増収増益株、良品計画(7453)を分析してみる

   

 平成30年4月11日に、良品計画(7453)の決算発表がありました。これによると、平成30年2月期は営業収益が対前年比で13.9%の増収、当期純利益が対前年比で16.6%の増益になっています。

 平成31年2月期の連結業績予想については、営業収益が11.8%の増収、当期純利益は10.6%の増益を予想しています。

 また、年間配当金についても345円から382円の増配を予定しています。

 (平成30年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

 今回は、業績好調な良品計画(7453)のファンダメンタルズについて見ていきたいと思います。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.増収増益の業績

2.決算短信から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.商品別営業収益について

 2-3.地域ごとの営業収益

 2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金について

  2-4-2.敷金及び保証金が増加

  2-4-3.高い営業利益率

  2-4-4.投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心

  2-4-5.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

  2-4-6.自己株式の取得に積極的

 2-5 気になる問題

  2-5-1.たな卸資産回転比率が低い

  2-5-2.有形固定資産の償却方法について

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年2集 春号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「19年2月期は出店国内約15、海外約60(前期各17、約60)。国内は衣料品が牽引。値下げ戦略で粗利益率やや低下でも既在店の客数増続く。海外も積極出店の中国軸に拡大。連続最高益。連続増配。」と絶好調な内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は69.5%もあり、安全性に問題はなさそうです。

 有利子負債は13,703百万円、総資産の5.8%程しかありません。

 資本金6,766百万円に対し、利益剰余金は155,534百万円もあります。

 

 

 

1-3.増収増益の業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

15.2

(実績)

260,254 23,846 26,602 16,623 627.5
16.2

(実績)

307,532 34,439 32,700 21,718 818.4
17.2

(実績)

333,281 38,278 38,582 25,831 975.0
18.2

(実績)

379,551 45,286 45,985 30,113 1,146.96
19.2

(会社予想)

424,300 50,000 50,300 33,300 1,269,10

 2015年2月期から増収増益が続いています。

 そして、2019年2月期の業績も増収増益を予想しています。すばらしいですね。

 

 

 

 

2.決算短信から詳しく見ていく

 


 

 続いて、平成30年2月期決算短信[日本基準](連結)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は、自社ブランド商品である「無印良品」及び「MUJI」の販売を主たる業務としています。

 

 

 

2-2.商品別営業収益について

 

商品別 営業収益

(百万円)

割合

(%)

衣服・雑貨 144,004 37.9
生活雑貨 198,451 52.3
食品 23,954 6.3
その他 13,140 3.5
合計 379,551  

 同社では生活雑貨の営業収益が最も高く、収益全体の52.3%を占めています。

 

 

 

2-3.地域ごとの営業収益

 

  営業収益

(百万)

比率

(%)

日本 236,218 62.2
欧州 12,017 3.2
アジア・オセアニア 122,080 32.2
北米 9,235 2.4
営業収益合計 379,551  

 同社は日本以外の地域でも販売を行っており、海外での収益割合は37.8%になっています。

 

 

 

2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-4-1.現金及び預金について

 

 

 

H28.2.29

(百万円)

割合

(%)

H29.2.28

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 43,692 21.7% 38,555 18.0% 50,875 21.3%
総資産合計 200,912   214,696   238,304  

 現金及び預金が増減しています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成29年2月期は営業キャッシュ・フローから資金を儲けたものの、有形固定資産の取得や借入金、配当金などの支払いで現金及び預金が減少しています。

 平成30年2月期は営業キャッシュ・フローから十分な資金を儲けたことで現金及び預金が増加しています。

 また、同社が保有する現金及び預金は総資産の21.3%を占め、当座比率は120%もあります。

 

2-4-2.敷金及び保証金が増加

 

 

 

H28.2.29

(百万円)

割合

(%)

H29.2.28

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 敷金及び保証金 16,333 8.1% 16,983 7.9% 17,829 7.5%
総資産合計 200,912   214,696   238,304  

 3期に渡り、敷金及び保証金が増加しています。

 同社は国内や海外で積極的に出店を行っています。その際に賃貸人に差入れた敷金及び保証金だと考えられます。

 

2-4-3.高い営業利益率

 

 

 

H28.2.29

(%)

H29.2.28

(%)

H30.2.28

(%)

営業利益率 11.2 11.5 12.0

 小売業に属する大企業の平均的な営業利益率は1.0%と言われていますが、同社の場合は12.0%と桁外れの高さを誇っています。

 後ほど触れますが、この高収益体質の1つに減価償却資産の償却方法が関係していると考えています。

 

2-4-4.投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心

 

 

 

H28.2.29

(百万円)

H29.2.28

(百万円)

H30.2.28

(百万円)

投資キャッシュ・フロー ▲8,647 ▲9,856 ▲14,290
有形固定資産の取得による支出 ▲7,527 ▲8,468 ▲9,417

 投資キャッシュ・フローでは有形固定資産の取得が中心になっています。

 

