割安株、西菱電機(4341)の苦い思い出

      2018/04/09

 今回は、2012年3月に投資を行った西菱電機(4341)に関する記事です。

 この会社は会社四季報(2012年1集 新春号)で見つけた銘柄であり、PER13.3倍、PBR0.38倍の割安銘柄でした。

 ファンダメンタルズの分析を行って購入をしたまでは良かったのですが、結果的に値上がりチャンスを逃がしてしまいました。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.黒字続きの業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.現金及び預金が増減している

  2-3-2.受取手形及び売掛金が多い

  2-3-3.建物及び構築物(純額)が減っている

  2-3-4.機械装置及び運搬具(純額)が減っている

  2-3-5.買掛金が多い

  2-3-6.その他が増えている

3.2012年3月に株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、会社四季報(2012年1集 新春号)から会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「情報通信システムは空港、道路向け大口寄与。携帯電話修理も新規受注効果。ただ開発費、人件費が想定以上に増え営業増益幅縮小。減損等一服。13年3月期は情報通信システム、携帯電話修理が続伸。」と明るい記事内容になっています。

 また材料記事では「12年3月期の開発費は前期比2倍超の1億円に。民間企業向けの新商材開発を強化。約70人の携帯電話小売り営業要員を増員、スマートフォン拡販に備える。」と業績拡大が期待できそうな内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は74.0%もあり、安全性は十分です。

 有利子負債はなく、無借金経営が行われています。

 資本金523百万円に対し、利益剰余金は3,537百万円もあります。

 また、日本一の個人投資家と言われていた竹田和平さんが大株主になっていました。

 

 

 

1-3.黒字続きの業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

07.3

(実績)

16,855 707 639 313 89.5
08.3

(実績)

16,674 611 598 202 57.8
09.3

(実績)

15,053 624 622 322 92.1
10.3

(実績)

15,953 717 673 334 95.5
11.3

(実績)

13,666 268 241 74 21.2
12.3

(予想)

15,000 300 270 130 37.2
13.3

(予想)

16,000 400 380 190 54.3

 売上高は年々減少しているものの、2012年3月期から業績が回復する予想になっています。そして、毎年黒字を確保している優良企業です。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第45期(平成22年4年1日-平成23年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 この会社では、携帯情報通信端末の販売及び修理並びに映像を含む情報通信機器及びシステムの販売・保守・運用を行っています。

 

セグメントの名称 事業内容
情報通信

端末事業

携帯情報通信端末の販売

携帯電話の修理再生及び品質管理支援

パーソナルコンピューター及び関連商品の販売並びに修理・再生

情報通信

システム事業

官公庁向け情報通信機器及びシステムの販売並びに販売支援

民間会社向け情報通信機器及びシステムの販売

情報通信機器及びシステムの据付、保守、修理、運用等の技術サービス

 

 

 

2-2.販売実績

 

セグメントの名称 売上高(千円) 割合(%)
情報通信端末事業 5,800,029 42.4
情報通信システム事業 7,866,040 57.6
合計 13,666,069

 この会社では、情報通信システム事業が売上高の57.6%を占めています。

 

相手先 販売額(千円) 割合(%)
三菱電機株式会社 1,403,432 10.3
株式会社ダイヤモンドテレコム 3,908,507 28.6

 また、主な販売先は株式会社ダイヤモンドテレコムで、売上高の28.6%を占めています。

 

 

 

2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて解説します。

 

2-3-1.現金及び預金が増減している

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産
 現金及び預金 957,683 11.2% 1,350,863 13.9% 1,071,650 12.8%
総資産合計 8,518,403 9,717,731 8,347,319

 現金及び預金が増減しています。連結財務3表で確認をすると、平成22年3月期は主に黒字業績によって増え、平成23年3月期は配当金の支払いや流動負債の支払いで減ったと考えられます。

 

2-3-2.受取手形及び売掛金が多い

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産
 受取手形及び売掛金 3,906,289 45.9% 5,094,927 52.4% 4,193,717 50.2%
総資産合計 8,518,403 9,717,731 8,347,319

 受取手形及び売掛金が4,193,717千円もあり、総資産の50.2%を占めています。

 

