割安株、セコニック(7758)の苦い思い出

      2018/04/08

 今回は、2011年10月に投資を行った会社、セコニック(7758)に関する記事です。

 来期のPERは7.4倍、PBRは0.28倍の割安感に興味を持った私は、2011年10月に投資を行いました。

 しかし購入後は思うように株価は上がらず、それに嫌気をして損切を行ってしまいました。

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目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.売上高が減少

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.売上高が年々減少

 2-2.事業の内容

 2-3.販売実績について

 2-4.地域ごとの売上高

 2-5.不動産賃貸事業が魅力的

 2-6.経営上の重要な契約について

 2-7.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-7-1.売上高が減少している

  2-7-2.現金及び預金が増えている

  2-7-3.投資有価証券について

  2-7-4.有利子負債が減少している

  2-7-5 .当期純利益も営業キャッシュ・フロー利益要素も赤字

  2-7-6.投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心

  2-7-7.配当金の支払について

 2-8.気になる問題

  2-8-1.受取手形及び売掛金が多い

  2-8-2.たな卸資産が増えている

3.2011年10月に株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2011年4集 秋号)から会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「電装機材は好採算の組立実装が伸長。数量増と人件費抑制で事務機器受託が浮上。ただ、利益柱の露出計が米国向け不調。入力機器の大口案件剥落のうえ開発費膨らむ。円高も圧迫。営業益横ばい程度。」とあまりよくない内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は56.9%と、安全性に問題はありません。

 有利子負債は1,147百万円ありますが、総資産の11.7%程度です。

 資本金1,503百万円に対し、利益剰余金は2,337百万円しかありません。赤字業績が続いたことで、蓄えてきた利益を失ってしまったのでしょうか。

 また、現金同等物を18.6億円も保有しているこの会社の時価総額は16.4億円です。

 

 

 

1-3.売上高が減少

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

09.3

(実績)

17,358 ▲11 ▲157 ▲196 ▲123.50
10.3

(実績)

11,043 ▲186 ▲244 ▲255 ▲160.70
11.3

(実績)

12,293 202 168 71 45.30
12.3

(予想)

11,500 200 200 100 63.00
13.3

(予想)

12,000 350 350 210 132.00

 売上高は2011年3月期から回復していますが、2012年3月期から再び減少する予想になっています。

 2011年3月期から黒字業績に転換して2013年3月月期までV字回復を予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第76期(平成22年4年1日-平成23年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.売上高が年々減少

 

  平成19年3月 平成20年3月 平成21年3月 平成22年3月 平成23年3月
売上高
(百万円)
21,333 24,380 17,358 11,043 12,293
当期純利益又は当期純損失
(百万円)
578 406 ▲196 ▲255 71
総資産額
(百万円)
15,960 13,651 11,020 10,695 9,769
自己資本比率
(%)
40.4 47.5 53.3 53.8 57.3
従業員数
(人)
544 542 542 724 753

 売上高の減少が続き、平成22年3月期にはピーク時の半分ほどしかありません。そして、平成21年3月期からは赤字業績に陥っています。

 その間、総資産額は減少して、自己資本比率が上がっています。不採算事業の整理縮小に努めていたのでしょうか?

 興味深いことに売上高が減少しているにも関わらず、平成22年3月期から従業員数が大幅に増えています。会社として、何か大きな計画があるのでしょうか?

 

 

 

2-2.事業の内容

 

 この会社では、事務機器、光学電子情報機器及び電装機材の製造販売を行っています。

 

セグメントの名称 事業内容
事務機器 主な製品は、複写機オプション・ユニット、プロッタ。
光学電子情報機器 主な製品は、カラーメーター、光学式マーク読取装置(OMR),監視カメラ、記録計、温湿度記録時計、粘度計。
電装機材 主な製品は基板実装、束線、無線エレクトロン・ルミネッセンス(EL)。
不動産賃貸 当社が本社用地に建設した商業施設を賃貸。

 

 

 

2-3.販売実績について

 

セグメントの名称 売上高

(百万円)

割合

(%)

