割安株、パレモ(2778)での失敗談について

      2018/04/08

 今回は会社四季報(2010年4集 秋号)で見つけた割安株、パレモ(2778)に関するお話です。

 PER8.3倍、PBR0.48倍と割安に放置されていたことからこの会社に目星をつけていましたが、2011年3月の東日本大震災で株価が暴落をしたきに衝動買いをした銘柄です。

 その後、会社のファンダメンタルズについて詳しく分析をすると、震災への懸念や購入後も値下がりを続ける株価へのストレスに耐えることができず、損切をする羽目になってしまいました

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.急改善の業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.売上高が減少

 2-2.事業の内容

 2-3.販売実績

 2-4.大株主の状況

 2-5.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-5-1.現金及び預金が増えている

  2-5-2.預け金が増えている

  2-5-3.商品が減っている

  2-5-4.建物(純額)が減っている

  2-5-5.関係会社出資金がなくなっている

  2-5-6.差入保証金が減っている

  2-5-7.破産更生債権等が増えている

  2-5-8.支払手形と電子記録債権

  2-5-9.未払金が増えている

  2-5-10.未払費用が多い

  2-5-11.有利子負債が減少している

  2-5-12.財務キャッシュ・フローでは、差入保証金が目立つ

 2-6.気になる問題

  2-6-1.たな卸資産回転比率が低い

  2-6-2.東日本大震災への影響

3.2011年3月に株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2010年4集 秋号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「出店30、閉店20。前期44純減で減収だが、低価格品を呼び水に主力品の売れ行き良好。既存店回復は想定上回る。値引きロス改善。適正人員見直し、賃借料、光熱費削減など運営改善策も通期寄与。会社側営業益過小。減損特損残るが最終黒字化。」と四季報記者が絶賛する内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は46.3%なので、安全性に問題はありません。

 有利子負債は1,600百万円ありますが、総資産の12.2%程度です。

 資本金1,229百万円に対し、利益剰余金は3,661百万円です。

 

 

 

1-3.急改善の業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

08.2

(実績)

33,796 1,097 1,117 286 39.5
09.2

(実績)

33,014 218 310 ▲321 ▲44.4
10.2

(実績)

29,905 472 513 ▲543 ▲74.9
11.2

(会社予想)

27,900 660 700 20 未定
11.2

(予想)

29,000 1,300 1,350 350 48.2
12.2

(予想)

30,000 1,500 1,550 400 55.1

 売上高は減少していますが、2012年2月期から増加する予想になっています。

 そして、赤字続きの業績も2011年2月期以降からは黒字予想になっています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第26期(平成22年2年21日-平成23年2月20日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.売上高が減少

 

  平成19年2月 平成20年2月 平成21年2月 平成22年2月 平成23年2月
売上高
(千円)
34,095,264 33,796,077 32,994,670 29,893,495 29,902,155
当期純利益又は当期純損失(▲)
(千円)
793,532 286,567 ▲293,264 ▲571,565 288,426
総資産額
(千円)
14,445,023 15,213,639 15,383,140 12,912,769 12,542,876
自己資本比率
(%)
47.4 45.4 42.1 44.9 47.9
従業員数
(人)
152 165 172 165 146

 年々、売上高が減少しています。そして、平成21年2月期には赤字業績になっています。

 しかし、平成22年2月期からは総資産額と従業員数は減り、自己資本比率が改善しています。不採算事業の整理縮小に努めていたのでしょう。

 また、平成23年2月期には上海の子会社を別会社に譲渡しています。

 

 

 

2-2.事業の内容

 

 この会社は小売事業として、アパレル部門と雑貨部門から構成されています。

 

部門区分 部門の内容
アパレル部門 10代後半から30代前半の女性をメイン顧客層とした夫人洋品・婦人服・服飾雑貨をトータル展開する専門店事業
雑貨部門 幅広い年齢層の女性を主な顧客とした、バラエティ雑貨、バッグ及び服飾雑貨を展開する専門店事業

 

 

 

2-3.販売実績

 

部門 販売高

(百万円)

