優良株、アイフィスジャパン(7833)に投資をしたときのお話

      2018/04/07

 会社四季報(2012年2集 春号)が発売された当時、優良株なのに割安に放置されていた銘柄を発見しました。それは、アイフィスジャパン(7833)です。

 PERは10.2倍、PBRは0.92倍と少し割安性に欠けるように感じますが、この会社のすごさはファンダメンタルズに隠されていたのです。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.売上高が年々減少

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.売上高が年々減少

 2-2.事業の内容

 2-3.販売実績

 2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金が増えている

  2-4-2.工具、器具及び備品(純額)が減少している

  2-4-3.ソフトウェアが減っている

  2-4-4.関係会社出資金が増えている

  2-4-5.支払手形がない

  2-4-6.固定負債がない

  2-4-7.自己株式が減っている

  2-4-8.金融資産が多い

  2-4-9.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

  2-4-10.無形固定資産の取得が中心

 2-5.気になる問題

  2-5-1.貸付金が多い

3.2012年3月から株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2012年2集 春号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「投資情報は検索システムなど落ちるが債権ニュース支える。投資信託関連は震災による需要停滞が解消。印刷関連も下期にかけシステム提供伸びる。労務費削減、海外への業務委託効き連続営業増益。」と非常に明るい内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は79.1%と強固な財務体質です。

 有利子負債はなく、無借金経営が行われています。

 資本金381百万円に対し、利益剰余金は808百万円です。

 また、時価総額15.1億円に対して現金同等物は13億円もあります。

 

 

 

1-3.売上高が年々減少

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

07.12

(実績)

3,519 431 408 166 16.81
08.12

(実績)

3,475 274 280 85 8.41
09.12

(実績)

2,964 71 89 36 3.57
10.12

(実績)

2,699 110 122 84 8.45
11.12

(実績)

2,446 179 181 124 12.73
12.12

(予想)

2,600 210 210 140 14.53
13.12

(予想)

2,700 250 250 160 16.61

 2007年12月期に比べると、2011年12月期の売上高は3割も減少しています。しかし、毎年黒字を確保している優良企業です。

 そして、2012年12月期以降からは売上高も利益も回復することを予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第17期(平成23年1年1日-平成23年12月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.売上高が年々減少

 

  平成19年12月 平成20年12月 平成21年12月 平成22年12月 平成23年12月
売上高
(千円)
3,519,715 3,475,760 2,964,124 2,699,584 2,446,063
経常利益
(千円)
408,825 280,077 89,783 122,526 181,123
総資産額
(千円)
2,182,352 1,936,187 1,944,588 1,958,305 1,958,458
自己資本比率
(%)
63.9 75.2 74.2 76.2 79.1
従業員数
(人)
83 92 127 86 88

 売上高が年々減少をしています。けど、平成22年12月期から従業員数が86人にまで減り、経常利益が改善しています。

 総資産額はほとんど変わりませんが、自己資本比率は上がっています。黒字業績で純資産が増加したためと考えられます。

 

 

 

2-2.事業の内容

 

 この会社の事業は、投資情報事業、ドキュメントソリューション事業、ファンドディスクロージャー事業の3つで構成されています。

 

セグメント 主要サービス
投資情報事業 インターネットを利用した金融市場情報提供サービス

上場企業に関する財務データ提供サービス

ファンド関連データベース構築サービス

ドキュメントソリューション事業 金融ドキュメント処理に関するソリューション提供サービス

IRコンサルティングサービス

ファンドディスクロージャー事業 投資信託にかかる目論見書・販売促進用ツール等の編集・印刷・配送サービス

EDINET提出用データ作成サービス

ファンド関連書類作成ASP提供サービス

 

 

 

2-3.販売実績

 

セグメントの名称 販売高

(千円)

割合

(%)

ファンドディスクロージャー事業 931,550 38.1
ドキュメントソリューション事業 917,744 37.5
投資情報事業 596,768 24.4
合計 2,446,063  

