優良株、アバールデータ(6918)の苦い思い出について

      2018/04/08

 今回はせっかくのチャンスを逃がしてしまった銘柄、アバールデータ(6918)に関する記事です。

 この銘柄は2011年9月頃に会社四季報(2011年4集 秋号)で見つけた銘柄です。

 PERは6.2倍、PBRは0.46倍。ハイテク株なのに割安なうえ、自社株買いに積極的になっていたことから興味を持ちました。

 この完璧に近い銘柄をせっかく発見したものの、辛抱して株価が値上がりをするまで待つことができず、結果的にテンバーガーのチャンスを逃してしまいました。

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目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.増収増益の業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.売上高の増収

  2-3-2.現金及び預金について

  2-3-3.受取手形及び売掛金と支払手形及び買掛金について

  2-3-4.たな卸資産回転比率が悪化

  2-3-5.未収入金が多い

  2-3-6.投資有価証券について

  2-3-7.財務キャッシュ・フローでは、自己株式の取得が中心

3.2011年11月に株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2011年4集 秋号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「組込みモジュール等自社製品や半導体製造装置向け受託製品伸長。検査装置ライン増設による稼働率上昇に加え、海外から低廉な電子部品を仕入れ粗利率改善。人件費増吸収し営業増益。連続増配。」と、非常に明るい内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は74.1%もあり、安全性は十分です。

 有利子負債はわずか200百万円、総資産の1.98%程度です。

 資本金2,354百万円に対し、利益剰余金は3,663百万円です。

 

 

 

1-3.増収増益の業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

09.3

(実績)

5,330 ▲49 51 ▲15 ▲2.0
10.3

(実績)

4,470 ▲183 ▲40 45 6.1
11.3

(実績)

7,047 624 697 496 68.1
12.3

(予想)

7,700 790 840 560 94.0
13.3

(予想)

8,200 850 890 600 100.8

 2010年3月期まで売上高の減収が続いていましたが、2011年3月期には一転して増収増益になっています。

 そして、2012年3月期以降も増収増益の業績予想になっています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第52期(平成22年4年1日-平成23年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 この会社は、自社製品及び受託製品からなる産業用電子機器の製造・販売を行っています。

 

セグメントの名称 事業内容
自社製品 組込みモジュール、画像処理モジュール、計測通信機器の製造・販売を行う
受託製品 半導体製造装置関連、産業用制御機器、計測機器の製造・販売を行う

 

 

 

2-2.販売実績

 

セグメントの名称 販売高

(千円)

割合

(%)

受託製品 4,858,405 68.9
自社製品 2,189,183 31.1
合計 7,047,588  

 この会社では受託製品の売上高が最も高く、売上全体の約7割を占めています。

 

相手先 販売高

(千円)

割合

(%)

東京エレクトロン東北(株) 1,303,979 18.5
(株)ニコン 1,065,588 15.1

 また、主な取引先2社だけで売上高の33.6%を占めています。

 

 

 

2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-3-1.売上高の増収

 

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

売上高 5,330,828 4,470,984 7,047,588

 平成23年3月期には、対前年比で57.6%も売上高が増えています。

 その要因は、デジタル機器の需要が回復したことで半導体製造装置市場の需要が回復したためのようです。

 

2-3-2.現金及び預金について

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 3,149,219 31.1% 3,444,975 31.8% 2,525,982 26.0%
総資産合計 10,112,807   10,824,691   9,718,735  

 現金及び預金が増減しています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成22年3月期は営業キャッシュ・フローから十分な資金を得られたことが要因で増えています。

 平成23年3月期は営業キャッシュ・フローから資金を得られたものの、自己株式を取得したことが要因で減っています。

 

2-3-3.受取手形及び売掛金と支払手形及び買掛金について

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

売上高 5,330,828   4,470,984   7,047,588  
流動資産            
 受取手形及び売掛金 821,019 8.1% 1,174,577 10.9% 1,415,103 14.6%
流動負債            
 支払手形及び買掛金 222,106 2.2% 699,515 6.5% 705,624 7.3%
総資産合計 10,112,807   10,824,691   9,718,735  

 平成22年3月期は売上高が減収であるにもかかわらず、受取手形及び売掛金と支払手形及び買掛金が増えています。

 資金繰りに関する何らかの事情があったのでしょうか?