事務機器 4,731 38.5
光学電子情報機器 4,500 36.6
電装機材 2,858 23.2
不動産賃貸 204 1.7
合計 12,293  

 この会社では事務機器の売上高が一番多く、次に光学電子情報機器の売上高が多くなっています。

 

相手先 販売額

(百万円)

割合

(%)

KONICA MINOLTA BUSINESS TECHNOLOGIES MANUFACTURING(HK)LTD. 1,944 15.8
コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 1,432 11.7

 また、主な販売先2社だけで売上高の3割近くを占めています。

 

 

 

2-4.地域ごとの売上高

 

  売上高

(百万円)

比率

(%)

日本 7,143 58.1
東南アジア 4,281 34.8
北米 552 4.5
その他の地域 317 2.6
売上高合計 12,293  

 この会社では、日本以外にも東南アジアなどの外国でも販売を行っています。

 

 

 

2-5.不動産賃貸事業が魅力的

 

セグメント名称 売上高

(百万円)

セグメント資産

(百万円)

不動産賃貸 204 634

 この会社は商業施設の不動産賃貸も行っていますが、売上高204百万円に対してセグメント資産は634百万円です。

 不動産賃貸事業の表面利回りは、204百万円÷634百万円=32.1%もあります。

 不動産賃貸事業の場合、表面利回りで10%以上なんてまずはありません。そのことを考えると、ものすごく魅力的です。

 

 

 

2-6.経営上の重要な契約について

 

相手先 契約内容 契約期間
コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 複写機オプション・ユニットの製造受託契約 自 昭和51年4月21日

至 平成24年4月20日

株式会社いなげや セコニックビルの定期建物賃貸借契約 自 平成15年12月3日

至 平成35年12月2日

MUTOHホールディングス株式会社 業務提携 自 平成23年1月14日

至 平成24年1月14日

TCSホールディングス株式会社 業務提携 自 平成23年1月14日

至 平成24年1月14日

Konica Minolta Business Technologies Manufacturing(HK)LTD. 複写機オプション・ユニットの製造受託契約 自 平成23年6月1日

至 平成24年5月31日

 この会社では経営に関する契約を5社と結んでいます。

 その中の4社は契約期間が平成24年までになっていますが、それ以降の取引についてはどうなっているのでしょうか? 気になるところです。

 

2-7.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-7-1.売上高が減少している

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

H22.3.31

(百万円)

H23.3.31

(百万円)

売上高 17,358 11,043 12,293

 平成22年3月期には対前年比で36.3%も売上高が減少しています。

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

KONICA MINOLTA BUSINESS TECHNOLOGIES MANUFACTURING(HK)LTD. 5,804 33.4% 2,084 18.9%
 コンカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 2,138 12.3% 1,404 12.7%
 CBC株式会社 1,837 10.6% 1,077 9.8%
 その他 7,579 43.7% 6,478 58.7%
売上高合計 17,358   11,043  

 減少した要因について調べてみると、大口との取引が少なくなったためのようす。

 

2-7-2.現金及び預金が増えている

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

H23.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 1,769 16.1% 1,908 17.8% 1,911 19.6%
総資産合計 11,013   10,690   9,763  

 平成22年3月期に現金及び預金が増えています。

 連結財務3表で確認をすると、営業キャッシュ・フローから資金を得られたことが要因していました。

 

2-7-3.投資有価証券について

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

H23.3.31

(百万円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 708 6.4% 1,032 9.7% 751 7.7%
総資産合計 11,013   10,690   9,763  

 投資有価証券が増減しています。

 平成22年3月期は保有銘柄の時価総額が増加しことで増えたようです。

 しかし、平成23年3月期は主に保有銘柄のオリンパスやコミカミノルタホールディングスの時価総額が減少したことで減ってしまったようです。

 

2-7-4.有利子負債が減少している

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

H23.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 1,270 11.5% 1,245 11.6% 1,166 11.9%
固定負債            
 長期借入金 91 0.8% 30 0.3% 0 0.0%
有利子負債合計 1,361 12.4% 1,275 11.9% 1,166 11.9%
総資産合計 11,013   10,690   9,763  

 3期に渡って有利子負債が減少しています。

 連結財務3表で確認をすると、多額の営業キャッシュ・フローを生み出している減価償却費が借入金返済の原資になっているように感じられます。

 

