割安株、リーダー電子(6867)での失敗談について

      2018/04/09

 今回は、銘柄選定で失敗をしたときの記事です。

 会社四季報(2012年1集 新春号)を読んでいた当時、PBRが0.27倍という割安性からリーダー電子(6867)に注目をしていました。

 業績は悪く改善の見通しがなかったにも関わらず、強固な財務体質と底値圏にあった株価の誘惑に負けてしまい、同社の株を購入してしまったのです。しかし、のちに損切をする羽目になってしまいました。

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目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.暗い記事

 1-2.財務内容

 1-3.赤字続きの業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.売上高が減少している

 2-2.事業の内容

 2-3.人材の扱いについて

 2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.現金及び預金が減少している

  2-4-2.受取手形及び売掛金が減少している

  2-4-3.たな卸資産回転比率が低く、たな卸資産が増えている

  2-4-4.金融資産が多い

  2-4-5.当期純利益も営業キャッシュ・フロー利益要素も赤字

3.2012年3月に株を取得

4.最近の株価

 

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 当時、発売された会社四季報(2012年1集 新春号)から、どこに注目をしていたのかについて解説します。

 

 

 

1-1.暗い記事

 

 業績記事は「顧客の投資抑制受け総じて想定以上に低調。電波関連が地デジ受信工事向け一服。主力のビデオ関連は円高背景に海外品との競合激化で粗利低下傾向。営業赤字幅拡大。無配転落も。13年3月期は低価格新商品で需要喚起でも大幅回復は至難。」と、先行きの暗い内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は68.3%もあるので、安全性は十分です。

 有利子負債は366百万円あり、総資産6,964百万円の5.2%しか占めていません。

 興味深いことに、当時日本一の個人投資家として有名な竹田和平さんが大株主になっていました。

 

 

 

1-3.赤字続きの業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

07.3

(実績)

8,069 1,166 1,197 663 159.2
08.3

(実績)

7,889 787 835 535 128.5
09.3

(実績)

5,049 ▲593 ▲526 ▲1,258 ▲302.1
10.3

(実績)

3,563 ▲507 ▲423 ▲435 ▲104.6
11.3

(実績)

3,712 ▲375 ▲274 ▲282 ▲67.8
12.3

(予想)

3,000 ▲850 ▲740 ▲630 ▲151.3
13.3

(予想)

3,200 ▲750 ▲650 ▲650 ▲156.2

 売上高は減少していますが、2013年3月期から増加することを予想する業績内容になっています。しかし、赤字業績がそれ以降も続き、先行きの暗い内容です。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第58期(平成23年4年1日-平成24年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.売上高が減少している

 

  平成20年3月 平成21年3月 平成22年3月 平成23年3月 平成24年3月
売上高
(千円)
7,889,177 5,049,679 3,563,057 3,712,353 3,018,924
総資産額
(千円)
11,160,507 8,763,210 8,110,043 7,427,756 6,668,375
自己資本比率
(%)
70.8 69.9 69.5 70.2 69.2
従業員数
(人)
263 266 243 234 224

 5期に渡り、売上高が減少しています。それに伴い、総資産額も減っています。

 事業のスリム化を行っているように思われますが、従業員数はあまり減っているようには感じられません。

 また、自己資本比率はほとんど変わっていません。

 

 

 

2-2.事業の内容

 

 この会社の事業は、テレビや映画など多岐にわたる電気計測器の製造や販売、開発を行っています。

 

 

 

2-3.人材の扱いについて

 

 人材の扱いについて、次のように説明がありました。「人材に関しましては技術者の流出を防ぎ、技術力を保持するため人員削減を行いません」

 先ほど、売上高が減少しているのにあまり従業員数が減っていないことについて触れましたが、このような理由があるためかもしれません。

 

 

 

2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-4-1.現金及び預金が減少している

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 3,085,459 38.0% 2,947,374 39.7% 2,229,230 33.4%
総資産合計 8,110,034   7,427,748   6,668,367  

 3期連続で、現金及び預金が減少しています。

 連結財務3表で確認をすると、売上高の減少で赤字業績に陥ったことが主な原因だと考えられます。

 

