初のMBO銘柄、ゴトー(9817)について

      2018/04/08

 今回は私の記念すべき初のMBO銘柄、ゴトー(9817)に関する記事です。

 この銘柄は2011年6月に会社四季報(2011年3集 夏号)で見つけた銘柄であり、PERは13.4倍、PBRは0.20倍の割安な水準で株価は低迷を続けていました。

 安かったことに加え業績回復に向けての動きが見られたことに魅力を感じ、2011年6月から少しずつ買い集めていました。

 けど、私が買い集めている最中にMBOの発表がありました。そのため、少額ながらも意外な形で儲けることができたのです。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.売上高は減収傾向

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.経営上の重要な契約等について

 2-4.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金が増えている

  2-4-2.商品が減っている

  2-4-3.建物(純額)が減少している

  2-4-4.土地の占める割合が多い

  2-4-5.投資有価証券が減っている

  2-4-6.多額の不動産賃借料

  2-4-7.営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字を確保

  2-4-8.投資キャッシュ・フローでは、敷金及び保証金の回収が中心

  2-4-9.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 2-5.気になる問題

  2-5-1.棚卸資産回転比率と総資産回転比率が低い

3.2011年6月から株を取得

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2011年3集 夏号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「ビデオレンタルは価格競争厳しい。単価下落続くが、震災後の巣ごもり需要を追い風に数量増える。ブックオフも前期の不採算店閉店と、仕入れ方法変更による売れ筋商品の調達増で採算改善。人件費減り営業黒字化。資産除去債務特損。」と、これから本格的な業績回復が期待できそうな内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は83.8%もあり、安全性は十分過ぎるでしょう。

 有利子負債はわずか760百万円、総資産の6.3%だけです。

 資本金2,546百万円に対し、利益剰余金は4,759百万円です。

 また、現金同等物を29.8億円保有しているこの会社の時価総額は、わずか20.1億円です。

 

 

 

1-3.売上高は減収傾向

 

  売上高

(千円)

営業利益

(千円)

経常利益

(千円)

利益

(千円)

1株益

(円)

07.2

(実績)

15,677 391 654 11 1.2
08.2

(実績)

14,972 122 376 104 11.4
09.2

(実績)

13,993 185 442 11 1.3
10.2

(実績)

12,401 2 230 ▲264 ▲28.7
11.2

(実績)

10,539 0 259 129 14.1
12.2

(予想)

10,100 160 420 150 16.3
13.2

(予想)

10,500 180 440 240 26.1

 2007年2月期をピークに、売上高の減収が続いています。そして、利益の減益も続いています。

 2012年2月期以降、売上高はほぼ一定を見込んでいます。しかし、営業利益の改善で増益を予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第58期(平成22年3年1日-平成23年2月28日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 この会社は、TSUTAYA事業、BOOK OFF事業、ゲーム事業、ファッションその他事業で構成されています。

 

事業部門別 事業内容
TSUTAYA事業 CD・DVD・コミックレンタル、CD・DVD・新刊本・新品ゲームソフト及びハードの販売を行っている。
BOOK OFF事業 リユース書籍、リユースCD・DVDの販売及び買取り、またリユーススポーツ用具・衣料、リユースキッズ衣料及びベビー用品の販売及び買取を行っている。
ゲーム事業 新品ゲームソフト及びハードの販売、リユースゲームソフト及びハード(ゲームツタヤを除く)の販売及び買取を行っている。
ファッションその他事業 メンズ衣料・カジュアル衣料・レディース衣料の販売、ゴルフ・スポーツ用品の新品の販売及び中古品の販売並びに買取を行っている。

 

 

 

2-2.販売実績

 

事業の種類別

セグメント名称

販売高

(千円)

割合

(%)

TSUTAYA事業 5,025,926 47.7
BOOK OFF事業 3,097,797 29.4
ゲーム事業 1,891,548 17.9
ファッションその他事業 524,488 5.0
合計 10,539,761  

