インカムゲイン狙いにおすすめの銘柄、日新製糖(2117)について

      2018/04/08

 今回は、2011年4月に投資を行った会社、日新製糖(2117)に関する記事です。

 会社四季報(2011年2集 春号)が発売された当時のPERは7.3倍、PBRは0.34倍で安かったことや、ディフェンシング株であったことから購入しました。

 しかし、他の割安な銘柄に目移りをしてすぐに売却をしてしまい、それが結果的に大幅な値上がりのチャンスを逃してしまったのです。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.安定した売上高

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.安定した売上高

 2-2.事業の内容

 2-3.販売実績

 2-4.事業等のリスク

 2-5.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-5-1.3指標とも安定

  2-5-2.現金及び預金について

  2-5-3.有価証券について

  2-5-4.建物及び構築物の減少

  2-5-5.投資有価証券について

  2-5-6.その他について

  2-5-7.金融資産が多い

  2-5-8.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 2-6 気になる問題

  2-6-1.有形固定資産の償却方法

  2-6-2.関係会社への貸付金について

3.2011年4月に株を取得

4.現在の株価と業績

5.インカムゲイン投資におすすめの理由

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2011年2集 春号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「砂糖は終盤に原料粗糖高激しいが、昨年12月値上げ浸透努力で営業増益保つ。スポーツクラブ減損ない。60周年配落とす。12年3月期は冷蔵倉庫など堅調。スポーツ均衡へ。ただ砂糖は原料高持続、採算悪化懸念。加糖調製品との競合で数量減退も。」と、プラス材料とマイナス材料を含んだ内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は76.7%もあり、安全性は十分です。

 有利子負債は1,100百万円ありますが、総資産のわずか3.0%程度です。

 資本金7,004百万円に対し、利益剰余金は12,146百万円です。

 

 

 

1-3.安定した売上高

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

08.3

(実績)

43,242 2,412 2,375 781 15.5
09.3

(実績)

43,324 1,425 1,316 740 14.7
10.3

(実績)

43,299 2,256 2,442 1,141 22.8
11.3

(予想)

44,200 2,400 2,500 1,350 27.3
12.3

(予想)

45,200 2,200 2,300 1,200 24.2

 売上高は約43,000百万円でほぼ安定しています。そして、毎年安定した黒字を確保しています。

 2010年3月期の営業利益率は5.2%になっています。わりと、高収益体質だという印象を受けます。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第83期(平成21年4年1日-平成22年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.安定した売上高

 

  平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月 平成22年3月
売上高
(百万円)
43,680 44,769 43,242 43,324 43,299
経常利益
(百万円)
1,051,054 1,904 2,375 1,316 2,442
当期純利益又は当期純損失(▲)
(百万円)
▲3,240 4,581 781 740 1,141
純資産額
(百万円)
22,490 26,616 26.673 26,751 27,691

 毎年43,000百万円くらいの安定した売上高を上げています。

 平成18年3月期の特別損失による赤字業績を除けば、安定した黒字業績を確保しています。

 そして、純資産額も少しずつ増えています。

 すばらしい会社です。

 

 

 

2-2.事業の内容

 

 この会社では、砂糖の製造販売を中心とする砂糖その他食品事業を主な内容とし、その他にスポーツクラブの経営等の健康産業事業および不動産賃貸・冷蔵倉庫事業等の不動産その他事業を行っています。

 

セグメントの名称 事業内容
砂糖その他食品事業 砂糖の精製・販売を行っており、関連会社に精製糖等の製造を委託し、製品の一部を子会社にて包装・加工し、販売会社である子会社を通じて販売を行っている。

また、その他の関係会社を通じ、製品の販売および原材料、商品の仕入れを行っている。

健康産業事業 『ドゥ・スポーツクラブ』ブランドで、スポーツクラブやスイミングスクールを運営するとともに、関連事業を行っている。
不動産その他事業 (不動産賃貸)

店舗等の不動産賃貸の営業を行っている。

 

(冷蔵倉庫・港湾運送)

冷蔵倉庫業・港湾運送業等の物流事業を行っている。

 

(合成樹脂等の販売)

包装資材およびこれに関連する合成樹脂等の仕入・販売を行っている。

 

 

 

2-3.販売実績

 

セグメントの名称 販売高

(百万円)

割合

(%)

