資産株、さくらKCS(4761)について

      2018/04/09

 今回は、情報サービス業のさくらKCS(4761)についてご紹介します。

 この会社は今後も業績に大きな変化の兆しは見られず、株価も大きく動くことはないと思います。

 しかしたくさんの資産を持っており、会社の経営はうまく行われているように感じたため銀行預金のかわりに資産株として保有するのも面白いと思いました。また、PERは29.1倍と割高ですが、PBRは0.5倍と割安です。

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.暗い記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.黒字続きの業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.取引先は大手

 2-3.業績の見通しについて

 2-4.事業等のリスク

 2-5.大株主は三井系

 2-6.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-6-1.3指標ともほとんど安定

  2-6-2.現金及び預金が増え、有価証券が減っている

  2-6-3.有形固定資産が少ない

  2-6-4.投資有価証券が増えている

  2-6-5.支払手形がない

  2-6-6.金融資産が多い

  2-6-7.利益の半分ほどが配当金で消えている

3.チャートから買いのタイミングを計る

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、会社四季報(2018年1集 新春号)で注目したポイントについて解説します。

 

 

 

1-1.暗い記事内容

 

 業績記事では「システム構築が柱の金融機関向け想定割れ。異次元緩和の出口見出せず、銀行顧客のIT投資意欲一段縮む。公共向け縮小も誤算。SE稼働率低下。一転、営業減益。19年3月期は銀行向け続落懸念。管理・営業部門の経費圧縮などでしのぐ」と、先行きの暗い内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は77.3%もあり、十分です。有利子負債はありません。

 また、現金同等物を65.3億円も持っているのに、時価総額は75.6億円と比較的割安です。

 

 

 

1-3.黒字続きの業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

20,941 502 569 258 23.0
14.3

(実績)

21,653 485 573 345 30.9
15.3

(実績)

22,492 150 244 136 12.2
16.3

(実績)

23,546 389 462 267 23.9
17.3

(実績)

23,066 417 489 317 28.3
18.3

(予想)

22,800 320 400 260 23.2
19.3

(予想)

22,700 450 530 360 32.1

 2015年3月期を除き、業績はほぼ安定した黒字が続いています。2018年3月期以降も、現在と同程度の業績を予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第49期(平成28年4年1日-平成29年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 会社の事業内容は、「金融関連部門」「公共関連部門」「産業関連部門」の3セグメントで情報サービスを提供しています。

 

 

 

2-2.取引先は大手

 

 会社の主要取引先は、三井住友ファイナンシャルグループ、富士通グループ、地方公共団体などの大手がメインとのことです。

 

 

 

2-3.業績の見通しについて

 

 金融関連ではマイナス金利政策の影響により、金融機関が投資を抑制している傾向のようです。しかし、公共関連では政府による自治体情報セキュリティ強化対策事業によって、兵庫県の自治体から仕事の受注が増加したそうです。

 今後、金融関連での業績は減少するかもしれませんが、公共関連では増加するかもしれません。

 また、業績拡大のためにヘルスケアビジネスや文教ビジネス(授業料などの学費収納)などの事業の拡大を行っているようです。

 

 

 

2-4.事業等のリスク

 

 会社の事業リスクとして売上高が集中する時期のことや、特手の取引先へ依存していること、取引先からの要求の複雑化等が生じた場合や大規模災害が発生した場合などを挙げていますが、あまり大したことはないように感じました。

 逆にいえば、それだけ魅力的な事業を行っているということかもしれません。

 

 

 

2-5.大株主は三井系

 

 大株主の状況を見てみると・・・

 

氏名又は名称 所有株式数
(千株)
発行済株式

総数に対する

所有株数

の割合(%)

株式会社三井住友銀行 3,193 28.51
三井住友ファイナンシャル&リース株式会社 1,980 17.67
富士通株式会社 1,550 13.83
さくらケーシーエス従業員持株会 1,368 12.22
株式会社みなと銀行 310 2.76

 三井系などの大手が大株主になっています。

 

 

 

2-6.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-6-1.3指標ともほとんど安定

 

