年7月4日、5日に開催される「2018 TokenSky Blockchain Conference Tokyo Session」にマックむらい氏の登壇が決定したことを受け、AppBank(6177)の株価が急伸しました。

 (アジア最大級のトークンエコノミーと ブロックチェーン業界向けイベント 『TokenSky』にマックスむらい登壇決定!

 それほど、業績に大きなインパクトを与えるビッグニュースなのでしょうか? そこで、同社のファンダメンタルズを調べてみることにしました。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.減収減益傾向の業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績について

 2-3.事業環境について

 2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金について

  2-4-2.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 2-5.気になる問題

  2-5-1.長期未収入金について

  2-5-2.長期借入金について

  2-5-3.新株予約権について

  2-5-4.赤字業績

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年2集 春号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「メディアは元役員不祥事影響薄れ大手広告主戻る。「マックむらい」チャンネルも視聴者数回復。だが前期の海外スポット案件剥落。ストアは契約満了で3月閉鎖大型店の穴埋めできず。減損特損減る。」と先の暗い内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は44.9%あり、安全性に問題はなさそうです。

 有利子負債は525百万円、総資産の38.2%も占めています。

 資本金99百万円に対し、利益剰余金は207百万円になります。

 

 

 

1-3.減収減益傾向の業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

純利益

(百万円)

1株益

(円)

13.12

(実績)

1,354 38 36 0 0.1
14.12

(実績)

3,012 527 514 328 48.4
15.12

(実績)

3,966 12 861 551 85.4
16.12

(実績)

2,332 ▲107 ▲145 ▲80 ▲12.2
17.12

(実績)

1,829 ▲269 ▲275 ▲459 ▲68.7
18.12

(予想)

1,800 ▲135 ▲140 ▲140 ▲20.9
19.12

(予想)

1,850 0 ▲10 ▲20 ▲3.0

 2015年12月期をピークに、売上高の減収が続いています。また、赤字業績が続いています。

 2018年12月期以降も赤字業績が続く予想になっています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第6期(平成29年1年1日-平成29年12月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は、iPhoneを中心としたスマートフォン関連のアプリ及びグッズ等のレビューサイトによる広告事業を行う「メディア事業」、インターネット、直営店舗を利用したスマートフォン関連グッズの販売事業等を行う「ストア事業」を行っています。

 

セグメントの名称 事業内容
メディア事業 ①B2B事業

B2B事業では当社グループが提供する各種コンテンツやサービスをベースに、ユーザーに対して各種広告を提供することで広告収益を得る事業である。

 

②広告プラットフォーム事業

広告プラットフォーム事業では主に、アドネットワーク(広告媒体としてのアプリを複数集めてネットワーク化し、それらのアプリ内に広告配信を行うサービス)といわれる仕組みを、広告プラトフォームを通じて運営することにより、広告収益を獲得している事業である。

 

③アプリ事業

アプリ事業では、ゲーム攻略アプリ、SNSアプリ等を当社グループにおいて開発・運営している。

 

④動画サービス事業

動画サービス事業では、「YouTube」及び「ニコニコ動画」等の動画プラットフォームを対象に、自社制作による動画コンテンツの提供を行っている。また、「ニコニコ動画」からは「マックむらい部」チャンネルの有料会員収入に係る収益を獲得している。

ストア事業 当社が提供するメディア上の記事で紹介された商品を「試して・話して・買うことができる」実店舗の運営を行っている。

 

 

 

2-2.販売実績について

 

セグメントの名称 売上高

(千円)

割合

(%)

メディア事業 847,913 46.4
ストア事業 981,315 53.6
合計 1,829,228

 同社ではストア事業の売上高が最も高くなっています。

 

 

 

2-3.事業環境について

 

 同社を取り巻く事業環境は、国内におけるインターネット及びスマートフォンの普及速度が加速する中、関連する市場の規模も急速なスピードで拡大を続け、今後もさらなる市場の拡大が見込まれるそうです。

 

 

 

2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-4-1.現金及び預金について

 

 

 

H27.12.31

(千円)

割合

(%)

H28.12.31

(千円)

割合

(%)

H29.12.31

(千円)

割合

(%)

流動資産
 現金及び預金 2,010,935 74.8% 1,464,745 66.5% 924,886 67.4%
総資産合計 2,688,047 2,203,204 1,372,167

 3期に渡り、現金及び預金が減少しています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成28年12月期は営業キャッシュ・フローからの資金の支出に加え、投資有価証券や有形固定資産の取得、長期借入金の返済を行ったことが要因で現金及び預金が減少しています。

 平成29年12月期は営業キャッシュ・フローからの資金の支出に加え、長期借入金の返済を行ったことが要因で現金及び預金が減少しています。

 

2-4-2.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 

 

