割安株、KSK(9687)に投資をしたときのお話

      2018/04/08

 今回は、2011年10月に投資を行った会社、KSK(9687)に関するお話です。

 PERは7.5倍、PBRは0.43倍の割安感から投資を行い、結果的に少額ながらも儲けることができた銘柄です。

 しかし、今回改めてこの会社のファンダメンタルズを見直してみると、今なら投資を見送っていたかもしれません・・・。

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目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.営業利益が急減少

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.現金及び預金について

  2-3-2.有価証券が増えている

  2-3-3.その他について

  2-3-4.投資有価証券について

  2-3-5.支払手形がない

  2-3-6.賞与引当が多い

  2-3-7.金融資産が多い

  2-3-8.営業利益よりも、経常利益が多い

  2-3-9.営業キャッシュ・フロー利益要素よりも、当期純利益が多い

  2-3-10.投資キャッシュ・フローでは、投資有価証券の取得が活発

  2-3-11.自己株式を取得

 2-4.気になる問題

  2-4-1.仕掛品が増加している

  2-4-2.その他が増えている

3.2011年10月に株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2011年4集 秋号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「システムコアは半導体設計などで出足苦戦だが、下期に盛り返す。アプリケーションの不採算案件消え採算改善。情報処理は大型案件の採算割れあったが、業務合理化で対応。通期で営業益横ばい確保。」と先行きに明るさが見え始めた内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は75.7%と、安全性は十分です。

 有利子負債は100百万円しかなく、総資産の1.1%程度なので無視してもかまわないレベルです。

 資本金1,448百万円に対し、利益剰余金は4,575百万円です。

 また、大株主には創業者一族が名を連ねています。

 興味深いことに、日本一の個人投資家といわれていた竹田和平さんも大株主になっています。

 

 

 

1-3.営業利益が急減少

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

09.3

(実績)

13,931 1,189 1,231 558 82.6
10.3

(実績)

12,139 510 784 356 53.9
11.3

(実績)

12,509 699 813 432 66.0
12.3

(予想)

12,200 690 710 400 61.8
13.3

(予想)

12,400 720 740 410 63.3

 2010年3月期に売上高が減少したことで、営業利益が半分程度になっています。それにより、利益も減少しています。

 本格的な業績の回復は、2013年3月期を予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第37期(平成22年2年21日-平成23年2月20日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 この会社では、システムコア開発事業やアプリケーションソフトウェア開発事業、ネットワークサポート事業などを手掛けています。

 

セグメントの名称 事業内容
システムコア開発事業 LSI開発・設計

ハードウェアのシステム設計

組込みソフトウェア開発

アプリケーションソフトウェア開発事業 パッケージソフトウェアの開発

アプリケーションソフトウェアの受託開発

CADシステム開発

Webシステム開発

ネットワークサポート事業 通信・コンピュータ関連システムの構築・現地調査・運用・保守

CADシステムの運用管理

サポートセンター業務

情報処理事業等 データエントリー業務

オペレーター派遣業務

介護・福祉サービス等

 

 

 

2-2.販売実績

 

部門 販売高(千円) 割合(%)
ネットワークサポート事業 5,036,047 40.3
システムコア開発事業 3,702,226 29.6
アプリケーションソフトウェア開発事業 2,821,323 22.6
情報処理事業等 949,485 7.6
合計 12,509,083  

 この会社ではネットワークサポート事業の売上高が一番多く、次はシステムコア開発事業が多くなっています。

 

 

 

2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-3-1.現金及び預金について

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 3,769,341 40.6% 2,935,780 32.0% 3,760,228 38.1%
総資産合計 9,278,291   9,182,925   9,876,824  

 現金及び預金が増減しています。

 平成22年3月期に減少した要因は、運転資金の需要や役員退職慰労引当金等の負債の支払い、投資有価証券の取得で減少したためのようです。

 平成23年3月期に増加した要因は、営業キャッシュ・フローから資金を取得したためのようです。

 

2-3-2.有価証券が増えている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 有価証券 200,000 2.2% 400,417 4.4% 602,297 6.1%
総資産合計 9,278,291   9,182,925   9,876,824  

 3期に渡り、有価証券が増えています。

 平成22年3月期には新たに有価証券を取得したことで増え、平成23年3月期は保有銘柄の時価総額が上がったことで増えたようです。

 

2-3-3.その他について

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 その他 288,200 3.1% 332,497 3.6% 253,423 2.6%
総資産合計 9,278,291   9,182,925   9,876,824  

 流動資産のその他が総資産の2.6%を占めています。

 内訳について単独貸借対照表で確認をすると、ほとんどが未収入金のようです。

 

2-3-4.投資有価証券について

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 676,618 7.3% 1,026,499 11.2% 909,336 9.2%
総資産合計 9,278,291   9,182,925   9,876,824  

 投資有価証券が増減しています。

 平成22年2月期に増加した要因は新たに投資有価証券を取得したことで増え、平成23年3月期に減少した要因は保有銘柄の時価総額が下がったためのようです。

 

2-3-5.支払手形がない

 

 この会社には支払手形がありません。

 当座比率は300%もありますので、資金繰りは相当楽です。

 これなら、支払手形がないこともうなずけます。

 

2-3-6.賞与引当が多い

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 賞与引当金 857,400 9.2% 818,000 8.9% 888,600 9.0%
総資産合計 9,278,291   9,182,925   9,876,824  

