優良株、システムインテグレータ(3826)について

      2018/04/08

 今回は、システムインテグレータ(3826)に関する記事です。

 この銘柄は会社四季報(2011年1集 新春号)で見つけました。

 情報・通信業に属し、来期のPERは9.6倍、PBRは0.74倍と同業他社に比べると割安であったことやコスト意識の経営方針が感じられたことから魅力を感じ、そして投資を行いました。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.急拡大した業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.現金及び預金について

  2-3-2.売掛金が減少している

  2-3-3.自社ビルは保有せず

  2-3-4.ソフトウェアについて

  2-3-5.支払手形がない

  2-3-6.前受金が増えている

  2-3-7.受注損失引当金が増えている

  2-3-8.営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字

  2-3-9.投資キャッシュ・フローでは、無形固定資産の取得が中心

3.2011年3月に株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2011年1集 新春号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「ERP顧客仕様化が復調、物販のほか製造業開拓も進む。EDCサイト構築ツールも中国のネット通販向け旺盛。が、ERPに0.5億円超赤字案件発生。営業益浮上も黒字幅縮小。復配堅持。12年2月期はプロジェクト管理ソフト本格化し続伸へ。」と、来期から業績拡大が期待できそうな内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は78.1%もあり、安全性は十分です。

 有利子負債はなく、無借金経営が行われています。

 資本金358百万円に対し、利益剰余金は459百万円です。

 

 

 

1-3.急拡大した業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

06.2

(実績)

1,051 136 135 73 18.22
07.2

(実績)

1,417 206 194 108 24.89
08.2

(実績)

2,034 242 243 135 25.94
09.2

(実績)

2,005 11 13 0 0.06
10.2

(実績)

1,704 ▲26 ▲28 ▲19 ▲3.77
11.2

(予想)

2,000 40 40 20 3.80
12.2

(予想)

2,250 160 160 90 17.11

 2007年2月期になると、急に売上高が増えています。

 しかし、2009年からは売上高はほぼ一定になり、2010年には売上高の減収によって赤字業績になっています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第15期(平成21年3年1日-平成22年2月28日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 この会社は、パッケージソフトウェア事業やシステムインテグレーション事業など3つの事業で構成されています。

 

事業部門 業務内容
パッケージソフトウェア事業 自社で企画から開発、サポート及びマーケティング、販売、保守に至るまで一貫したビジネスを行う

上記パッケージソフトウェアのカスタマイズ

システムインテグレーション事業 仕様上、パッケージソフトウェアと直接係わりのない受託型ソフトウェア開発
コンサルティング事業

(サービス事業)

ERP、EC、プロジェクト管理に関する業務及びシステム面でのコンサルタンティング

 また、パッケージソフトウェアのカスタマイズビジネスは、システムインテグレーション事業に比べると、コストの合理化が可能とのことです。

 そのため、今後は経営資源をシステムインテグレーションからパッケージカスタマイズにシフトさせる戦略をとっていくそうです。

 

 

 

2-2.販売実績

 

事業部門 販売高

(千円)

割合

(%)

パッケージソフトウェア事業 1,552,294 91.1
システムインテグレーション事業 63,728 3.7
コンサルティング事業 88,168 5.2
合計 1,704,191  

 この会社では、パッケージソフトウェア事業の売上高が最も高く、売上全体の91.1%を占めています。

 

 

 

2-3.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-3-1.現金及び預金について

 

 

 

H20.2.29

(千円)

割合

(%)

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 610,640 38.9% 554,124 38.2% 776,122 54.6%
総資産合計 1,571,513   1,452,013   1,420,363  

 現金及び預金が増減しています。

 平成21年2月期に減少した要因は、営業活動で資金を得られたものの、新たに市場販売のソフトウェア制作の設備投資で資金を使用したためです。

 平成22年2月期に増加した要因は、営業活動で十分な資金が得られたためです。

 

2-3-2.売掛金が減少している

 

 

 

H20.2.29

(千円)

割合

(%)

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

売上高 2,034,412   2,005,402   1,704,191  
流動資産            
 売掛金 493,973 31.4% 471,439 32.5% 284,445 20.0%
総資産合計 1,571,513   1,452,013   1,420,363  

 3期に渡り、売掛金が減少しています。

 その要因は、売上高が減少したためだと思われます。

 

2-3-3.自社ビルは保有せず

 

 

 

H20.2.29

(千円)

割合

(%)

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

有形固定資産合計 13,460 0.9% 10,330 0.7% 9,044 0.6%
投資その他の資産            
 敷金及び保証金 20,299 1.3% 20,299 1.4% 25,953 1.8%
総資産合計 1,571,513   1,452,013   1,420,363  

 有形固定資産の少なさや敷金及び保証金を計上していることから、自社ビル等は保有せず賃借をしている様子が伺えます。

 現金及び預金の多さから考えても、ムダなものには経費を使わない堅実な経営を行っている様子が想像できますね。

 

2-3-4.ソフトウェアについて

 

 

 

H20.2.29

(千円)

割合

(%)