 

H27.12.31

(千円)

H28.12.31

(千円)

H29.12.31

(千円)

財務キャッシュ・フロー 637,889 ▲49,046 ▲290,616
短期借入金の純増減額(▲は減少) ▲70,000 0 0
長期借入れによる収入 710,000 300,000 0
長期借入金の返済による支出 ▲200,394 ▲362,349 ▲305,016

 財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心になっています。

 

 

 

H27.12.31

(千円)

割合

(%)

H28.12.31

(千円)

割合

(%)

H29.12.31

(千円)

割合

(%)

流動負債
 1年内返済予定の長期借入金 300,677 11.2% 301,910 13.7% 182,434 13.3%
固定負債
 長期借入金 592,533 22.0% 528,951 24.0% 343,411 25.0%
有利子負債合計 893,210 33.2% 830,861 37.7% 525,845 38.3%
総資産合計 2,688,047 2,203,204 1,372,167

 その結果、有利子負債は893,210千円から525,845千円にまで減少しています。

 

 

 

2-5.気になる問題

 

 さて、同社のファンダメンタルズを調べていると気になる問題もありました。そのことについて取り上げていきたいと思います。

 

2-5-1.長期未収入金について

 

 

 

H27.12.31

(千円)

割合

(%)

H28.12.31

(千円)

割合

(%)

H29.12.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産
 長期未収入金 148,691 5.5% 148,691 6.7% 148,691 10.8%
 貸倒引当金 ▲148,691 -5.5% ▲148,691 -6.7% ▲148,691 -10.8%
総資産合計 2,688,047 2,203,204 1,372,167

 3期に渡り、長期未収入金は変動していません。つまり、この債権は回収されていないと考えられます。

 不良債権化したときのために貸倒引当金は計上されているものの、この債権に資産性はほとんどないと思います。

 

2-5-2.長期借入金について

 

 

 

H27.12.31

(千円)

割合

(%)

H28.12.31

(千円)

割合

(%)

H29.12.31

(千円)

割合

(%)

固定負債
 長期借入金 592,533 22.0% 528,951 24.0% 343,411 25.0%
総資産合計 2,688,047 2,203,204 1,372,167

 一般に、企業が長期借入金の借入を行う理由は有形固定資産などの固定資産を取得するためです。

 

 

 

H27.12.31

(千円)

割合

(%)

H28.12.31

(千円)

割合

(%)

H29.12.31

(千円)

割合

(%)

 有形固定資合計 73,311 2.7% 65,299 3.0% 42,239 3.1%
 無形固定資産合計 7,786 0.3% 3,054 0.1% 30,170 2.2%
 投資その他の資産合計 121,686 4.5% 176,943 8.0% 73,439 5.4%
固定資産合計 202,783 7.5% 245,296 11.1% 145,848 10.6%
総資産合計 2,688,047 2,203,204 1,372,167

 しかし長期借入金343,411千円に対し、有形固定資産や無形固定資産などの固定資産は145,848千円しかありません。

 一体、何のために長期借入金の借入を行っているのでしょうか?

 

2-5-3.新株予約権について

 

 

 

H27.12.31

(千円)

割合

(%)

H28.12.31

(千円)

割合

(%)

H29.12.31

(千円)

割合

(%)

純資産の部
 新株予約権 1,771 0.1% 1,643 0.1% 858 0.1%
総資産合計 2,688,047 2,203,204 1,372,167

 純資産の部に新株予約権が計上されています。

 ここで注意したいことは新株予約権の権利が行使された場合、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があることです。

 

2-5-4.赤字業績

 

 

 

H27.12.31

(千円)

H28.12.31

(千円)

H29.12.31

(千円)

売上高 3,966,839 2,332,279 1,829,228
当期純利益 551,444 ▲80,477 ▲459,228
営業キャッシュ・フロー 662,791 ▲404,121 ▲157,522

 平成28年12月期から売上高の減収が続いています。

 それに伴い、赤字業績が続き営業キャッシュ・フローのマイナスが続いています。

 そのため、現金及び預金の減少が続いています。

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 2期に渡って赤字業績が続き、営業キャッシュ・フローのマイナスが続いています。そのため、現金及び預金が減少しています。

 現在、当座比率は275%もあるので当面の事業資金について問題はないと思いますが、予断を許さない状況です。

 マックむらい氏の登壇イベントが業績改善にどのくらい貢献をするのでしょか?

 また、第4四半期連結会計期間からメディア事業は営業損失が圧縮し、ストア事業は営業損失から営業利益に転じたそうです。今後の業績に期待したいと思います。

 6月5日の終値である1,077円で計算をすると、PBRは29.96倍になっています。

 

※ PERについては、赤字業績の予想になっているため表示できません。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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