砂糖その他食品事業 38,048 87.9
健康産業事業 1,887 4.3
不動産その他事業 3,362 7.8
合計 43,299  

 この会社では、主力事業の砂糖その他食品事業が売上高の9割近くを占めています。

 

相手先 販売高

(百万円)

割合

(%)

佐藤(株) 4,529 10.5

 また、佐藤(株)に対して売上高の10.5%を販売しています。

 

 

 

2-4.事業等のリスク

 

 この会社の売上高の9割近くは、砂糖その他食品事業になっており、その主力製品は精製糖になっています。

 そのため、政府の農業政策(「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等の規制)に大きく影響を受けるそうです。

 

 

 

2-5.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-5-1.3指標とも安定

 

 

 

H20.3.31

(回転)

H21.3.31

(回転)

H22.3.31

(回転)

売上債権回転比率 9.13 9.56 9.79
棚卸資産回転比率 10.27 8.88 11.11
買掛債務回転比率 15.87 17.61 14.10

 3期に渡り、3指標ともほとんど増減はなく一定の水準を保っています。

 売上高がほぼ毎年同じであるため、安定した経営ができている証拠なのかもしれません。

 

2-5-2.現金及び預金について

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

割合

(%)

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 1,768 4.8% 2,884 7.9% 1,249 3.4%
総資産合計 37,092   36,290   36,939  

 現金及び預金が増減しています。

 連結キャッシュ・フロー計算書や有価証券明細表で確認をすると、平成21年3月期は営業キャッシュ・フローから資金を得られたことに加え、有価証券を売却したことが要因で現金預金が増えています。

 平成22年3月期は営業キャッシュ・フローから資金を得られたものの、有価証券の取得や長期借入金の返済、配当金の支払いなどで資金を使用したことが要因で現金預金が減っています。

 

2-5-3.有価証券について

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

割合

(%)

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 有価証券 2,411 6.5% 650 1.8% 4,150 11.2%
総資産合計 37,092   36,290   36,939  

 有価証券が増減しています。

 有価証券明細表で確認をすると、平成21年3月期は保有していた有価証券を売却したことが要因で減少しています。

 平成22年3月期は新たに有価証券を取得したことが要因で増加しています。

 

※ 保有している有価証券のほぼ100%は、譲渡性預金になっています。

 

2-5-4.建物及び構築物の減少

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

割合

(%)

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物及び構築物(純額) 3,614 9.7% 3,342 9.2% 2,830 7.7%
総資産合計 37,092   36,290   36,939  

 3期に渡り、建物及び構築物(純額)が減少しています。

 連結損益計算書で確認を行うと、平成21年3月期は固定資産除去損や減価償却費を計上したことが要因で減少しています。

 平成22年3月期は固定資産除去損や減価償却費に加え、減損損失を計上したことが要因で減少しています。

 

2-5-5.投資有価証券について

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

割合

(%)

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 11,033 29.7% 10,193 28.1% 10,828 29.3%
総資産合計 37,092   36,290   36,939  

 投資有価証券が増減しています。

 連結貸借対照表と連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成21年3月期は保有銘柄の時価総額が下落したことが要因で投資有価証券が減少したと思われます。

 平成22年3月期は、保有銘柄の時価総額が上昇したことに加え、新たに投資有価証券を取得したことが要因で投資有価証券が増えたと思われます。

 

2-5-6.その他について

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

割合

(%)

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動負債            
 その他 2,337 6.3% 2,743 7.6% 1,413 3.8%
総資産合計 37,092   36,290   36,939  

 流動負債のその他が1,413百万円もあり、総資産の3.8%を占めています。

 気になるので単独貸借対照表から内訳を調べてみましたが、分かりませんでした。

 

2-5-7.金融資産が多い

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

割合

(%)

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 1,768 4.8% 2,884 7.9% 1,249 3.4%
 受取手形及び売掛金 4,738 12.8% 4,532 12.5% 4,425 12.0%
 有価証券 2,411 6.5% 650 1.8% 4,150 11.2%
投資その他の資産            
 投資有価証券 11,033 29.7% 10,193 28.1% 10,828 29.3%
金融資産合計 19,950 53.8% 18,259 50.3% 20,652 55.9%
総資産合計 37,092   36,290   36,939  

 現金及び預金などの金融資産が20,652百万円もあり、総資産の55.9%を占めています。

 会社の資産性に注目をしている私のような投資家にとっては、なかなか魅力的です。

 

