割安株、永大化工(7877)に投資をしたときのお話

      2018/04/08

 2010年9月に発売された会社四季報(2010年4集 秋号)からいくつかの割安株を探していました。

 そのうち、PERは3.1倍、PBRは0.15倍で見つけた超割安株が永大化工(7877)です。

 買い候補銘柄の1つとして挙げていましたが、2011年3月の東日本大震災の影響で株価がストップ安にまで値下がりをしたとき、運よく買うことができました。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.売上高が年々減少

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.売上高が年々減少

 2-2.事業の内容

 2-3.販売実績

 2-4.経営上の重要な契約について

 2-5.経営戦略の現状と見直しにつて

 2-6.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-6-1.現金及び預金が増えている

  2-6-2.建物及び構築物(純額)が減っている

  2-6-3.機械装置及び運搬具(純額)が減っている

  2-6-4.有利子負債が増えている

  2-6-5.関係会社整理損失引当金が計上されている

  2-6-6.退職給付当金が計上されている

  2-6-7.当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素を確認

2-7.気になる問題

 2-7-1.たな卸資産回転比率が低い

3.2011年3月に株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2011年4集 秋号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「合成木材は前期事業譲渡。主力のフロアマット好調。産業資材は電子部品収納ケースが伸びる。人員削減など前期リストラ効果も寄与。エコカー支援策見直しの影響不透明で下期予想は据え置くが通期営業益増額。税負担軽い。復配の意向。」と、先行きが明るい内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は67.2%と、安全性は十分です。

 有利子負債は640百万円ありますが、総資産の8.5%程度なので問題はないでしょう。

 資本金1,241百万円に対し、利益剰余金は2,572百万円です。

 驚くことに、現金同等物を15.9億円保有しているこの会社の時価総額は、たったの8.6億円とバーゲン価格にまで値下がりをしていました。

 

 

 

1-3.売上高が年々減少

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

08.3

(実績)

8,990 17 4 ▲90 ▲13.3
09.3

(実績)

8,104 ▲348 ▲389 ▲968 ▲141.2
10.3

(実績)

6,359 142 128 ▲25 ▲3.7
11.3

(会社予想)

5,810 237 235 226 10.5.14発表
11.3

(予想)

5,900 260 260 250 38.0
12.3

(予想)

6,100 280 280 170 25.8

 年々、売上高が減少しています。また、2008年3月期から3期連続で赤字業績が続いています。

 しかし、2011年3月期からは売上高も回復をし、黒字業績になることを予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第55期(平成21年4年1日-平成22年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.売上高が年々減少

 

  平成18年3月 平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月 平成22年3月
売上高
(千円)
9,861,443 9,247,738 8,990,199 8,104,443 6,359,070
経常利益又は経常損失(▲)
(千円)
160,782 14,318 4,309 ▲389,639 128,650
当期純利益又は当期純損失(▲)
(千円)
82,963 ▲478,620 ▲90,975 ▲968,445 ▲25,346
総資産額
(千円)
10,305,867 9,195,399 9,261,575 8,397,642 7,844,908
従業員数
(名)
579 579 567 579 388

 売上高は年々減少をしています。そして、平成19年3月期から赤字業績に陥っていますが、経常利益の段階から赤字になっているのは平成21年3月期だけです。

 売上高の減少に伴い、総資産額も減少しています。そして、平成22年3月期から従業員数が一気に減少しています。

 

 

 

2-2.事業の内容

 

 この会社では、合成樹脂材各種成形品の製造及び販売を行っています。

 

事業区分 主要製品
押出成形事業(自動車用品) 自動車用フロアーマット
押出成形事業(産業資材) エアコンダクト、家庭冷蔵庫用部品、事務デスク用部材、プラスチック竹パネル、住宅用内装材、風呂蓋、マガジンスティック、端子台用カバー
押出成形事業(ストランデックス) ストランデックス合成木材
その他事業(産業資材) 乾燥機用スタンド、オフィスチェアー

 

 

 

2-3.販売実績

 

事業部門の名称 販売高

(千円)

割合

(%)

押出成形事業 6,248,943 98.3
その他事業 110,127 1.7
合計 6,359,070  

 この会社では、押出成形事業が売上高の100%近くを占めています。

 

相手先 販売高(千円) 割合(%)
(株)ホナダアクセス 1,063,829 16.7
豊田通商(株) 717,619 11.3
スズキ(株) 651,961 10.3

 また、主な取引先では(株)ホンダアクセスが売上高の16.7%を占めており、次に豊田通商(株)が売上高の11.3%を占めています。

 

 

 

2-4.経営上の重要な契約について

 

 平成21年9月30日付で株式会社K&Mに対してストランデックス事業を譲渡する契約を結んだそうです。

 不採算事業の整理縮小に取り組んでいるのかもしれません。

 

 

 

2-5.経営戦略の現状と見直しにつて

 

 海外の生産拠点については生産効率を向上させるため、ベトナムに集約をするそうです。

 そのため、台湾と中国の子会社については解散をする方向で決定したそうです。

 

 

 

2-6.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-6-1.現金及び預金が増えている

 

 

 

H20.3.31

(千円)

割合

(%)

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 718,452 7.8% 902,808 10.8% 1,464,491 18.7%
総資産合計 9,261,568   8,397,632   7,844,900  

 3期に渡り、現金及び預金が増えています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、平成21年3月期に現金及び預金が増えた要因は、短期借入金や長期借入金が増えたためです。

 平成22年3月期に現金及び預金が増えた要因は、売上債権やたな卸資産などの運転資金を回収したためです。

 

2-6-2.建物及び構築物(純額)が減っている

 

 

 