 

 

H28.2.29

(百万円)

割合

(%)

H29.2.28

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物及び構築物(純額) 26,336 13.1% 26,598 12.4% 28,176 11.8%
 機械装置及び運搬具(純額) 2,274 1.1% 2,165 1.0% 2,459 1.0%
 工具、器具及び備品(純額) 6,922 3.4% 7,365 3.4% 7,889 3.3%
 土地 1,890 0.9% 1,931 0.9% 1,907 0.8%
 リース資産(純額) 1 0.0% 1 0.0% 76 0.0%
 建物仮勘定 288 0.1% 550 0.3% 716 0.3%
有形固定資産合計 37,711 18.8% 38,610 18.0% 41,223 17.3%
総資産合計 200,912   214,696   238,304  

 その結果、有形固定資産合計額は37,711百万円から41,223百万円にまで増加しています。

 売上高の増加に伴い、設備投資を積極的に行ってきたためだと考えられます。

 

2-4-5.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 

 

 

H28.2.29

(百万円)

H29.2.28

(百万円)

H30.2.28

(百万円)

財務キャッシュ・フロー ▲6,520 ▲14,361 ▲21,759
短期借入金の純増減額(▲は減少) ▲3,980 2,634 ▲2,552
長期借入れによる収入 3,053 0 1,651
長期借入金の返済による支出 ▲879 ▲6,813 ▲7,961

 財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心になっています。

 

 

 

H28.2.29

(百万円)

割合

(%)

H29.2.28

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 402 0.2% 3,000 1.4% 477 0.2%
 1年内返済予定の長期借入金 6,813 3.4% 7,887 3.7% 0 0.0%
固定負債            
 長期借入金 7,913 3.9% 0 0.0% 1,614 0.7%
有利子負債合計 15,128 7.5% 10,887 5.1% 2,091 0.9%
総資産合計 200,912   214,696   238,304  

 その結果、有利子負債合計額は15,128百万円から2,091百万円にまで減少しています。

 また、自己資本比率は71.3%から73.2%にまで上昇しています。

 

2-4-6.自己株式の取得に積極的

 

 

 

H28.2.29

(百万円)

H29.2.28

(百万円)

H30.2.28

(百万円)

財務キャッシュ・フロー ▲6,520 ▲14,361 ▲21,759
自己株式の売却による収入 369 1,062 454
自己株式の取得による支出 ▲1 ▲4,475 ▲5,066

 同社は、自己株式の取得にも積極的です。

 

 

 

H28.2.29

(株)

割合

(%)

H29.2.28

(株)

割合

(%)

H30.2.28

(株)

割合

(%)

自己株式数 1,518,572 5.4% 1,656,122 5.9% 1,838,866 6.5%
発行済株式数 28,078,000   28,078,000   28,078,000  

 その結果、保有している自己株式は5.4%から6.5%にまで上昇しています。

 一般に自己株式の取得を行うということは、会社自身が将来は明るいと考えていたり、他に投資をするよりも会社自身に投資をする方がよいと考えているためです。

 そのため、これはプラス材料と判断できます。

 

 

 

2-5 気になる問題

 

 さて、同社のファンダメンタルズを分析しているといくつか気になる問題もありました。そのことについても取り上げたいと思います。

 

2-5-1.たな卸資産回転比率が低い

 

 

 

H28.2.29

(回転)

H29.2.28

(回転)

H30.2.28

(回転)

たな卸資産回転比率 5.40 4.58 5.09

 一般に、小売業の平均的なたな卸資産回転比率は20回転と言われています。

 しかし、同社の場合は5.09回転しかありません。

 同社は他社にはないプライベートブランドを扱っているそうですが、そのことが高い営業利益率と低いたな卸資産回転比率として経営戦略に表れているのでしょうか?

 

2-5-2.有形固定資産の償却方法について

 

 一般に、有形固定資産の償却方法では多くの会社が定率法を採用しています。なぜなら、その方が最初で多くの費用を計上できるため節税に効果があるからです。

 しかし同社の場合は、毎年一定額で費用計上を行う定額法を採用しています。

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 当座比率も自己資本比率も高く、財務体質がしっかりとした優良企業だという印象を受けました。流石に日本を代表する会社ですね。

 たな卸資産回転比率の低さが気になりますが、営業利益率は高いため収益面に問題はないと思っていました。けど、その営業利益率の高さも減価償却費の償却方法が関係していると思います。正直、がっかりしました。

 しかし平成31年2月期も増収増益を予想し、業績は絶好調です。また、今後も積極的な出店を行って事業の拡大を図っていく方針です。そのため、業績も右肩上がりで伸びていくことを期待したいと思います。

 5月7日の終値である39,450円で計算をすると、PERは31.09倍、PBRは6.09倍になっています。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 小売業, 業種別

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