 賞与引当が888,600千円もあり、総資産の9.0%を占めています。

 ここまで賞与引当が多い会社はあまり見たことがありません。社員に利益を積極的に還元しているのかもしれませんね。

 

2-3-7.金融資産が多い

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 3,769,341 40.6% 2,935,780 32.0% 3,760,228 38.1%
 受取手形及び売掛金 2,418,585 26.1% 2,510,802 27.3% 2,473,023 25.0%
 有価証券 200,000 2.2% 400,417 4.4% 602,297 6.1%
投資その他の資産            
 投資有価証券 676,618 7.3% 1,026,499 11.2% 909,336 9.2%
金融資産合計 7,064,544 76.1% 6,873,498 74.9% 7,744,884 78.4%
総資産合計 9,278,291   9,182,925   9,876,824  

 現金及び預金などの金融資産が7,744,884千円もあり、総資産の78.4%を占めています。

 私のように、会社の資産性に注目をしている投資家にとっては魅力的です。

 

2-3-8.営業利益よりも、経常利益が多い

 

 

 

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

経常利益 1,231,162 784,465 813,658
営業利益 1,189,766 510,761 699,347
差額 41,396 273,704 114,311

 この会社では、営業利益よりも経常利益の方が多くなっています。

 その理由は、雇用調整助成金等の営業外収益があるためです。

 

2-3-9.営業キャッシュ・フロー利益要素よりも、当期純利益が多い

 

 

 

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 639,977 186,763 1,008,273
当期純利益 558,482 356,547 432,307
差額 81,495 ▲169,784 575,966

 平成22年3月期は営業キャッシュ・フロー利益要素よりも、当期純利益の方が多くなっています。

 営業キャッシュ・フロー利益要素が減少した要因は、役員退職慰労引当金の費用計上が減少したためです。

 

2-3-10.投資キャッシュ・フローでは、投資有価証券の取得が活発

 

 

 

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

投資キャッシュ・フロー 81,063 ▲558,081 ▲434,661
投資有価証券の取得による支出 ▲202,061 ▲500,696 ▲422,971
投資有価証券の売却による収入 381,832 0 96,215

 この会社では、投資有価証券を積極的に取得しています。

 余裕資金を財テクとして運用しているのかもしれませんね。

 

2-3-11.自己株式を取得

 

 

 

H21.3.31

(株)

割合

(%)

H22.3.31

(株)

割合

(%)

H23.3.31

(株)

割合

(%)

自己株式数 1,020,300 13.4% 1,020,300 13.4% 1,160,400 15.2%
発行済株式数 7,636,368   7,636,368   7,636,368  

 平成23年3月期には新たに自己株式を取得し、発行済株式数の15.2%に達しています。

 一般に自己株式の取得を行うということは、会社自身が将来は明るいと考えたり、他に投資をするよりも会社自身に投資をする方がよいと考えているためです。

 

 

 

2-4.気になる問題

 

 さて、ファンダメンタルズ分析をしている中で気になる問題点も見つかったのでそれについても解説します。

 

2-4-1.仕掛品が増加している

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

売上高 13,931,132 12,139,443 12,509,083
当期純利益 558,482 356,547 432,307
流動資産
 仕掛品 106,935 1.2% 294,955 3.2% 120,742 1.2%
総資産合計 9,278,291 9,182,925 9,876,824

 平成22年3月期の売上高は対前年比で12%減少しているものの、利益を確保することができています。

 しかし、たな卸資産である仕掛品が増加しています。

 本来であれば費用として計上しないといけない仕掛品を資産化し、それで利益の捻出を行っていたのかもしれません。

 この会社では入札で仕事を受注しているものもあるようです。そのため、ある程度の黒字業績をあげているように見せたいというインセンティブが働くことは考えられます。

 

2-4-2.その他が増えている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 未払費用 480,687 5.2% 436,372 4.8% 0 0.0%
 その他 326,661 3.5% 267,069 2.9% 730,999 7.4%
総資産合計 9,278,291   9,182,925   9,876,824  

 平成23年3月期には未払費用が減少し、流動負債のその他が増えています。

 原因について詳しく調べてみると、未払費用は流動負債合計の100分の5以下であることから、その他に含めて表示をすることにしたそうです。

 なぜ、そのようにしたのかが気になります。

 

 

 

 

3.2011年10月に株を取得

 


 

 私がこの会社に注目をしたのは2011年10月でした。

 まずは1株平均417年で買い、直近の安値である396円付近に近づいたら全力買いをするつもりでした。

 しかし株価はそれ以降から値下がりをすることはなく、2012年3月になると株価も値上がりをしてだいぶ含み益が出てきたことから、1株平均492円で売却をしました。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが、現在の株価です。

 

 2012年3月に株を売った492円から、いまでは5倍近くに値上がりをしています。

 

 そして業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

12,526 841 883 504 84.7
14.3

(実績)

13,045 809 849 484 76.1
15.3

(実績)

13,373 912 951 524 83.0
16.3

(実績)

13,859 1,125 1,166 705 113.4
17.3

(実績)

14,540 1,248 1,285 895 146.0
18.3

(予想)

15,500 1,300 1,330 880 145.8
19.3

(予想)

16,300 1,350 1,380 900 149.1

 売上高、利益ともに少しずつ上がっています。

 そして、2018年3月期以降も売上高が増加する見込みになっています。すばらしいですね。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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