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

無形固定資産            
 ソフトウェア 123,918 7.9% 178,304 12.3% 147,710 10.4%
 ソフトウェア仮勘定 44,030 2.8% 8,708 0.6% 7,027 0.5%
総資産合計 1,571,513   1,452,013   1,420,363  

 ソウフトウェアが増減しています。

 平成21年2月期は、ソフトウェア仮勘定がソフトウェアに振替えられたことが要因で増えています。

 平成22年2月期は、売上原価として経費に計上されたことが要因で減っています。

 

2-3-5.支払手形がない

 

 この会社には支払手形がありません。

 企業の短期的な支払い能力を表す当座比率(一般に、100%あればよいといわれています)は、463%もあります。

 これだけ資金繰りに余裕があれば、支払手形がないこともうなずけます。

 

2-3-6.前受金が増えている

 

 

 

H20.2.29

(千円)

割合

(%)

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 前受金 18,875 1.2% 20,343 1.4% 36,139 2.5%
総資産合計 1,571,513   1,452,013   1,420,363  

 前受金とは手付金や内金といったようなもので、商品の仕入れや販売の際に商品代金の一部を先に支払ったり受け取ったりしたときに使用する勘定科目です。もう少し説明を付け加えると、いわゆる将来の売上高のようなものです。

 3期にわたってこれが増えていますが、もしかすると売上高の繰延を行っているのかもしれません。

 

2-3-7.受注損失引当金が増えている

 

 

 

H20.2.29

(千円)

割合

(%)

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 受注損失引当金 550 0.0% 10,661 0.7% 0 0.0%
総資産合計 1,571,513   1,452,013   1,420,363  

 平成21年2月期に受注損失引当金が増えています。

 この引当金は、請負った案件に対し将来の損失が見込まれる場合に計上される勘定科目です。

 気になったので増えた理由などについて調べてみましたが、分かりませんでした。

 

2-3-8.営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字

 

 

 

H20.2.29

(千円)

H21.2.28

(千円)

H22.2.28

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 280,176 20,577 142,055
当期純利益 135,498 307 ▲19,850
差額 144,678 20,270 161,905

 平成22年2月期の当期純利益は赤字ですが、営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字になっています。

 営業キャッシュ・フロー利益要素が黒字になっているのは、資金の流出を伴わない減価償却費の計上や法人税等の還付があったためです。

 

 また、多額の営業キャッシュ・フローを生み出している秘密は、無形固定資産の減価償却方法にありました。

 市場販売目的のソフトウェアについては3年間で償却が終わり、自社利用ソフトウェアは5年間で償却が終わります。

 つまり、耐用年数が短いため、減価償却費が多額に計上できる仕組みになっています。

 

2-3-9.投資キャッシュ・フローでは、無形固定資産の取得が中心

 

 

 

H20.2.29

(千円)

H21.2.28

(千円)

H22.2.28

(千円)

投資キャッシュ・フロー ▲289,278 ▲149,318 ▲55,567
無形固定資産の取得による支出 ▲278,165 ▲147,512 ▲64,502

 投資キャッシュ・フローではソフトウェアなどの無形固定資産の取得が中心になっています。

 有形固定資産等明細表で確認を行うと、無形固定資産の主なものは市場販売目的の製品マスターになっていました。

 

 

 

 

3.2011年3月に株を取得

 


 

 私がこの会社に注目をしたとき、株価はまだ高値圏にありました。

 そのため投資は見送っていましたが、2011年3月になると東日本大震災が起こりました。

 多くの銘柄が安値でたたき売られる中、この銘柄はリーマンショック後につけた96円付近にまで値下がりをしたのです。

 ちょうどその頃、他の割安な銘柄に夢中になっていたため、あまりこの銘柄に関心はありませんでした。しかし96円付近にまで値下がりをしたため、試しに少しだけ1株平均103円で購入をしました。

 それから数日が経つと、会社の上方修正に関する発表がありました。それに反応した多くの投資家により、株価が急騰したのです。

 そのため私は、1株平均135円で売却を行いました。そして思うのです。「あのとき、もっと買っていれば・・・・」と。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが現在のチャートになります。

 

 私が135円で売った株価から、2018年1月には1,220円の高値にまで上昇しています。実に、10倍近くまで株価は上昇をしています。

 

 そして、現在の業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

15.2

(実績)

3,101 ▲733 ▲731 ▲906 ▲163.6
16.2

(実績)

3,539 444 447 364 65.8
17.2

(実績)

3,176 219 222 137 24.8
18.2

(予想)

3,800 450 450 280 50.5
19.2

(予想)

4,200 500 500 320 57.8

 理想的な形で売上高、利益ともに増収増益を達成しています。

 そして、2018年2月期以降も増収増益を予想しています。すばらしいですね。

 ただ、会社四季報(2018年2集 春号)の材料記事には「15年2月期の大型赤字案件に絡むリスクを財務諸表に注記、損害賠償は最悪8.3億円の支払いも。」という気になる一文がありました。

 今後の業績について少し心配です。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 情報・通信業, 業種別

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。