 この会社ではTSUTAYA事業の売上高が最も高く、全体の47.7%を占めています。

 その次はBOOK OFF事業の売上高が高く、全体の29.4%を占めています。

 

 

 

2-3.経営上の重要な契約等について

 

契約先 契約期間 契約内容
ブックオフコーポレーション(株) 5カ年間

(以後2年毎の自動更新)

1.リユース書籍・子供服・スポーツ用品等販売の運営

2.「ブックオフ」、「ビーキッズ」、「ビースポーツ」に関わる商標、意匠等の使用

カルチャア・コンビニエンス・クラブ(株) 5カ年間

(自動更新)

1.新刊本販売の運営

2.CD・DVDのレンタル並びにCD・DVD・ゲームソフト及びハードの販売、リユースゲームの販売

3.情報の提供

4.商標、意匠等の使用

5.上記に係る経営指導

 この会社では、フランチャイザー2社とフランチャイズ契約を結んでいます。

 

 

 

2-4.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-4-1.現金及び預金が増えている

 

 

 

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

H23.2.28

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 2,262,387 17.2% 2,431,834 19.9% 3,582,219 29.9%
総資産合計 13,116,215   12,229,848   11,990,167  

 3期に渡り、現金及び預金が増えています。

 キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成22年3月期は営業キャッシュ・フローで儲けた資金と回収した敷金及び保証金で有利子負債を返済し、資金が少し残ったために増えています。

 平成23年3月期は営業キャッシュ・フローで儲けた資金と回収した敷金及び保証金、売却した投資有価証券などで資金が入ってきたことが要因で増えています。

 

2-4-2.商品が減っている

 

 

 

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

H23.2.28

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 商品 1,428,369 10.9% 1,263,097 10.3% 1,096,822 9.1%
総資産合計 13,116,215   12,229,848   11,990,167  

 3期に渡り、商品が減っています。

 損益計算書で確認をすると売上高の減収に伴い商品仕入高が減少したことや、たな卸資産評価損を計上したことが要因で減っています。

 

2-4-3.建物(純額)が減少している

 

 

 

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

H23.2.28

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物(純額) 1,426,866 10.9% 1,246,159 10.2% 1,087,859 9.1%
総資産合計 13,116,215   12,229,848   11,990,167  

 3期に渡り、建物(純額)が減少しています。

 損益計算書と有形固定資産等明細表で確認をすると、主に減価償却費の計上に加え、減損損失や店舗の閉店・改装等除去の損失を計上したことが要因です。

 

2-4-4.土地の占める割合が多い

 

 

 

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

H23.2.28

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 土地 3,486,626 26.6% 3,250,681 26.6% 3,250,681 27.1%
総資産合計 13,116,215   12,229,848   11,990,167  

 土地が3,250,681千円もあり、総資産の27.1%を占めています。

 この会社は賃貸店舗を保有しており、土地の約半分はそのために活用されていました。

 

2-4-5.投資有価証券が減っている

 

 

 

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

H23.2.28

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 772,855 5.9% 673,238 5.5% 328,465 2.7%
総資産合計 13,116,215   12,229,848   11,990,167  

 3期に渡り、投資有価証券が減っています。

 キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、投資有価証券を売却したことが要因で減っていました。

 

2-4-6.多額の不動産賃借料

 

 

 

H21.2.28

(千円)

H22.2.28

(千円)

H23.2.28

(千円)

経常利益 442,479 230,068 259,954
営業利益 185,264 2,618 156
差額 257,215 227,450 259,798

 この会社では、営業利益よりも経常利益の方が多くなっています。

 その理由は、営業外収益に不動産賃貸料があるためです。

 

2-4-7.営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字を確保

 

 

 

H21.2.28

(千円)

H22.2.28

(千円)

H23.2.28

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 634,952 319,134 388,370
当期純利益 11,748 ▲264,092 129,772
差額 623,204 583,226 258,598

 平成22年2月期には赤字業績になっていますが、営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字を確保しています。