2-5-8.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

H21.3.31

(百万円)

H22.3.31

(百万円)

財務キャッシュ・フロー ▲1,470 ▲532 ▲1,551
短期借入の純増減額
(▲は減少)
900 0 0
長期借入金の返済による支出 ▲2,039 ▲173 ▲1,006

 財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心になっています。

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

割合

(%)

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 1,100 3.0% 1,100 3.0% 1,100 3.0%
固定負債            
 長期借入金 1,181 3.2% 175 0.5% 0 0.0%
有利子負債合計 2,281 6.1% 1,275 3.5% 1,100 3.0%
総資産合計 37,092   36,290   36,939  

 その結果、有利子負債合計は2,281百万円から1,100百万円にまで減少しています。

 

 

 

2-6 気になる問題

 

 さて、気になる問題もいくつかありました。そのことについても取り上げたいと思います。

 

2-6-1.有形固定資産の償却方法

 

 一般に、有形固定資産の償却方法では多くの会社が定率法を採用しています。なぜなら、その方が最初で多くの費用を計上できるため、節税に効果があるからです。

 しかしこの会社の場合、国内子会社5社のうち3社が毎年一定額で費用計上を行う定額法を採用しています。

 

2-6-2.関係会社への貸付金について

 

 

 

H20.3.31

(百万円)

割合

(%)

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 関係会社短期貸付金 2,787 8.1% 3,530 10.5% 2,774 8.1%
投資その他の資産            
 関係会社長期貸付金 2,011 5.8% 1,799 5.3% 1,653 4.8%
総資産合計 34,448   33,718   34,084  

 単独貸借対照表も確認を行いましたが、流動資産と投資その他の資産に関係会社への貸付金が計上されています。両方合わせると、総資産の12.9%も占めています。

 貸付け理由などについて詳しく調べてみましたが、わかりませんでした。

 

 

 

 

3.2011年4月に株を取得

 


 

 私はこの会社の株を2011年4月に1株平均179円で購入しました。

 しかし、この頃は東日本大震災の影響で多くの銘柄が暴落をしたため、他の割安な銘柄に目移りをしたのです。

 そのため、2011年4月には1株平均188円で売却を行いました。

 

※ この会社は2011年10月に経営統合を行っているため、それ以前のチャートを提供することができませんでした。ご了承下さい。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが現在のチャートになります。

 

 2011年10月の初値570円から、2017年12月には2,323円の高値をつけています。

 実に、株価は4倍以上に値上がりをしています。

 

※ 2011年10月に経営統合を行い、株式移転を行っています。そのため、2011年4月の株価と2011年10月の株価を比べることができませんでした。ご了承下さい。

 

 そして、現在の業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

15.3

(実績)

49,741 2,844 3,290 1,636 74.1
16.3

(実績)

49,840 3,063 3,372 2,163 98.0
17.3

(実績)

49,942 2,735 3,073 2,554 115.7
18.3

(予想)

49,000 2,200 2,700 1,800 81.5
19.3

(予想)

50,500 2,500 3,000 2,050 92.8

 2010年3月期ごろの売上高は43,000百万円でしたが、ここ数年は49,000百万円の売上高で安定しています。

 そして、2010年3月期と比べると利益は2倍近くに上がっています。

 すばらしいですね。

 

 

 

 

5.インカムゲイン投資におすすめの理由

 


 

 この会社は精製糖を主力事業にしているため、毎年安定した売上高があります。そして、砂糖が人々の生活からなくなるということは考えられません。

 そのため、今後も安定した売上高が見込まれると考えています。

 

 また、この会社は配当金を毎年支払っており、2017年3月期は1株につき70円を支払っています。

 2018年3月28日の終値は2,078円です。

 配当利回りは、

 2,078円 ÷ 70円 = 3.36%

 何と、3.36%も配当利回りが見込まれるのです。インカムゲイン投資を目的にしている投資家にとっては、魅力的ではないでしょうか。

 

 現在のPERは25.7倍、PBRは0.92倍と割安性に欠けているため、私自身は現在投資を見送っています。

 しかし何らかのきっかけで会社の株価が暴落をし、割安な水準にまで株価が値下がりをしたら購入を検討するつもりです。

 もしくは、ドルコスト平均法で購入を検討してもよいかもしれません。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 食料品

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