増収増益株、安川電機(6506)を分析してみる

   

 2018年4月12日に安川電機(6506)の決算発表がありました。それによると2018年2月期は中国をはじめ、旺盛な需要を受けて売上高及び利益は過去最高の業績をあげています。

 そして、2019年2月期の売上高は対前年比で13.7の増収、当期純利益は対前年比で25.8%の増益を予想しています。

 (2018年2月期 決算短信[日本基準](連結)

 また、2018年4月13日には自己株式の買付けを発表しています。

 (自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けに関するお知らせ

 そこで今回は、安川電機(6506)のファンダメンタルズについて見ていきたいと思います。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.増収増益

2.決算短信から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績について

 2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.現金及び預金について

  2-3-2.受取手形及び売掛金と、支払手形及び買掛金が増加

  2-3-3.投資有価証券が増加

  2-3-4.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

  2-3-5.投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心

  2-3-6.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

3.私の見解

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 まずは最近発売された会社四季報(2018年2集 春号)から、同社のことについて大まかに見ていきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「19年2月期は12カ月決算復帰。ロボットが工場の自動化需要受け一段拡大。サーボモーターも半導体やスマホ向け中心に国内外で好調持続。インバーターも米国資源市場向けなど堅調。システムエンジニアリング黒字化。営業利益は高水準。」と完璧ともいえる内容です。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は52.8%あり、安全性に問題はなさそうです。

 有利子負債は33,617百万円、総資産の7.8%程しかありません。

 資本金30,562百万円に対し、利益剰余金は154,262百万円もあります。

 

 

 

1-3.増収増益

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

15.3

(実績)

400,153 31,532 33,884 24,819 98.5
16.3

(実績)

411,260 36,730 35,833 22,365 84.7
17.3

(実績)

394,883 30,409 31,963 20,397 76.6
18.2

(実績)

448,523 54,126 55,300 39,749 149.35

 2015年3月期から2017年3月期までは減収減益が続いていましたが、それでも黒字を確保しています。

 そして、2018年2月期は増収増益に転じています。

 

 

 

 

2.決算短信から詳しく見ていく

 


 

 続いて、2018年2月期決算短信[日本基準](連結)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 同社は、モーションコントロール、ロボット、システムエンジニア、その他の4つの事業構成になっています。

 

セグメント別 事業内容
モーションコントロール ACサーボモーター・制御装置及びインバータの開発、製造、販売及び保守サービスを行う。
ロボット 産業用ロボット等の開発、製造、販売及び保守サービスを行う。
システムエンジニアリング 主として、鉄鋼プラント用電機システムや上下水道用電気システムの開発、製造、販売及び保守サービスを行う。
その他 情報関連事業および物流サービスなどで構成されている。

 

 

 

2-2.販売実績について

 

セグメントの名称 売上高

(百万円)

割合

(%)

モーションコントロール 212,095 47.2
ロボット 163,379 36.4
システムエンジニアリング 52,934 11.8
その他 20,112 4.5
合計 448,523  

 同社はモーションコントロール事業の売上高が最も高く、全体の47.2%を占めています。

 その次はロボット事業の売上高が高く、全体の36.4%を占めています。

 

 また、同社は日本以外にも米国や欧州、中国、その他アジア地域でも事業を展開しています。

 

 

 

2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-3-1.現金及び預金について

 

 

 

H28.3.20

(百万円)

割合

(%)

H29.3.20

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 31,712 8.5% 29,792 7.7% 42,279 9.6%
総資産合計 373,526   387,506   441,242  

 現金及び預金が増減しています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成29年3月期は有形固定資産の取得や有利子負債の返済のために資金を使ったことが要因で減少しています。

 平成30年2月期は営業キャッシュ・フローから十分な資金を得られたことが要因で増加しています。

 

2-3-2.受取手形及び売掛金と、支払手形及び買掛金が増加

 

 

 

H28.3.20

(百万円)

割合

(%)

H29.3.20

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

売上高 411,260   394,883   448,523  
流動資産            
 受取手形及び売掛金 117,834 31.5% 129,365 33.4% 142,039 32.2%
流動負債            
 支払手形及び買掛金 62,672 16.8% 69,974 18.1% 84,795 19.2%
総資産合計 373,526   387,506   441,242  

 平成29年3月期は売上高が減少していますが、平成30年2月期には対前年比で13.6%も売上高が増加しています。

 売上高が増えたことで運転資金にあたる受取手形及び売掛金や、支払手形及び買掛金が増えています。

 

