割安株、サンコー(6964)に投資をしたときのお話

      2018/04/08

 今回はこれまでに一番安いと思った銘柄、サンコー(6964)に関する記事です。

 この会社は2011年8月頃、会社四季報(2011年3集 夏号)で見つけた銘柄です。当時、この銘柄は急激な業績悪化でファンダメンタを無視した水準にまで株価は大きく値下がりをしていました。

 先行きの怪しい業績でしたが、あまりも安くなったこの会社に対し私は100年に一度あるかないかのチャンスに思えたのです。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.赤字だらけの業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.純投資目的の投資有価証券について

 2-4.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金が増えている

  2-4-2.有価証券が減っている

  2-4-3.投資有価証券が減っている

  2-4-4.関係会社株式が増えている

  2-4-5.資産除去債務の計上

  2-4-6.金融資産が多い

  2-4-7.投資活動では有価証券の売買が中心

 2-5.気になる問題

  2-5-1.売掛金の滞留期間について

  2-5-2.たな卸資産が増えている

  2-5-3.営業キャッシュ・フロー利益要素が赤字

3.2011年8月から株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2011年3集 夏号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「海外シフトでデジタル家電部品は受注減退続く。後半以降、自動車生産正常化で車載電装品の受注回復。キャノン向け複写機トナー部品も続伸。ただ通期赤字回避は困難か。剰余金豊富だが配当微妙。」と、まだまだ厳しい業績が続きそうな内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は73.8%もあり、安全性は十分です。

 有利子負債はなく、無借金経営が行われています。

 資本金3,779百万円に対し、利益剰余金は4,864百万円です。

 信じられないことに、現金同等物を41.2億円保有しているこの会社の時価総額は、たったの19.6億円です。

 

 

 

1-3.赤字だらけの業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

07.3

(実績)

14,714 276 296 58 6.0
08.3

(実績)

14,169 487 614 321 32.6
09.3

(実績)

11,113 ▲436 ▲335 ▲465 ▲47.3
10.3

(実績)

9,523 ▲397 ▲129 ▲170 ▲17.4
11.3

(実績)

8,715 ▲1,001 ▲880 ▲1,347 ▲141.4
12.3

(予想)

9,000 ▲100 ▲60 0 0.0
13.3

(予想)

9,500 100 150 100 10.5

 売上高は2007年3月期をピークに、2011年3月期と比べると4割近くも減っています。

 売上高の減少に伴い2009年3月期からは赤字業績が続き、2011年3月期は大幅な赤字業績に陥っています。

 しかし、2012年3月期以降からは少しずつ業績が回復することを予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第48期(平成22年4年1日-平成23年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 この会社では、精密部品製造及びユニット加工事業を中心に行っています。

 

事業区分 事業内容
精密部品製造及びユニット加工事業 主に自動車関連製品、事務機器関連製品、デジタル家電関連製品に関するプレス製品、メカトロ製品及びプラスチック製品の製造販売を行う。
その他の事業 省力化機器等の製造販売を行う。

 

 

 

2-2.販売実績

 

事業部門の名称 販売高

(千円)

割合

(%)

精密部品製造及びユニット加工事業 8,684,122 99.6
その他の事業 31,594 0.4
合計 8,715,716  

 この会社では精密部品製造及びユニット加工事業の売上高が100%近くを占めています。

 

相手先 販売高

(千円)

割合

(%)

デンソー 1,077,266 12.4

 また主な取引先はデンソーになっており、売上高の12.4%を占めています。

 

 

 

2-3.純投資目的の投資有価証券について

 

 現在は、余った資金を有価証券投資で運用しているそうです。しかし、今後は資金需要に応じて処分する方針のようです。

 

 

 

2-4.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-4-1.現金及び預金が増えている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 1,599,855 9.6% 2,693,003 16.1% 3,969,683 24.8%
総資産合計 16,708,377   16,701,272   16,007,247  

 3期に渡り、現金及び預金が増えています。

 キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成22年3月期は営業キャッシュ・フローから資金を得られたに加えて、有価証券を売却したことが要因で増えています。

 平成23年3月期は、有価証券を売却したことが要因で増えています。

 

2-4-2.有価証券が減っている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 有価証券 3,496,450 20.9% 2,903,075 17.4% 1,801,528 11.3%
総資産合計 16,708,377   16,701,272   16,007,247  

 3期に渡り、有価証券が減っています。

 キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成22年3月期と平成23年3月期とも売却したことが要因で減っていました。

 

2-4-3.投資有価証券が減っている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 1,961,237 11.7% 2,045,910 12.3% 1,105,384 6.9%
総資産合計 16,708,377   16,701,272   16,007,247  

 平成23年3月期に投資有価証券が減っています。

 財務3表で確認をすると、関係会社株式に振替えたためではないかと思われます。

 

2-4-4.関係会社株式が増えている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 関係会社株式 10,654 0.1% 10,654 0.1% 828,895 5.2%
総資産合計 16,708,377   16,701,272   16,007,247  

 平成23年3月期に関係会社株式が増えています。

 増えた要因は、新たに別の会社を子会社にしたためのようです。

 