 この会社では、ファンドディスクロージャー事業の売上高が一番高くなっています。

 

 

 

2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-4-1.現金及び預金が増えている

 

 

 

H21.12.31

(千円)

割合

(%)

H22.12.31

(千円)

割合

(%)

H23.12.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 1,067,688 54.9% 1,199,047 61.2% 1,351,933 69.0%
総資産合計 1,944,580   1,958,297   1,958,451  

 3期に渡り、現金及び預金が増えています。

 連結財務3表で確認をすると、平成22年12月期及び平成23年12月期とも営業キャッシュ・フローから十分な資金を得られたために増えています。

 

2-4-2.工具、器具及び備品(純額)が減少している

 

 

 

H21.12.31

(千円)

割合

(%)

H22.12.31

(千円)

割合

(%)

H23.12.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 工具、器具及び備品(純額) 42,787 2.2% 29,169 1.5% 23,468 1.2%
総資産合計 1,944,580   1,958,297   1,958,451  

 有形固定資産の中では、工具、器具及び備品(純額)の減少が目立ちます。

 平成22年12月期及び平成23年12月期とも、多額の減価償却費を計上したことが要因で減少しています。

 ちなみに、この会社の有形固定資産は耐用年数が4年~15年になっています。耐用年数が短いため、減価償却費も多額になると考えられます。

 

2-4-3.ソフトウェアが減っている

 

 

 

H21.12.31

(千円)

割合

(%)

H22.12.31

(千円)

割合

(%)

H23.12.31

(千円)

割合

(%)

無形固定資産            
 ソフトウェア 386,944 19.9% 292,217 14.9% 200,506 10.2%
総資産合計 1,944,580   1,958,297   1,958,451  

 ソフトウェアが平成23年12月期には200,506千円にまで減っています。

 このソフトウェアは自社で使用しているものであり、利用可能期間は5年間のようです。 

 ちなみに、このソフトウェアの減価償却費から多額の営業キャッシュ・フローが生まれています。

 

2-4-4.関係会社出資金が増えている

 

 

 

H21.12.31

(千円)

割合

(%)

H22.12.31

(千円)

割合

(%)

H23.12.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 関係会社出資金 0 0.0% 12,630 0.6% 21,834 1.1%
総資産合計 1,944,580   1,958,297   1,958,451  

 関係会社出資金が年々増え、平成23年12月期には総資産の1.1%を占めています。

 出資先やその目的などについて調べてみましたが、分かりませんでした。

 

2-4-5.支払手形がない

 

 この会社には支払手形がありません。

 企業の短期的な支払能力を表す当座比率(一般に、100%あればよいといわれています)は、443%もあります。

 これだけ資金繰りに余裕があれば、支払手形がないこともうなずけます。

 

2-4-6.固定負債がない

 

 

 

H21.12.31

(千円)

割合

(%)

H22.12.31

(千円)

割合

(%)

H23.12.31

(千円)

割合

(%)

固定負債合計 26,721 1.4% 3,816 0.2% 2,912 0.1%
総資産合計 1,944,580   1,958,297   1,958,451  

 厳密に言うと、固定負債は総資産のたったの0.1%だけです。

 金額にすると、一般サラリーマンの年収以下です。もはや、驚愕の一言に尽きます。

 

2-4-7.自己株式が減っている

 

 

 

H21.12.31

(千円)

割合

(%)

H22.12.31

(千円)

割合

(%)

H23.12.31

(千円)

割合

(%)

純資産の部            
 自己株式 ▲25,485 ▲1.3% ▲36,584 ▲1.9% ▲77,912 ▲4.0%
総資産合計 1,944,580   1,958,297   1,958,451  

 純資産の部に計上されている自己株式のマイナスが増えています。

 「もしや・・・」と思い自己株式について調べてみると・・・

 

 

 

H21.12.31

(株)

割合

(%)

H22.12.31

(株)

割合

(%)

H23.12.31

(株)

割合

(%)