2-4-2.受取手形及び売掛金が減少している

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 受取手形及び売掛金 1,036,103 12.8% 775,269 10.4% 674,448 10.1%
総資産合計 8,110,034   7,427,748   6,668,367  

 3期連続で、受取手形及び売掛金が減少しています。

 連結財務3表で確認をすると、主に売上高が減少したためと考えられます。

 

2-4-3.たな卸資産回転比率が低く、たな卸資産が増えている

 

 

 

H22.3.31

(回転)

H23.3.31

(回転)

H24.3.31

(回転)

たな卸資産回転比率 4.34 4.76 3.01

 製造業の場合、平均的なたな卸資産回転比率は10回転ほどといわれています。

 しかしこの会社の場合、たな卸資産回転比率が4回転ほどしかなく、さらに平成24年3月期には3回転にまで低下しいています。

 

 たな卸資産を見てみると・・・

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

売上高 3,563,057   3,712,353   3,018,924  
流動資産            
 商品及び製品 259,988 3.2% 283,564 3.8% 365,384 5.5%
 仕掛品 215,195 2.7% 175,266 2.4% 248,953 3.7%
 原材料及び貯蔵品 344,769 4.3% 319,883 4.3% 385,776 5.8%
たな卸資産合計 819,952 10.1% 778,713 10.5% 1,000,113 15.0%
総資産合計 8,110,034   7,427,748   6,668,367  

 売上高は減少しているのに、たな卸資産が増えています。もしかすると、売上見込みを誤り、不良在庫を抱えてしまったのかもしれません。

 

2-4-4.金融資産が多い

 

 

 

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 3,085,459 38.0% 2,947,374 39.7% 2,229,230 33.4%
 受取手形及び売掛金 1,036,103 12.8% 775,269 10.4% 674,448 10.1%
投資その他の資産            
 投資有価証券 277,644 3.4% 273,253 3.7% 279,357 4.2%
金融資産合計 4,399,206 54.2% 3,995,896 53.8% 3,183,035 47.7%
総資産合計 8,110,034   7,427,748   6,668,367  

 金融資産は3,183,035千円もあり、総資産の47.7%も占めています。

 また現金及び預金だけでも2,229,230千円もあり、会社の負債合計2,055、007千円を上回る金額です。

 当座比率は384%もあるため、まだ倒産の心配はなさそうです。

 

2-4-5.当期純利益も営業キャッシュ・フロー利益要素も赤字

 

 

 

H27.3.31

(千円)

H28.3.31

(千円)

H29.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 ▲186,227 21,728 ▲494,646
当期純利益 ▲435,905 ▲282,226 ▲699,921
差額 249,678 303,954 205,275

 当期純利益も営業キャッシュ・フロー利益要素も赤字になっています。つまり、売上高で入ってきた現金預金よりも費用で出ていった分の方が多い状態です。

 早めに手を打つ必要があります。

 

 

 

 

3.2012年3月に株を取得

 


 

 売上高の減少や営業キャッシュ・フローの赤字など、いくつもの不安要素はありました。

 しかし、株価が底値圏で推移していることや十分な現金及び預金を保有していたこと、PBRが0.27倍の割安性という誘惑に負けてしまい、2012年3月に1株平均299円で同社の株を購入してしまったのです。

 そして、2012年7月に平成25年3月期第1四半期決算が発表されました。通期業績予想の変化はなかったものの、平成25年3月期第1四半期の売上高は前年度より18.6%も下がり、利益も10.6%も下がっていました。

 「これはやばい・・・」と思い、2012年8月に1株平均278円で損切を行ったのです。

 

 

 

 

4.最近の株価

 


 

 私は2012年8月に同社の株を売りましたが、最近の株価が気になったので調べてみることにしました。こちらが、そのチャートです。

 

 2017年6月に突如、株価が暴騰しています。何か業績に大きな変化があったのかと調べてみると、2017円6月26日に中期経営計画更新の発表を行っています。その際に4K・8K放送関連の設備需要について触れていますが、それが材料視されたのかもしれません。

 ちなみに、同社の株を保有していた平成24年3月期以降も赤字業績が続いています。それにより、ファンダメタルズも悪化しています。

 早く業績の回復を行い、会社を立て直しほしいものですね。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 電気機器

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