2-3-3.投資有価証券が増加

 

 

 

H28.3.20

(百万円)

割合

(%)

H29.3.20

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 24,587 6.6% 31,617  8.2% 37,061  8.4%
総資産合計 373,526   387,506   441,242  

 3期に渡り、投資有価証券が増えています。

 連結貸借対照表と連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、いずれの期も保有している銘柄の時価総額が上昇したことに加え、新たに投資有価証券を取得したことが要因で増えています。

 保有している投資有価証券は主に業務上の関係を有する企業の株式になっていますが、なぜ新たに追加購入をしたのでしょうか? そこの部分が少し気になります。

 

2-3-4.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

 

 当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素の差額について見てみると・・・

 

 

 

H28.3.20

(百万円)

H29.3.20

(百万円)

H30.2.28

(百万円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 32,083 39,395 56,946
当期純利益 22,365 20,397 39,749
差額 9,718 18,998 17,197

 と、しっかりキャッシュの裏付けがある黒字を確保していることが確認できました。

 

2-3-5.投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心

 

 

 

H28.3.20

(百万円)

H29.3.20

(百万円)

H30.2.28

(百万円)

投資キャッシュ・フロー ▲22,421 ▲18,936 ▲18,852
有形及び無形固定資産の取得による支出 ▲20,645 ▲15,154 ▲17,751
有形及び無形固定資産の売却による収入 54 92 423

 3期に渡り、投資キャッシュ・フローでは有形固定資産の取得が中心になっています。

 

 

 

H28.3.20

(百万円)

割合

(%)

H29.3.20

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物及び構築物(純額) 31,694 8.5% 32,202 8.3% 32,067 7.3%
 機械装置及び運搬具(純額) 13,417 3.6% 12,893 3.3% 14,576 3.3%
 土地 8,642 2.3% 8,819 2.3% 8,650 2.0%
 建物仮勘定 1,665 0.4% 1,734 0.4% 6,974 1.6%
 その他(純額) 5,581 1.5% 5,510 1.4% 5,687 1.3%
有形固定資産合計 60,999 16.3% 61,158 15.8% 67,954 15.4%
総資産合計 373,526   387,506   441,242  

 その結果、有形固定資産は増えていますが、特に平成30年2月期の機械装置及び運搬具(純額)と建物仮勘定の増加が目立ちます。

 2018年2月期からはさらなる拡大を図るために組織改革を行っています。機械装置及び運搬具(純額)と建物仮勘定の増加はそのための投資ではないかと考えられます。

 

2-3-6.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 

 

 

H28.3.20

(百万円)

H29.3.20

(百万円)

H30.2.28

(百万円)

財務キャッシュ・フロー ▲2,601 ▲16,453 ▲14,820
短期借入の純増減額
(▲は減少)
4,418 ▲6,707 ▲4,418
長期借入れによる収入 5,345 2,371 5,320
長期借入金の返済による支出 ▲6,028 ▲6,258 ▲6,224

 財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心になっています。

 

 

 

H28.3.20

(百万円)

割合

(%)

H29.3.20

(百万円)

割合

(%)

H30.2.28

(百万円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 27,853 7.5% 24,647 6.4% 22,498 5.1%
固定負債            
 長期借入金 19,466 5.2% 11,145 2.9% 8,977 2.0%
有利子負債合計 47,319 12.7% 35,792 9.2% 31,475 7.1%
総資産合計 373,526   387,506   441,242  

 その結果、平成28年3月期には47,319百万円あった有利子負債は、平成30年2月期には31,475百万円にまで減少しています。

 

 

 

 

3.私の見解

 


 

 平成29年3月期に減少した売上高も、平成30年2月期には対前年比で13.6%も増加しています。

 同社の有形固定資産が総資産に占める割合は思いのほか少なく、過去最高の業績をあげている中でも有利子負債の返済を優先させています。このことから、コスト意識のある慎重な会社だと感じました。

 次期は増収増益の業績予想を発表していますが、その強気な姿勢は自己株式の取得を発表していることや、増配を予定していることから伺えます。

 私なりに会社のファンダメタルズを分析しても、会社の好調ぶりを感じました。

 4月13日の終値である4,665円で計算をすると、PERは24.82倍、PBRは5.26倍になっています。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 電気機器

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