 

 

H27.3.31

(回転)

H28.3.31

(回転)

H29.3.31

(回転)

売上債権回転比率 3.64 3.79 3.47
棚卸資産回転比率 35.99 57.43 47.76
買掛債務回転比率 9.76 14.21 10.29

 買掛債務回転比率が平成29年3月期に悪くなっているものの、3指標ともほとんど安定しています。うまく経営が行われているのかもしれません。

 

2-6-2.現金及び預金が増え、有価証券が減っている

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 4,426 20.7% 4,718 23.5% 6,538 31.1%
 有価証券 2,300 10.7% 2,000 10.0% 0 0.0%
総資産合計 21,418   20,066   21,000  

 平成29年3月期には現金及び預金が増え、有価証券がその分減っています。おそらく、有価証券を売却して現金に振替えたと思われます。

 

2-6-3.有形固定資産が少ない

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物及び構築物(純額) 930 4.3% 855 4.3% 881 4.2%
 工具、器具及び備品(純額) 44 0.2% 53 0.3% 56 0.3%
 土地 1,337 6.2% 1,337 6.7% 1,337 6.4%
 リース資産(純額) 1,079 5.0% 1,102 5.5% 940 4.5%
 建物仮勘定 29 0.1% 0 0.0% 57 0.3%
有形固定資産合計 3,419 16.0% 3,347 16.7% 3,271 15.6%
総資産合計 21,418   20,066   21,000  

 情報サービス業に属するため、有形固定資産は総資産の15%ほどしか占めていません。

 内訳について調べると、建物と土地のほとんどは神戸市中央区にある本社のものです。リース資産は大型コンピューター機器やパソコン、周辺機器であり、ほとんどが神戸市中央区にあるアウトソーシングで使用しているものです。

 また、この会社は土地と建物の一部を賃貸していて、賃借料は429百万円あるそうです。

 

2-6-4.投資有価証券が増えている

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 投資有価証券 1,402 6.5% 1,098 5.5% 1,355 6.5%
総資産合計 21,418   20,066   21,000  

 平成28年3月期に減った投資有価証券が、平成29年3月期にはふたたび増えています。どうやら、保有株式の時価評価が上がったためのようです。

 

2-6-5.支払手形がない

 

 仕入先などに代金を支払う際、手元に資金がなければ支払手形で支払うことがあります。

 そして、この会社には支払手形がありません。つまり、運転資金に余裕があるということです。

 ちなみに、銀行は決算書を見る際も支払手形があるかないかの確認を行います。なぜなら、支払手形があると不渡りをおこす可能性があり、その分リスクが高くなるためです。

 

2-6-6.金融資産が多い

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 4,426 20.7% 4,718 23.5% 6,538 31.1%
 受取手形及び売掛金 6,178 28.8% 6,215 31.0% 6,649 31.7%
 有価証券 2,300 10.7% 2,000 10.0% 0 0.0%
投資その他の資産            
 投資有価証券 1,402 6.5% 1,098 5.5% 1,355 6.5%
金融資産合計 14,306 66.8% 14,031 69.9% 14,542 69.2%
総資産合計 21,418   20,066   21,000  

 現金及び預金等の金融資産が14,542百万円もあり、総資産の70%近くを占めています。当座比率は300%もあるので倒産の心配は全くなさそうです。

 

2-6-7.利益の半分ほどが配当金で消えている

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

当期純利益 136 267 317
配当額 134 135 76
会社に残った利益 2 132 241

 会社の配当性向は41.3%です。そのため利益の半分ほどが配当金で消えてしまい、会社には思ったほど利益が残っていません(その分が株主に還元されています)。

 逆に考えれば、それは会社に十分な資産があるということかもしれません。

 

 

 

 

3.チャートから買いのタイミングを計る

 


 

 これが、現在のチャートです。この5年間、600円~700円の間で株価は推移しています。

 

 現在は700円を超えていますが、過去の値動きから考えると、そろそろ下降トレンドに入るかもしれません。

 私は、600円付近まで株価が下がるのを待ち続けたいと思います。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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