H20.3.31

(千円)

割合

(%)

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物及び構築物(純額) 1,327,956 14.3% 1,149,919 13.7% 1,104,117 14.1%
総資産合計 9,261,568   8,397,632   7,844,900  

 平成21年3月期には建物及び構築物(純額)の減少が目立ちます。

 主な要因は、減価償却費や減損損失の計上に加え、台湾と中国の子会社を清算するために減少したと思われます。

 

2-6-3.機械装置及び運搬具(純額)が減っている

 

 

 

H20.3.31

(千円)

割合

(%)

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 機械装置及び運搬具(純額) 597,654 6.5% 426,163 5.1% 197,924 2.5%
総資産合計 9,261,568   8,397,632   7,844,900  

 3期に渡り、機械装置及び運搬具(純額)が減少しています。

 平成21年3月期に機械装置及び運搬具(純額)が減少した要因は、減価償却費の計上に加えて台湾と中国の子会社を清算するためだと思われます。

 平成22年3月期に機械装置及び運搬具(純額)が減少した要因は、ストランデックス事業部門の譲渡に加え、天理工場及び栃木工場における遊休設備の除去を行ったためです。

 

2-6-4.有利子負債が増えている

 

 

 

H20.3.31

(千円)

割合

(%)

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 35,100 0.4% 327,600 3.9% 200,000 2.5%
 1年以内返済予定の長期借入金 193,876 2.1% 293,836 3.5% 232,708 3.0%
固定負債            
 長期借入金 464,334 5.0% 652,671 7.8% 432,790 5.5%
有利子負債合計 693,310 7.5% 1,274,107 15.2% 865,498 11.0%
総資産合計 9,261,568   8,397,632   7,844,900  

 平成21年3月期には有利子負債が増えています。

 連結キャッシュ・フロー計算書で確認をすると、営業活動での費用を補うためや有形固定資産の取得、投資有価証券の取得のために銀行から借入れを行ったと考えられます。

 平成22年3月期は売上債権やたな卸資産などの運転資金を回収し、その資金で借入金を返済したことによって減少したと考えられます。

 

2-6-5.関係会社整理損失引当金が計上されている

 

 

 

H20.3.31

(千円)

割合

(%)

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 関係会社整理損失引当金 0 0.0% 220,909 2.6% 0 0.0%
総資産合計 9,261,568   8,397,632   7,844,900  

 平成21年3月期から関係会社整理損失引当金が計上されています。

 これは、台湾の子会社と中国の子会社の清算に伴う整理損失ための引当金です。

 

2-6-6.退職給付当金が計上されている

 

 

 

H20.3.31

(千円)

割合

(%)

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

固定負債            
 退職給付引当金 0 0.0% 89,234 1.1% 86,089 1.1%
総資産合計 9,261,568   8,397,632   7,844,900  

 平成21年3月期から退職給付引当金が計上されています。

 これは、希望退職者の募集に伴う割増退職金と、台湾と中国の子会社清算に伴う特別退職金です。

 

2-6-7.当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素を確認

 

 当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素を確認すると・・・

 

 

 

H20.3.31

(千円)

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 258,698 ▲197,555 117,822
当期純利益 ▲90,975 ▲968,445 ▲25,346
差額 349,673 770,890 143,168

 平成21年3月期は十分な売上高を確保できなかったため、赤字業績になっています。

 しかし、平成20年3月期と平成22年3月期は赤字業績であるにもかかわらず、しっかりキャッシュを稼いでいます。

 

 

 

2-7.気になる問題

 

 さて、1つ気になる問題があったのでそれについても取り上げたいと思います。

 

2-7-1.たな卸資産回転比率が低い

 

 

 

H20.3.31

(回転)

H21.3.31

(回転)

H22.3.31

(回転)

たな卸資産回転比率 5.68 5.39 6.41

 製造業の場合、平均的なたな卸資産回転比率は10回転です。しかし、この会社の場合は6.41回転しかありません。

 けれど、売上高の減少に伴い事業の整理縮小に取り組んでいる様子が伺えました。そのため、たな卸資産回転比率についても改善していくことが予想されますのでしばらくは見守ろうと思います。

 

 

 

 

3.2011年3月に株を取得

 


 

 私がこの会社を見つけたのは、2010年10月ごろでした。その時には株価もある程度、値上がりをしていたため投資については保留をしていました。

 しかし、2011年3月の東日本大震災で多くの銘柄が値下がりをしたのです。この銘柄も一時はストップ安にまで値下がりをしました。

 そのとき、私はそのタイミングで同社の株を平均117円で購入しました。

 それからしばらくすると、会社の決算発表が行われました。来期の業績については増額を見込んだうえ、復配まで行ったのです。

 しかし、その発表に対しても株価は思うような反応がありませんでした。それに嫌気した私は、2011年6月から2011年8月にかけて1株平均144円で売却を行ったのです。

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが現在のチャートになります。

 

 2011年6月に売った144円から、2018年1月には420円の高値にまで上昇しています。

 正直、もっと株価は値上がりをしていると思っていたんですけどね・・・。

 

 そして、現在の業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

5,090 113 127 118 18.4
14.3

(実績)

6,331 169 207 191 30.3
15.3

(実績)

6,518 166 224 196 31.0
16.3

(実績)

6,695 68 40 26 4.1
17.3

(実績)

6,912 176 189 150 23.7
18.3

(予想)

7,500 250 260 200 31.6
19.3

(予想)

7,800 300 310 250 39.5

 売上高は少しずつ上がっています。しかし、利益については増えたり減ったりを繰り返しています。

 株価があまり値上がりをしていなかったのは、このためなのかもしれません・・・。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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