割安株、タイガースポリマー(4231)に投資をしたときのお話

      2018/04/09

 2012年10月、当時の会社四季報(2013年3集 夏号)である銘柄を見つけました。それが、タイガースポリマー(4231)です。

 PER6.1倍、PBR0.33倍の超割感に思わず反応をし、早速、ファンダメンタルズについて分析をしました。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.改善傾向にある業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.販売実績

 2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.現金及び預金が増減している

  2-3-2.たな卸資産が増えている

  2-3-3.その他が増えている

  2-3-4.有形固定資産が減少している

  2-3-5.投資有価証券が増えている

  2-3-6.為替換算調整勘定のマイナスが増えている

  2-3-7.金融資産が多い

  2-3-8.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

3.2012年10月に株を取得

4.現在の株価と業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2013年3集 夏号)から、会社のチェックポイントについて解説していきます。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は、「ホース、ゴムシートは材料費ジリ高で弱含み。が、主力の自動車成型品が北米向け拡大、タイ工場浸水から平常化しアジア向け上向く。稼働率上昇し営業益反発。洪水保険金特益見込む。8円に増配。」と明るい内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は69.6%もあり、安全性は十分です。

 有利子負債は1,300百万円ありますが、総資産の4.8%程度なので問題はありません。

 資本金4,149百万円に対し、利益剰余金は12,363百万円です。

 現金同等物51.1億円を所有しているこの会社の時価総額は、60.9億円。割安です。

 

 

 

1-3.改善傾向にある業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

08.3

(実績)

34,915 1,800 1,817 800 40.0
09.3

(実績)

30,641 518 594 ▲19 ▲1.0
10.3

(実績)

24,929 391 456 209 10.5
11.3

(実績)

27,663 1,691 1,696 953 47.7
12.3

(実績)

27,116 819 895 433 21.7
13.3

(予想)

29,000 1,200 1,200 1,000 50.0
14.3

(予想)

30,000 1,800 1,800 1,050 52.5

 2010年3月期まで売上高は減少しているものの、そこから徐々に業績は回復しています。

 2009年3月期は赤字業績になっていますが、どうやら特別損失を計上したためのようです。

 全期間を通して経常利益まで黒字を出している優良企業です。けど、営業利益の増減が気になるところです。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第70期(平成23年4年1日-平成24年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 会社の事業内容は3つの部門で構成されており、部品や部品素材の製造を行っています。

 

ホース 家電用ホース(掃除機用・洗濯機用・エアコン用のホース)及び産業用ホース(一般作業用・土木建築用・住宅用ホース)を製造・販売
ゴムシート シート(パッキング料・緩衝材等として使用)及びマット(主として玄関用)を製造・販売
成型品 ゴム成形品(ゴムを主原料とし、押出成形・プレス成形した製品)を主とし、自動車部品として製造・販売

 

 

 

2-2.販売実績

 

セグメントの名称 販売高(千円) 割合(%)
日本 17,263,999 63.7
米国 6,275,100 23.1
東南アジア 1,511,536 5.6
中国 2,065,637 7.6
合計 27,116,275  

 この会社は海外でも販売事業を行っており、日本に次いでアメリカでの販売が多くなっています。それ以外にも、中国や東南アジアでも販売を行っています。

 

相手先 販売高(千円) 割合(%)
本田技研工業株式会社 9,960,156 36.7

 また、主な取引先は本田技研工業株式会社になっており、売上高の36.7%を占めています。

 

 

 

2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-3-1.現金及び預金が増減している

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 7,018,601 26.8% 8,026,258 29.9% 7,182,550 26.9%
総資産合計 26,145,235   26,826,604   26,713,065  

 平成23年3月期には、現金及び預金が増えています。そして、平成24年3月期には減少しています。

 連結財務3表で確認をすると、平成24年3月期に減少した理由は、流動資産のその他に振替えられたことと、純資産の部に計上されている為替換算調整勘定のマイナスが増えたためだと考えられます。

 ※ 為替換算調整勘定については、後ほど説明します。

 

2-3-2.たな卸資産が増えている

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 商品及び製品 1,097,962 4.2% 1,320,635 4.9% 1,391,694 5.2%
 仕掛品 182,081 0.7% 214,185 0.8% 203,710 0.8%
 原材料及び貯蔵品 746,085 2.9% 840,417 3.1% 906,964 3.4%
たな卸資産合計 2,026,128 7.7% 2,375,237 8.9% 2,502,368 9.4%
総資産合計 26,145,235   26,826,604   26,713,065  

 たな卸資産が年々増えています。たな卸資産回転比率を見てみると・・・

 

 

 

H22.3.31

(回転)

H23.3.31

(回転)

H24.3.31

(回転)

