増収増益株、北の達人(2930)を分析してみる

      2018/04/21

 平成30年4月13日に、北の達人(2930)の決算発表がありました。

 それによると、平成30年2月期の売上高は対前年比で96%の増収、利益は対前年比で2.66倍もの増益になっています。

 そして、平成31年2月期の通期業績予想は更なる増収増益の予想です。

 (平成30年2月期 決算短信〔日本基準〕(非連結))

 また好調な業績を受けて、増配の発表も行っています。

 (配当予想の修正(増配)に関するお知らせ)

 そこで今回は、成長が著しい同社のファンダメンタルズについて見ていきたいと思います。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.増収増益予想の業績

2.決算短信から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.国内Eコマース市場について

 2-3.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.現金及び預金が増加

  2-3-2.運転資金が増加

  2-3-3.高収益体質

 2-4.気になる問題

  2-4-1.未払法人税が増加

  2-4-2.長期借入金について

  2-4-3.当期純利益の方が多い

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年2集 春号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「19年2月期は前期からの積極的な広告宣伝効果で集客に強み。主力のカイテキオリゴが堅調。目元クリームやつめケア商品も成長。新商品は前期同様5品前後投入。増収効果大きく、広告宣伝費増や人件費増を吸収、連続最高益。連続増配。」と絶好調な内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は67.5%もあり、安全性は十分です。

 有利子負債は241百万円、総資産の8.1%を占めています。

 資本金212百万円に対し、利益剰余金は1,639百万円もあります。

 

 

 

1-3.増収増益予想の業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

15.2

(実績)

1,940 459 446 268 2.1
16.2

(実績)

2,222 397 393 226 1.7
17.2

(実績)

2,696 542 538 356 2.7
18.2

(実績)

5,292 1,403 1,403 948 7.21
19.2

(会社予想)

7,589 2,430 2,430 1,643 11.77

 2015年2月期から2018年2月期まで増収増益傾向が続いています。特に、2018年2月期は売上高及び利益ともに業績の伸びが著しくなっています。

 そして、2019年2月期も増収増益を予想しています。

 

 

 

 

2.決算短信から詳しく見ていく

 


 

 続いて、平成30年2月期決算短信[日本基準](非連結)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は国内Eコマース市場において、自社開発した健康美容商品を一般消費者に販売をする事業を展開しています。

 

 

 

2-2.国内Eコマース市場について

 

 株式会社野村総合研究所によると、同社の主軸である国内Eコマース市場については、2017年度における市場規模18兆円から、2023年度には25.9兆円にまでマーケット規模が拡大する予想を立てています。

 

 

 

2-3.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-3-1.現金及び預金が増加

 

 

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 931,166 60.6% 1,756,588 76.7% 2,508,142 72.1%
総資産合計 1,536,382   2,290,233   3,481,077  

 3期に渡り、現金及び預金が増えています。

 キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成29年2月期は営業キャッシュ・フローから資金を得られることに加え、銀行からの借入を行ったことが要因で現金及び預金が増えています。

 平成30年2月期は、営業キャッシュ・フローから十分な資金を得られたことが要因で現金及び預金が増えています。

 また現金及び預金だけで総資産の72.1%を占め、短期的な支払能力を示す当座比率は264%もある財務体質に優れた会社です。

 

2-3-2.運転資金が増加

 

 

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

売上高 2,222,440   2,696,859   5,292,463  
流動資産            
 売掛金 120,037 7.8% 133,074 5.8% 303,617 8.7%
 製品 253,783 16.5% 171,026 7.5% 353,272 10.1%
 仕掛品 1,037 0.1% 15,473 0.7% 7,058 0.2%
 原材料及び貯蔵品 97,881 6.4% 99,748 4.4% 149,032 4.3%
たな卸資産合計 352,701 23.0% 286,247 12.5% 509,362 14.6%
総資産合計 1,536,382   2,290,233   3,481,077  

 3期に渡り、売上高が増加しています。

 それに伴い、売上債権やたな卸資産などの運転資金が増加しています。

 

2-3-3.高収益体質

 

 

 

H28.2.29

(%)

H29.2.28

(%)

H30.2.28

(%)

営業利益率 17.9 20.1 26.5

 3期に渡って営業利益率が上昇し、平成30年2月期は26.5%の高収益体質になっています。

 

 

 

2-4.気になる問題

 

 さて、同社のファンダメンタルズを分析している中で気になる問題がありました。そのことについても取り上げたいと思います。

 

2-4-1.未払法人税が増加

 

 

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

売上高 2,222,440   2,696,859   5,292,463  
流動負債            
 買掛金 3,613 0.2% 56,700 2.5% 81,643 2.3%
 未払法人税等 67,252 4.4% 119,723 5.2% 410,988 11.8%
総資産合計 1,536,382   2,290,233   3,481,077  

 売上高の増加に伴い総資産額も増えていますが、その中でも負債の部では未払法人税等が最も多く、総資産の11.8%を占めています。

 逆に、売上高の増加に伴って思っていたほど増えていないのは運転資金にあたる買掛金であり、総資産の2.3%ほどしか占めていません。

 その点について、何か不自然さを感じてしまいます。

 

2-4-2.長期借入金について

 

 

 

H28.2.29

(千円)

割合

(%)

H29.2.28

(千円)

割合

(%)

H30.2.28

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 1年内返済予定の長期借入金 0 0.0% 133,356 5.8% 133,356 3.8%
固定負債            
 長期借入金 0 0.0% 208,299 9.1% 74,943 2.2%
長期借入金合計 0 0.0% 341,655 14.9% 208,299 6.0%
総資産合計 1,536,382   2,290,233   3,481,077  

 平成29年2月期から長期借入金が計上されるようになっています。

 この長期借入金は主に運転資金として活用していますが、同社は既に多くの現金及び預金を保有していますので十分な運転資金は確保されていると思われます。

 そのため、金利費用がかかる長期借入金の借入は必要ないと思いますが、なぜ借入れを行ったのでしょうか?

 

2-4-3.当期純利益の方が多い

 

 当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素の差額について見てみると・・・

 

 

 

H28.2.29

(千円)

H29.2.28

(千円)

H30.2.28

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 170,790 531,039 1,404,485
当期純利益 226,777 356,728 948,370
差額 ▲55,987 174,311 456,115

 平成28年2月期は、営業キャッシュ・フロー利益要素よりも当期純利益の方が多くなっています。

 利益捻出行いたい、何らかの動機があったのでしょうか?

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 3期に渡って売上高が2倍近くも増加し、利益は4倍近くも増加しています。投資家にとっては、非常に魅力的です。

 平成31年2月期は更なる増収増益を公表していますが、その強気な姿勢は増配という形でも表れています。

 しかし、同社のファンダメンタルズを分析していると、必要もないと思われる長期借入金の借入を行っていることや、未払法人税等の増加など不自然さを感じる点も見受けられました。

 また、経営成績の概況については自慢話に関することが多く、私自身はよい印象を受けませんでした。

 4月17日の終値である817円で計算をすると、PERは65.46倍、PBRは45.87倍になっています。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 食料品

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