相手先

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

三菱電機
株式会社
465,804 11.9% 598,136 11.7% 447,320 10.7%
株式会社
ダイヤモンドテレコム
391,398 10.0% 368,441 7.2% 485,512 11.6%
近畿地方整備局 368,386 9.4% 545,769 10.7% 267,183 6.4%

 受取手形及び売掛金の相手先について調べてみると、ダイヤモンドテレコムが11.6%を占め、次に三菱電機が10.7%を占めていました。

 

 また、ダウンロードした財務データの変動額を見てもらえれば一目瞭然ですが、流動資産の受取手形及び売掛金と流動負債の買掛金はほぼ連動しています。

 

2-3-3.建物及び構築物(純額)が減っている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産
 建物及び構築物(純額) 779,605 9.2% 675,052 6.9% 602,000 7.2%
総資産合計 8,518,403 9,717,731 8,347,319

 建物及び構築物(純額)が年々減っています。平成22年3月期は清水出張の建物を売却したために減り、平成23年3月期は減損損失を計上したために減っています。

 

2-3-4.機械装置及び運搬具(純額)が減っている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産
 機械装置及び運搬具(純額) 304,401 3.6% 188,332 1.9% 126,199 1.5%
総資産合計 8,518,403 9,717,731 8,347,319

 機械装置及び運搬具(純額)が年々減っています。平成22年3月期及び平成23年3月期とも多額の減価償却費を計上したために減っています。

 

2-3-5.買掛金が多い

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債
 買掛金 2,441,888 28.7% 3,513,268 36.2% 2,613,383 31.3%
総資産合計 8,518,403 9,717,731 8,347,319

 買掛金が2,613,383千円もあり、総資産の31.3%を占めています。

 

相手先

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

三菱電機
株式会社
1,335,487 54.7% 1,766,470 50.3% 1,190,095 45.5%
株式会社
ダイヤモンドテレコム
252,801 10.4% 257,084 7.3% 353,391 13.5%

 買掛金の相手先について調べてみると、三菱電機が45.5%を占め、次にダイヤモンドテレコムが13.5%を占めていました。

 

2-3-6.その他が増えている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債
 その他 457,917 5.4% 452,865 4.7% 654,517 7.8%
総資産合計 8,518,403 9,717,731 8,347,319

 流動負債のその他が平成23年3月期には654,517千円にまで増え、総資産の7.8%を占めています。

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債
 前受金 92,338 1.1% 92,444 1.0% 314,974 4.0%
総資産合計 8,176,644 9,351,410 7,911,624

 単独貸借対照表から増えた内訳を調べてみると、前受金が増えたためと考えられます。

 前受金とは、手付金や内金といったようなもので、商品の仕入れや販売の際に商品代金の一部を先に支払ったり受け取ったりしたときに使用する勘定科目です。もう少し説明を付け加えると、いわゆる将来の売上高のようなものです。

 これが増えているということは将来の売上高が約束されたようなものであるため、私は注目しています。

 

 

 

 

3.2012年3月に株を取得

 


 

 私はこの会社の株を2012年3月に1株平均476円で購入しました。

 しかし、2012年5月になると市場の弱気相場が始まり、多くの銘柄が値下がりをしたのです。そのため私は他の割安な銘柄に浮気をしてしまい、同社の株を平均465円で損切をしてしまいました。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが、現在の株価です。

 

 私は2012年5月に同社の株を売ってしまいましたが、その後すぐに株価は上昇をしています。そして、現在では倍以上の株価になっています。

 そして業績は・・・。

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

18,508 664 655 444 127.0
14.3

(実績)

25,926 1,155 1,137 652 186.6
15.3

(実績)

22,046 295 281 139 39.8
16.3

(実績)

20,738 262 250 144 41.2
17.3

(実績)

20,630 130 169 67 19.3
18.3

(予想)

22,500 310 300 160 45.7
19.3

(予想)

24,500 340 330 200 57.2

 売上高及び利益とも倍近くに伸びています。

 もしあの時に別の銘柄に浮気をせず現在も保有していれば、今頃大きな含み益を抱えることができたはずです。

 非常に残念なことをしてしまいました・・・(;´Д`)

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - サービス業, 業種別

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。