割合

(%)

アパレル部門 20,959 70.1
雑貨部門 8,580 28.7
その他 362 1.2
合計 29,902  

 この会社ではアパレル部門の売上高が一番多く、売上高に占める割合は70.1%になっています。

 その他の売上高は、ネットビジネスや手数料収入等になっています。

 

 

 

2-4.大株主の状況

 

 大株主を見てみると・・・

 

氏名又は名称 所有株式数
(千株)
発行済株式

総数に対する

所有株数

の割合(%)

ユニー株市会社 4,528 62.38
野村信託銀行株式会社(投信口) 310 4.28
パレモ従業員持株会 197 2.73
岩間 公一 163 2.25
日本トラスティ・サービス信託銀行

株式会社(信託口)

67 0.93

 親会社のユニーが62.38%の株式を保有しています。

 

 

 

2-5.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-5-1.現金及び預金が増えている

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 115,603 0.8% 315,697 2.4% 730,759 5.8%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 現金及び預金が年々増えています。

 増えた要因について財務3表で確認をすると、平成22年2月期は投資有価証券を売却したために増えています。

 平成23年2月期は営業キャッシュ・フローから資金を得られたことで増えています。

 

2-5-2.預け金が増えている

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 預け金 1,004,780 6.5% 1,215,332 9.4% 1,224,905 9.8%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 預け金が年々増え、総資産の9.8%を占めています。

 この預け金とは、売上代金の一部を店舗賃貸人に預け入れているものです。

 相手先はイオンリテールやイトーヨーカ堂などになっています。

 

2-5-3.商品が減っている

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 商品 3,803,362 24.7% 2,477,097 19.2% 2,502,517 20.0%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 平成22年2月期には商品が2,477,097千円にまで減っています。

 減少した要因は、棚卸資産の評価に関する会計基準の適用を受けて商品評価損を特別損失に計上したためです。

 

2-5-4.建物(純額)が減っている

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物(純額) 2,157,556 14.0% 1,456,982 11.3% 1,112,392 8.9%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 有形固定資産の建物(純額)が総資産の14.0%から平成23年2月期には8.9%にまで減少しています。

 減少した要因は、店舗閉店・改装にともなう除売却損を計上したためのようです。

 

2-5-5.関係会社出資金がなくなっている

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 関係会社出資金 93,928 0.6% 0 0.0% 0 0.0%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 平成22年2月期には関係会社出資金がなくなっています。

 その要因は、別の会社に売却をしたためのようです。

 

2-5-6.差入保証金が減っている

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 差入保証金 6,433,149 41.8% 5,852,903 45.3% 5,640,846 45.0%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 平成23年2月期には5,640,846千円にまで差入保証金が減っています。

 減少した要因は、数店舗を退店したことによりその差入保証金を回収したためだと考えられます。

 

2-5-7.破産更生債権等が増えている

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 破産更生債権等 0 0.0% 0 0.0% 12,677 0.1%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 平成23年2月期に破産更生債権等が12,677千円に増えています。

 総資産のわずか0.1%程度なので無視しても構いませんが、これが今後増えないように注視する必要があると思います。

 

2-5-8.支払手形と電子記録債権

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 支払手形 2,884,735 18.8% 2,427,707 18.8% 253,969 2.0%
 電子記録債権 0 0.0% 0 0.0% 2,319,025 18.5%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 平成23年2月期には支払手形から、電子記録債権に替わっています。

 支払手形は印紙代などの余計な費用が発生するため、電子記録債権に替えたのではないかと思われます。

 

2-5-9.未払金が増えている

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 未払金 208,412 1.4% 269,189 2.1% 350,493 2.8%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 3期に渡り未払金が増え、総資産の2.8%を占めるようになっています。

 気になるので内訳について調べてみましたが、分かりませんでした。

 

2-5-10.未払費用が多い

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 未払費用 978,865 6.4% 901,888 7.0% 914,354 7.3%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 平成23年2月期には未払費用が914,354千円にまで増え、総資産の7.3%を占めるようになっています。

