粉飾決算の疑いで強制調査!? ソルガム・ジャパン・ホールディングス(6636)を分析してみる

      2018/06/02

 平成30年5月24日に、ソルガム・ジャパン・ホールディングス(6636)から強制調査に関する発表がありました。これによると、過去に提出した有価証券報告書に虚偽記載の疑惑があるそうです。

 (証券取引等監視委員会の強制調査について

 同社の有価証券報告書を読んでみましたが、粉飾の可能性を疑う不自然な点などがいくつか見受けられました。

 そこで今回は、同社が粉飾決算を行っていると思われるポイントについて見ていきたいと思います。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.赤字業績

2.決算短信から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績について

 2-3.今後の見通し

 2-4.継続企業の前提に関する注記

 2-5.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-5-1.前渡金について

  2-5-2.短期貸付金について

  2-5-3.赤字業績について

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年2集 春号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「レストラン縮小続き、バイオ燃料事業の下期売上見込めず。新規運送会社も寄与ない。19年3月期は運送事業フル貢献でも、バイオ燃料の先行き以前不透明。海外営業費重く大幅営業赤字継続。」と最悪な内容です。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は54.3%もあります。

 有利子負債は17百万円、総資産のわずか0.7%しかありません。

 資本金3,882百万円に対し、利益剰余金は▲7,531百万円のマイナスになっています。

 

 

 

1-3.赤字業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

14.3

(実績)

1,389 ▲737 ▲1,008 ▲253 ▲32.1
15.3

(実績)

1,298 ▲1,121 ▲1,129 ▲1,275 ▲102.8
16.3

(実績)

2,793 ▲2,265 ▲2,368 ▲3,076 ▲164.2
17.3

(実績)

2,045 ▲1,466 ▲1,382 ▲1,357 ▲58.0
18.3

(実績)

1,486 ▲1,338 ▲1,496 ▲2,346 ▲77.8
19.3

(予想)

1,800 ▲1,000 ▲1,000 ▲1,000 ▲29.3

 2016年3月期の売上高をピークに、2017年3月期以降は減収に転じています。

 利益面では、全期間を通して赤字です。

 2019年3月期の業績予想について会社側は開示をしていませんが、四季報記者は赤字業績を予想しています。

 

 

 

 

2.決算短信から詳しく見ていく

 


 

 続いて、平成30年3月期決算短信[日本基準](連結)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は、「バイオ燃料事業」、「レストラン・ウエディング事業」及び「BIZ-ロジスティクス事業」の3つの事業で構成されています。

 

セグメント別 事業内容
バイオ燃料事業 スーパーソルガムの種子販売事業を行う。
レストラン・ウエディング事業 飲食店の直営店舗運営事業、フランチャイズ事業、婚礼に関連する商品の販売業、結婚式や結婚披露宴に関する運営事業を行う。
BIZ-ロジスティクス事業 一般貨物自動車運送業、普通倉庫事業を行う。

 

 

 

2-2.販売実績について

 

セグメントの名称 売上高

(千円)

割合

(%)

バイオ燃料事業 595,504 40.1
レストラン・ウエディング事業 713,184 48.0
BIZ-ロジスティクス事業 182,273 12.3
調整額 ▲4,823 ▲0.3
合計 1,486,138

 同社ではレストラン・ウエディング事業の売上高が最も高く、売上全体の48.0を占めています。

 

 

 

2-3.今後の見通し

 

 平成31年3月期の連結業績予想については、売上金の回収に遅れが生じていること、組合総合による審議が実施されていないこと、販売先との売買契約解除を行っていること等から、バイオ燃料事業の事業計画の見直しが必要であるそうです。

 そのため、現時点において連結業績を算出することが困難であるため、開示を行っていません。

 

 

 

2-4.継続企業の前提に関する注記

 

 同社グループは、当連結会計年度を含め過去9期連続において営業損失、経常損失、親会社に帰属する当期純損失を計上しています。

 また、当期連結会計年度末の現預金残高は82百万円しかなく、手許資金は厳しい状況にあるそうです。

 

 

 

2-5.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 さて、同社の決算書について不自然と思えたポイントを取り上げていきたいと思います。

 

2-5-1.前渡金について

 

 

 

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

H30.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産
 前渡金 3,356 0.2% 11,028 0.4% 564,946 34.0%
総資産合計 2,128,794 2,643,447 1,663,536

 前渡金とは、商品や製品、原材料のような仕入れを行った際、引き渡しを受ける前に前払いで支払ったときに処理をするための勘定科目です。

 この勘定科目は通常多くなることはありませが、それが平成30年3月期には総資産の34.0%にまで増えています。

 

 

 

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

H30.3.31

(千円)

割合

(%)

売上高 2,793,684 2,045,467 1,486,138
流動資産
 商品及び製品 382,828 18.0% 533,532 20.2% 681,874 41.0%
 仕掛品 18,352 0.9% 0 0.0% 0 0.0%
 原材料 7,034 0.3% 5,643 0.2% 5,388 0.3%
たな卸資産合計 408,214 19.2% 539,175 20.4% 687,262 41.3%
総資産合計 2,128,794 2,643,447 1,663,536

 しかし売上高は減収が続き、たな卸資産合計は41.3%も占めるほどすでに過剰気味です。

 その点で考えても、やはり前渡金が34.0%にまで増えるのは不自然です。

 

2-5-2.短期貸付金について

 

 

 

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

H30.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産
 短期貸付金 102,079 4.8% 402,293 15.2% 21,340 1.3%
総資産合計 2,128,794 2,643,447 1,663,536

 短期貸付金も通常の会社では多くなることはありませが、平成29年3月31日には総資産の15.2%にまで増えています。

 

 

 

H28.3.31

(千円)

H29.3.31

(千円)

H30.3.31

(千円)

当期純利益 ▲3,076,480 ▲1,357,821 ▲2,346,544
営業キャッシュ・フロー ▲1,165,246 133,741 ▲2,495,800
財務キャッシュ・フロー 563,225 956,659 1,350,995

 けど、平成29年3月期には大幅な赤字業績を計上しています。

 営業キャッシュ・フローはギリギリ黒字を計上しているものの、財務キャッシュ・フローでは株式を発行して資金を調達しています。

 このことから、同社が資金不足に陥っていると推測できます。そのような状況で貸付けを行うことは不自然です。

 

2-5-3.赤字業績について

 

 

 

H28.3.31

(千円)

H29.3.31

(千円)

H30.3.31

(千円)

売上高 2,793,684 2,045,467 1,486,138
当期純利益 ▲3,076,480 ▲1,357,821 ▲2,346,544

 同社は売上高以上の赤字業績を平成28年3月期と平成30年3月期に計上しています。

 正常な会社でも大幅な赤字を計上すことはありますが、それが売上高以上の赤字業績を出す会社は見たことがありません。

 ここまで赤字が大きな会社は、さすがに避けた方がいいと思います。

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 今回、同社の決算書で不自然なポイントについて取り上げてきましたが、この点からも粉飾を疑った方がよいと思います。

 粉飾を行えば決算書に何らかの形で数字として表れるものです。

 投資家は会社の決算書をよく調べ、不自然な点などが見られた場合はその会社への投資は見送るべきだと思います。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 電気機器

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