2-7-5 .当期純利益も営業キャッシュ・フロー利益要素も赤字

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

H22.3.31

(百万円)

H23.3.31

(百万円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 ▲190 355 299
当期純利益 ▲196 ▲255 71
差額 6 610 228

 平成21年3月期には、当期純利益も営業キャッシュ・フロー利益要素も赤字になっています。

 営業キャッシュ・フロー利益要素が赤字になったのは、当期純損失が大きかったことや法人税の支払があったためです。

 しかし、平成22年3月期以降、営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字に転換しています。

 

2-7-6.投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

H22.3.31

(百万円)

H23.3.31

(百万円)

投資キャッシュ・フロー ▲92 ▲221 ▲195
有形固定資産の取得による支出 ▲99 ▲139 ▲67
有形固定資産の売却による収入 1 1 0

 投資キャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得が中心になっています。

 取得した有形固定資産は、光学電子情報機器に関するものが目立ちました。

 

2-7-7.配当金の支払について

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

H22.3.31

(百万円)

H23.3.31

(百万円)

財務キャッシュ・フロー ▲511 ▲91 ▲112
配当金の支払額 ▲126 ▲1 0

 平成21年3月期まで配当金が支払われていましたが、売上高の減少で平成22年3月期以降は支払われていません。

 経営環境の先行きが不透明なため、無配にしたそうです。

 

 

 

2-8.気になる問題

 

 さて、ここで会社の気になる問題がいくつかあったので、まとめて解説していきたいと思います。

 

2-8-1.受取手形及び売掛金が多い

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

H23.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 受取手形及び売掛金 3,468 31.5% 3,057 28.6% 2,753 28.2%
総資産合計 11,013   10,690   9,763  

 受取手形及び売掛金は2,753百万円もあり、総資産に占める割合は高くなっています。

 当座比率は138%と資金繰りがラクとはいえないレベルです。なので、売上債権については早めに回収を心がけ、十分な運転資金を確保してほしいものです。

 

2-8-2.たな卸資産が増えている

 

 

 

H21.3.31

(百万円)

割合

(%)

H22.3.31

(百万円)

割合

(%)

H23.3.31

(百万円)

割合

(%)

売上高 17,358   11,043   12,293  
流動資産            
 商品及び製品 230 2.1% 251 2.3% 320 3.3%
 仕掛品 307 2.8% 246 2.3% 235 2.4%
 原材料及び貯蔵品 1,072 9.7% 1,247 11.7% 1,141 11.7%
たな卸資産合計 1,609 14.6% 1,744 16.3% 1,696 17.4%
総資産合計 11,013   10,690   9,763  

 平成22年3月期は売上高が大幅に減少しているものの、たな卸資産が増えています。売上見込みを誤ったのでしょうか?

 もし、このたな卸資産が売れなくなって不良在庫になってしまうと、余計な処分費が発生したり、資産価値が減少したりして結果的には業績に悪影響を与えてしまいます。

 

 

 

 

3.2011年10月に株を取得

 


 

 当時の私はこの会社をトータルで評価した結果、投資に値すると思い、2011年10月に1株平均990円で購入しました。

 しかし購入後、なかなか株価が思うように上がらなくてイライラしてしまったことや、他の割安な銘柄に目移りをしたことから、1株平均960円で損切を行ったのです。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが、現在の株価です。

 

 私が最後に株を売却した2012年2月から、約1年後の2013年4月には2,790円の高値にまで高騰しています。

 その後も何度か高騰を繰り返していますが、今現在は低迷しています。

 

 そして業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

10,157 201 383 204 117.1
14.3

(実績)

9,572 39 162 ▲168 ▲98.2
15.3

(実績)

9,035 6 329 71 41.9
16.3

(実績)

9,065 109 ▲86 ▲338 ▲197.7
17.3

(実績)

7,887 305 177 158 92.5
18.3

(予想)

8,000 250 250 150 87.6
19.3

(予想)

8,200 300 300 160 93.5

 売上高は年々減少をし、業績も赤字と黒字を繰り返しています。

 一体、どうなっているのでしょうか?

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 機械

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