2-4-5.資産除去債務の計上

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

固定負債            
 資産除去債務 0 0.0% 0 0.0% 269,244 1.7%
総資産合計 16,708,377   16,701,272   16,007,247  

 平成23年3月期に資産除去債務が計上されています。

 これは、工場の改修とアスベストの除去に係る費用です。

 

2-4-6.金融資産が多い

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 1,599,855 9.6% 2,693,003 16.1% 3,969,683 24.8%
 受取手形 639,550 3.8% 560,941 3.4% 502,343 3.1%
 売掛金 3,070,046 18.4% 3,437,228 20.6% 2,777,263 17.4%
 有価証券 3,496,450 20.9% 2,903,075 17.4% 1,801,528 11.3%
投資その他の資産            
 投資有価証券 1,961,237 11.7% 2,045,910 12.3% 1,105,384 6.9%
金融資産合計 10,767,138 64.4% 11,640,157 69.7% 10,156,201 63.4%
総資産合計 16,708,377   16,701,272   16,007,247  

 現金及び預金等の金融資産が10,156,201千円もあり、総資産の63.4%を占めています。

 会社の資産性に注目をしている私のような個人投資家にとっては、非常に魅力的です。

 

2-4-7.投資活動では有価証券の売買が中心

 

 

 

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

投資キャッシュ・フロー 231,765 547,885 1,083,256
有価証券の取得による支出 ▲7,500,000 ▲5,000,000 ▲1,000,000
有価証券の償還による収入 9,500,000 6,500,000 2,901,746

 この会社の場合、投資活動では有価証券の売買が中心になっています。

 金額の大きさから考えても、本業よりもこちらの方に力を入れているように感じられます。

 

 

 

2-5.気になる問題

 

 さて、いくつか気になる問題点もあったのでそれについても取り上げたいと思います。

 

2-5-1.売掛金の滞留期間について

 

 製造業や卸売業の売掛金の滞留期間は、一般的に60日から80日だといわれています。

 しかしこの会社の場合、125.9日も売掛金が滞留してます。

 当座比率は283%もあるので運転資金に余裕はあると思いますが、不良債権化しないためにも早めに回収を心掛けてほしいものです。

 

2-5-2.たな卸資産が増えている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

売上高 11,113,733   9,523,286   8,715,716  
流動資産            
 製品 148,995 0.9% 103,991 0.6% 132,809 0.8%
 仕掛品 771,856 4.6% 422,367 2.5% 546,856 3.4%
 原材料及び貯蔵品 215,544 1.3% 220,768 1.3% 349,567 2.2%
たな卸資産合計 1,136,395 6.8% 747,126 4.5% 1,029,232 6.4%
流動負債            
 買掛金 1,825,395 10.9% 2,142,634 12.8% 2,549,489 15.9%
総資産合計 16,708,377   16,701,272   16,007,247  

 平成23年3月期は売上高が減少しているにもかかわらず、たな卸資産が増えています。

 たな卸資産の仕入れのために買掛金も増えていますが、わざと費用計上をするためにたな卸資産を増やしたのでしょうか? 気になるところです。

 

2-5-3.営業キャッシュ・フロー利益要素が赤字

 

 

 

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 ▲246,308 364,464 ▲461,030
当期純利益 ▲465,624 ▲170,173 ▲1,346,569
差額 219,316 534,637 885,539

 平成21年3月期と平成23年3月期は赤字業績により、営業キャッシュ・フロー利益要素も赤字になっています。

 当座比率は283%もあるため、当面の資金繰りは心配ありません。しかし、このまま営業キャッシュ・フローで資金を稼ぐことができないと、いずれ倒産に陥ってしまいます。

 そうなる前に、営業キャッシュ・フローが黒字になるように業績改善を行ってほしいものです。

 

 

 

 

3.2011年8月から株を取得

 


 

 私がこの会社に注目をしたのは、2011年8月ごろでした。

 そのころ、株価は上場最安値付近にまで低迷していました。

 そこで私は2011年8月から2011年9月にかけ、同社の株を平均184円で購入したのです。

 私が購入した後も、業績の赤字は続きました。そのため、株価も思うようにあがることはありませんでしたが、少しずつ株価は回復をしてきました。

 そして私は2013年2月から2015年3月にかけ、少しずつ同社の株を平均343円で売却をすることができました。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが現在のチャートになります。

 

 私は同社の株を平均343円で売却をしましたが、2018年1月には728円の高値にまで上昇しています。

 実に、2倍以上です。

 

 そして、現在の業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

9,171 ▲131 2 0 ▲0.1
14.3

(実績)

8,977 ▲276 ▲119 ▲495 ▲52.5
15.3

(実績)

10,435 ▲69 226 149 16.6
16.3

(実績)

12,618 31 163 50 5.6
17.3

(実績)

13,971 665 781 584 64.8
18.3

(予想)

12,800 450 530 440 48.8
19.3

(予想)

13,500 470 480 380 42.1

 売上高は少しずつ回復をして、2007年3月期の水準にもう少しで届きそうです。

 そして2014年3月期まで赤字業績が続いていましたが、2015年3月期からは黒字が定着しています。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 電気機器

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