 内訳は、未払給与や未払家賃によるものがほとんどでした。

 

2-5-11.有利子負債が減少している

 

 

 

H21.2.20

(千円)

割合

(%)

H22.2.20

(千円)

割合

(%)

H23.2.20

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 1,200,000 7.8% 500,000 3.9% 0 0.0%
 1年内返済予定の長期借入金 173,312 1.1% 500,000 3.9% 0 0.0%
固定負債            
 長期借入金 1,600,000 10.4% 1,100,000 8.5% 1,100,000 8.8%
有利子負債合計 2,973,312 19.3% 2,100,000 16.3% 1,100,000 8.8%
総資産合計 15,383,131   12,912,758   12,542,865  

 有利子負債が年々減少して、平成23年2月期には総資産の8.8%までになっています。

 財務3表で確認をすると、営業キャッシュ・フローでえられた資金を借金の返済に充ててきたように感じられます。

 

2-5-12.財務キャッシュ・フローでは、差入保証金が目立つ

 

 

 

H21.2.20

(千円)

H22.2.20

(千円)

H23.2.20

(千円)

財務キャッシュ・フロー ▲1,016,749 192,225 ▲110,129
差入保証金の差入による支出 ▲602,366 ▲11,057 ▲284,657
差入保証金の回収による収入 721,330 545,521 511,107

 この会社では、ショッピングセンターなどにテナントを出店しています。

 そのため財務キャッシュ・フローでは、差入保証金に関する活動が目立ちます。

 

 

 

2-6.気になる問題

 

 さて、いくつかの問題も見受けられたのでまとめて解説していきます。

 

2-6-1.たな卸資産回転比率が低い

 

 

 

H21.2.20

(回転)

H22.2.20

(回転)

H23.2.20

(回転)

たな卸資産回転比率 8.64 11.98 11.87

 小売業の平均的なたな卸資産回転比率は20回転と言われていますが、この会社は11.87回転しかありません。

 たな卸資産は総資産の20.0%なので、在庫が過剰とはいえません。

 洋服やバックなどの高額品を扱っているので平均よりは低くなる傾向があるかもしれませんが、それでも11.87回転という低さは気になるところです。

 

2-6-2.東日本大震災への影響

 

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災の影響により、店舗や商品に被害が発生しました。そのため、災害損失として翌年度事業に特別損失を計上する見込みです。

 また、この震災の影響で一部の店舗が通常通り営業することができず、業績への影響については現時点で見積もることが困難とのことです。

 

 

 

 

3.2011年3月に株を取得

 


 

 割安株であったことに加えて東日本大震災の影響で株価が大きく値下がりをしたため、2011年3月に同社の株を平均310円で購入しました。

 しかしそれ以降も株価は値下がりを続け、一時は17%以上の含み損を抱えました。そのストレスに耐えることができなかったことや、東日本大震災の影響による業績への懸念から2011年5月に平均280円で損切をする羽目になったのです。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが、現在の株価です。

 

 2012年4月の高値をピークに、2016年6月まで株価は下降トレンドを続けています。

 そして、2016年7月から株価は上昇トレンドを描いています。

 

 業績について見てみると・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.2

(実績)

39,653 375 637 1,030 85.5
14.2

(実績)

36,292 ▲481 ▲429 ▲2,244 ▲186.3
15.2

(実績)

31,875 ▲725 ▲662 ▲2,186 ▲181.5
16.2

(実績)

27,302 136 188 ▲313 ▲26.0
17.2

(実績)

24,693 627 645 324 26.9
18.2

(予想)

23,000 750 760 900 74.7
19.2

(予想)

24,000 850 860  500 41.5

 売上高の減少に伴い2014年2月期から再び赤字業績に転落をしています。

 しかし、2017年2月期から黒字業績に転換をし、2018年2月期以降もV字回復が続く予想になっています。

 最近発売された会社四季報(2018年1集 新春号)の材料記事には「在庫削減は継続」と気になる一文があります。これが、業績悪化の要因になっていたのでしょうか?

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 小売業, 業種別

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