 

※ 平成23年3月期になると売上債権回転比率及び買掛債務回転比率ともに改善しているため、大きな問題ではなかったようです。

 

2-3-4.たな卸資産回転比率が悪化

 

 

 

H21.3.31

(回転)

H22.3.31

(回転)

H23.3.31

(回転)

たな卸資産回転比率 4.09 3.58 4.65

 平成22年3月期には、たな卸資産回転比率が悪化しています。

 しかし、平成23年3月期になるとたな卸資産回転比率は改善しています。

 どうやら回転比率が悪化したのは、一時的な問題のようでした。

 

※ それでも製造業の平均である10回転を下回っていますので、在庫について何らかの問題があるのかもしれません。

 

2-3-5.未収入金が多い

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 未収入金 299,584 3.0% 292,050 2.7% 462,920 4.8%
総資産合計 10,112,807   10,824,691   9,718,735  

 未収入金が462,920千円も計上されており、総資産の4.8%を占めています。

 相手先は三菱UFJファクターになっていましたが、一体何に対する未収入金なのでしょうか?

 

2-3-6.投資有価証券について

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 1,677,058 16.6% 1,963,334 18.1% 1,260,718 13.0%
総資産合計 10,112,807   10,824,691   9,718,735  

 投資有価証券が増減しています。

 有価証券明細表で確認をすると、平成22年3月期は新たに株式を取得(主に(株)アクセル)したことや、保有株式の時価総額が上がったことなどが要因で増えています。

 平成23年3月期は保有していた株式を売却したことや、保有株式の時価総額が下がったことなどが要因で減っています。

 

2-3-7.財務キャッシュ・フローでは、自己株式の取得が中心

 

 

 

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

財務キャッシュ・フロー ▲160,481 ▲168,303 ▲1,195,390
自己株式の取得による支出 ▲27,123 ▲234,454 ▲1,277,922

 3期に渡って自己株式を取得しています。

 

 

 

H21.3.31

(株)

割合

(%)

H22.3.31

(株)

割合

(%)

H23.3.31

(株)

割合

(%)

自己株式数 314,200 3.9% 656,200 8.1% 2,112,700 26.2%
発行済株式数 8,064,542   8,064,542   8,064,542  

 その結果、平成23年3月期には自己株式を26.2%も保有しています。

 一般に自己株式の取得を行うということは、会社自身が将来は明るいと考えていたり、他に投資をするよりも会社自身に投資をする方がよいと考えているためです。

 そのため、自己株式の取得は私にとって好材料の1つです。

 

 

 

 

3.2011年11月に株を取得

 


 

 私はこの会社の株を2011年11月に1株平均438円で購入しました。

 しかし半年以上が経っても株価が動かないことにイライラしてしまい、初めに買った動機をすっかり忘れて1株平均454円で売却を行いました。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが現在のチャートになります。

 

 2012年5月に1株454円で売った後、2012年10月には355円の安値にまで値下がりをしています。

 しかし、355円を底にして2017年12月には3,600円の高値にまで上昇しています。

 実に2012年10月の安値から2017年12月のわずか5年余りで株価は10倍以上にも値上がりをしているのです。すごいですね。

 

 そして、現在の業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

15.3

(実績)

6,350 432 469 306 48.0
16.3

(実績)

6,957 630 661 431 48.6
17.3

(実績)

7,797 906 933 685 114.1
18.3

(予想)

7,000 1,300 1,350 650 106.8
19.3

(予想)

7,000 1,400 1,450 1,000 164.2

 売上高は2018年3月期以降からは減収を予想していますが、利益は2019年3月期も増益を予想しています。

 そして、今ではPERは24.0倍、PBRは1.68倍にもなっています。すばらしいですね。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 電気機器

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