たな卸資産回転比率 12.30 11.60 10.80

 回転率は年々悪くなり、平成24年3月期は10.8回転にまで低下しています。しかし、製造業の平均は10回転なので問題はないでしょう。

 

2-3-3.その他が増えている

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 その他 274,538 1.1% 264,174 1.0% 949,459 3.6%
総資産合計 26,145,235   26,826,604   26,713,065  

 流動資産に計上されているその他が平成24年3月期には949,459千円にまで増え、総資産の3.6%を占めるようになっています。

 単独貸借対照表で確認をしたところ、主に未収入金が増えたためだと思われます。

 

2-3-4.有形固定資産が減少している

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物及び構築物(純額) 3,214,196 12.3% 2,885,891 10.8% 2,883,422 10.8%
 機械装置及び運搬具(純額) 2,764,930 10.6% 1,981,998 7.4% 1,685,294 6.3%
総資産合計 26,145,235   26,826,604   26,713,065  

 有形固定資産の建物及び構築物(純額)と、機械装置及び運搬具(純額)が減少しています。

 平成23年3月期に建物及び構築物(純額)と、機械装置及び運搬具(純額)が減少した理由については正直、わかりませんでした。

 平成24年3月期に機械装置及び運搬具(純額)が減少した理由は、タイの洪水と東日本大震災の影響による損失を計上したためと思われます。

 

2-3-5.投資有価証券が増えている

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 1,305,546 5.0% 1,429,695 5.3% 1,490,165 5.6%
総資産合計 26,145,235   26,826,604   26,713,065  

 年々、投資有価証券が増えています。平成23年3月期は新たに投資有価証券を購入したことで増え、平成24年3月期は保有銘柄の時価総額が上昇したことで増えたと思われます。

 

2-3-6.為替換算調整勘定のマイナスが増えている

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

その他の包括利益累計額            
 為替換算調整勘定 ▲1168,847 ▲4.5% ▲1,665,043 ▲6.2% ▲1,932,382 ▲7.2%
総資産合計 26,145,235   26,826,604   26,713,065  

 この会社では、純資産の部に為替換算調整勘定が計上されています。この勘定科目は海外に子会社を有している場合に計上され、日本の親会社がこれを決算で連結する際に円に換算する(例えば、ドルから円へ)ためのものです。

 この会社の場合、2期連続でマイナス幅が大きくなっています。どうやら、円高が進行したことで損失が膨らんだためのようです。

 そのため、せっかく売上高から得られた利益がこの為替換算調整勘定のマイナス分で台無しになっています。

 

2-3-7.金融資産が多い

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 7,018,601 26.8% 8,026,258 29.9% 7,182,550 26.9%
 受取手形及び売掛金 6,173,067 23.6% 6,209,286 23.1% 6,551,432 24.5%
投資その他の資産            
 投資有価証券 1,305,546 5.0% 1,429,695 5.3% 1,490,165 5.6%
金融資産合計 14,497,214 55.4% 15,665,239 58.4% 15,224,147 57.0%
総資産合計 26,145,235   26,826,604   26,713,065  

 現金及び預金等の金融資産が15,224,147千円もあり、総資産の57.0%も占めています。

 ちなみに、この会社の当座比率は226%もあります。

 

2-3-8.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

 

 当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素の差額について確認をしてみると・・・

 

 

 

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

H24.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 2,430,838 3,112,279 845,386
当期純利益 209,769 953,998 433,572
差額 2,221,069 2,158,281 411,814

 と、しっかりキャッシュの裏付けがある黒字を確保していることが確認できました。

 

 

 

 

3.2012年10月に株を取得

 


 

 さて、ここまで同社のファンダメンタルズの分析を行い、たな卸資産の増加が気になるものの、PER6.1倍、PBR0.33倍という安さにすっかり魅せられました。

 私は、2012年10月に同社の株を平均275円で購入しました。株を購入して半年近く経った2013年3月、だいぶ含み益が出たことで利益確定をしたくなり、1株平均410円で売ってしまったのです。

 

 

 

 

4.現在の株価と業績

 


 

 こちらが現在のチャートになります。

 

 2013年3月の株価から現在では倍以上に上がっています。そして、現在の業績は・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

29,564 665 889 709 35.4
14.3

(実績)

35,182 1,522 1,483 808 40.4
15.3

(実績)

40,615 2,363 2,763 2,022 101.1
16.3

(実績)

39,698 2,535 2,589 1,873 93.6
17.3

(実績)

40,520 2,796 3,047 2,129 106.5
18.3

(予想)

41,000 2,700 2,800 2,000 100.0
19.3

(予想)

42,000 2,800 2,900 2,070 103.5

 売上高も利益も倍以上に伸びていますね。お見事です!!

 今にして思えば、せっかく安く購入した同社の株を早く売ってしまい、非常に欲しいことをしてしまいました。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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