 その要因は、特別損失として店舗閉鎖損失と減損損失を計上したためです。しかし、これらの費用は実際にキャッシュの支出は伴っていません。

 そのため、営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字になっています。

 

2-4-8.投資キャッシュ・フローでは、敷金及び保証金の回収が中心

 

 

 

H21.2.28

(千円)

H22.2.28

(千円)

H23.2.28

(千円)

投資キャッシュ・フロー 394,982 ▲190,304 505,493
敷金及び保証金の差入による支出 ▲32,915 ▲35,905 ▲22,166
敷金及び保証金の回収による収入 291,721 286,510 354,378

 投資キャッシュ・フローでは敷金及び保証金の回収が中心になっています。

 

 

 

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

H23.2.28

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 敷金及び保証金 1,657,303 12.6% 1,439,429 11.8% 1,188,751 9.9%
総資産合計 13,116,215   12,229,848   11,990,167  

 敷金及び保証金を回収したことでその勘定科目が減っていることが貸借対照表でも確認できます。

 また、この会社では出店は賃貸による方法を基本とし、店舗用建物の契約時には賃貸人に敷金及び保証金を差し入れているそうです。

 

2-4-9.財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心

 

 

 

H21.2.28

(千円)

H22.2.28

(千円)

H23.2.28

(千円)

財務キャッシュ・フロー ▲1,101,059 ▲534,642 21,848
短期借入の純増減額
(▲は減少)
▲546,062 ▲100,000 0
長期借入による収入 0 400,000 500,000
長期借入金の返済による支出 ▲446,031 ▲425,240 ▲437,800
社債の償還による支出 ▲40,000 ▲340,000 ▲40,000

 財務キャッシュ・フローでは、有利子負債の返済が中心になっています。

 

 

 

H21.2.28

(千円)

割合

(%)

H22.2.28

(千円)

割合

(%)

H23.2.28

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 100,000 0.8% 0 0.0% 0 0.0%
 1年内返済予定の長期借入金 350,240 2.7% 287,800 2.4% 405,000 3.4%
 1年内償還予定の社債 340,000 2.6% 40,000 0.3% 40,000 0.3%
固定負債            
 社債 140,000 1.1% 100,000 0.8% 60,000 0.5%
 長期借入金 272,800 2.1% 310,000 2.5% 255,000 2.1%
有利子負債合計 1,203,040 9.2% 737,800 6.0% 760,000 6.3%
総資産合計 13,116,215   12,229,848   11,990,167  

 その結果、有利子負債合計は1,203,040千円から760,000千円にまで減少しています。

 

 

 

2-5.気になる問題

 

 さて、1つ気になる問題があったのでそのことについても取り上げたいと思います。

 

2-5-1.棚卸資産回転比率と総資産回転比率が低い

 

 

 

H21.2.28

(回転)

H22.2.28

(回転)

H23.2.28

(回転)

棚卸資産回転比率 9.78 9.82 9.61
総資産回転比率 1.07 1.01 0.88

 一般に小売業の平均的な棚卸資産回転比率は20回転、総資産回転比率は2回転といわれています。

 しかしこの会社の場合、棚卸資産回転比率は9.61回転しかなく、総資産回転比率は0.88回転しかありません。

 売上高が年々減少したことで商品が売れなくなったことが影響していると考えられます。

 

 

 

 

3.2011年6月から株を取得

 


 

 私が最初に投資を行ったのは2011年6月です。

 その時は1株平均216円で少しだけ購入しました。そして、直近の最安値である178円付近にまで値下がりをしたら全力買いをするつもりでした。

 しかし、思いがけないことが起こったのです。2011年7月に1株平均395円でGプランニングによるMBOが発表されたのです。

 その発表を受け、株価は一気に392円にまで暴騰しました。これが、記念すべき初のMBO銘柄でした。

※ 上場廃止に伴い、チャート図を提供することができませんでした。ご了承下さい。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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