自己株式数 929 1.9% 1,332 2.7% 2,911 5.8%
発行済株式数 49,900   49,900   49,900  

 何と、3年連続で自己株式を取得していました。

 一般に自己株式の取得を行うということは、会社自身が将来は明るいと考えていたり、他に投資をするよりも会社自身に投資をする方がよいと考えているためです。

 そのため、自己株式の取得は私にとって好材料の1つです。

 

2-4-8.金融資産が多い

 

 

 

H21.12.31

(千円)

割合

(%)

H22.12.31

(千円)

割合

(%)

H23.12.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 1,067,688 54.9% 1,199,047 61.2% 1,351,933 69.0%
 受取手形及び売掛金 239,858 12.3% 275,765 14.1% 211,713 10.8%
投資その他の資産            
 投資有価証券 10,000 0.5% 15,190 0.8% 14,406 0.7%
 差入保証金 85,286 4.4% 69,113 3.5% 49,622 2.5%
金融資産合計 1,402,832 72.1% 1,559,115 79.6% 1,627,674 83.1%
総資産合計 1,944,580   1,958,297   1,958,451  

 現金及び預金等の金融資産が1,627,674千円もあり、総資産の83.1%を占めています。

 また、現金及び預金だけで総資産の69.0%を占めるほどキャッシュリッチな会社です。

 これだけ金融資産が贅沢な会社は、滅多にお目にかかれません。

 

2-4-9.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

 

 当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素の差額について確認をしてみると・・・

 

 

 

H21.12.31

(千円)

H22.12.31

(千円)

H23.12.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 147,094 296,350 255,725
当期純利益 36,282 84,248 124,088
差額 110,812 212,102 131,637

 と、しっかりキャッシュの裏付けがある利益を確保していることが確認できました。

 

2-4-10.無形固定資産の取得が中心

 

 

 

H21.12.31

(千円)

H22.12.31

(千円)

H23.12.31

(千円)

投資キャッシュ・フロー 20,853 ▲70,234 ▲49,360
無形固定資産の取得による支出 ▲62,637 ▲18,073 ▲41,057

 この会社の場合、投資キャッシュ・フローではソフトウェアなどの無形固定資産の取得が中心になっています。

 

 

 

2-5.気になる問題

 

 さて、ここまで会社の魅力についてご紹介してきましたが、気になる問題も見つかったのでそれについて取り上げたいと思います。

 

2-5-1.貸付金が多い

 

 

 

H21.12.31

(千円)

割合

(%)

H22.12.31

(千円)

割合

(%)

H23.12.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 関係会社短期貸付金 0 0.0% 35,369 1.9% 36,077 2.0%
固定資産            
 関係会社長期貸付金 156,000 8.4% 102,407 5.4% 66,329 3.6%
総資産合計 1,856,721   1,897,066   1,844,278  

 単独貸借対照表も確認を行いましたが、この会社には関係会社への貸付金があります。

 短期貸付金と長期貸付金があり、いずれも総資産の1%を超えています。

 貸付先や貸付け理由などについて詳しく調べてみたものの、わかりませんでした。

 

 

 

 

3.2012年3月から株を取得

 


 

 すっかりこの会社のファンダメンタルズに魅せられた私は、2012年3月から2012年5月にかけて同社の株を平均108円で取得しました。

 それから半年以上が過ぎるとだいぶ含み益が出てきたことや、PBRも1倍を超えたため、2012年12月に同社の株を平均165円で売却をしました。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが、現在の株価です。

 

 私は2012年12月に平均165円で売却をしましたが、現在では約3.6倍もの株価になっています。

 

 そして業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

14.12

(実績)

3,708 380 392 265 27.53
15.12

(実績)

4,241 582 594 381 39.47
16.12

(実績)

4,596 588 592 373 38.66
17.12

(予想)

4,850 680 680 430 44.51
18.12

(予想)

5,100 750 750 470 48.66

 売上高も利益も倍近くに増えています。すばらしい躍進です。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

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