有望株、エノモト(6928)を発掘した方法

      2018/04/09

 当時発売された会社四季報(2014年3集 夏号)を何となく読んでいたとき、1つの銘柄に目がとまりました。それは、エノモト(6928)です。

 同社は電気機器株であり、当時PERは7.3倍、PBRは0.29倍と同業他社と比べても割安でした。

 その割安性から有価証券報告書でさらに詳しく調べてみると、今後業績拡大に向けてのある動きがあったのです。

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目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.改善傾向にある業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.事業構造改革の実施

 2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.現金及び預金が増えている

  2-3-2.短期借入金が増えている

  2-3-3.当期純利益は赤字だが、営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字

  2-3-4.投資キャッシュ・フローが増えている

3.2014年6月に株を取得

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、当時の会社四季報(2014年3集 夏号)で注目したポイントについて解説します。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事では「コネクター部品は顧客の内製化でスマホ向け数量減、競争激化で価格下落きつい。ただ、電装化進む車載用半導体リードフレームが伸長。前期実施した人員削減や国内工場統廃合の効果大。営業益改善。リストラ特損一巡し、最終黒字に。」と、リストラ効果によって業績改善が期待できそうな内容になっています。

 材料記事でも「リードフレーム等の金型製造は塩山工場、コネクター製造は東北2工場に集約。生産効率進め、価格競争に対応。」と、効率化に取り組んだ内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は50.4%もあり、問題はなさそうです。

 総資産額19,089百万円に対し、有利子負債は3,060百万円しかありませんでした。

 資本金4,149百万円に対し、利益剰余金は979百万円しかありませんでした。正直、あまり儲かっていない印象を受けました。

 

 

 

1-3.改善傾向にある業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

10.3

(実績)

15,795 46 40 67 4.4
11.3

(実績)

18,204 537 462 225 14.7
12.3

(実績)

17,,533 105 139 65 4.3
13.3

(実績)

16,405 ▲542 ▲574 ▲1,300 ▲84.8
14.3

(実績)

17,563 57 93 ▲713 ▲46.6
15.3

(予想)

17,300 580 540 380 24.8
16.3

(予想)

17,600 620 560 420 27.4

 2013年3月期は赤字業績ですが、そこからV字回復に進んで2016年3月期は最高益を予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第48期(平成25年4年1日-平成26年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 この会社の事業内容は、IC・トランジスタ用リードフレームやオプト用リードフレーム、コネクタ用部品や、それらの製造に使用する精密金型・周辺装置の製造・販売を行っています。

 

 

 

2-2.事業構造改革の実施

 

 業績の回復と成長軌道への回帰を図るため、事業構造改革の実施を行ったようです。

 2期にわたる事業構造改革の実施により、子会社の生産終了に伴う特別損失の計上と、人員削減のための特別損失の計上を行っています。

 そのため、来期は利益の出やすい体質に変わっていることを期待しました。

 

 

 

2-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-3-1.現金及び預金が増えている

 

 

 

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 1,349,316 7.4% 1,259,564 6.8% 1,953,873 10.2%
総資産合計 18,351,488   18,496,499   19,089,818  

 現金及び預金が増えています。詳しく調べてみると、純資産の部に計上されている為替換算調整勘定が大幅に増えていました。現金及び預金が増えたのは、そのためだと考えられます。

 

2-3-2.短期借入金が増えている

 

 

 

H24.3.31

(千円)

割合

(%)

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 722,180 3.9% 2,104,940 11.4% 1,989,040 10.4%
総資産合計 18,351,488   18,496,499   19,089,818  

 平成25年3月期に短期借入金が急激に増えています。どうやら、大幅な赤字業績に陥ったため資金を調達する必要から短期借入金が増えたと考えられます。

 

2-3-3.当期純利益は赤字だが、営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字

 

 

 

H24.3.31

(千円)

H25.3.31

(千円)

H26.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 1,114,642 305,395 385,551
当期純利益 65,824 ▲1,300,039 ▲713,999
差額 1,077,613 1,654,210 995,721

 平成25年3月期と平成26年3月期の当期純利益は赤字ですが、営業キャッシュ・フロー利益要素は黒字になっています。

 営業キャッシュ・フロー利益要素が黒字になっているのは、資金の流出を伴わない減価償却費や減損損失などを多く計上したためのようです。

 

2-3-4.投資キャッシュ・フローが増えている

 

  平成22年3月 平成23年3月 平成24年3月 平成25年3月 平成26年3月
投資キャッシュ・フロー
(千円)
▲267,134 ▲596,501 ▲743,415 ▲1,606,843 ▲94,828

 年々、投資キャッシュ・フローによる現金支出額が増えています。詳しく調べると、有形固定資産を取得するために資金を使用していました。

 「会社が設備投資に積極的になっているということは今後、外部環境が良くなって業績拡大が期待できるという勝算があるからに違いない」私はそう確信をし、この会社に投資を行うことを決めたのです。

 

 

 

 

3.2014年6月に株を取得

 


 

 2014年6月、私がこの株に注目していたとき株価は低迷を続けていました。それが、下のチャートです。

 

 そこで私は、まず1株平均196円で購入し、直近の安値である166円付近にまで株価が下がった後に全力買いをするつもりでした。

 しかし、株価は上昇を続けたのです。2014年11月に株価は270円にまで達しましたが、それでも割安であったことからまだ上昇の余地はあると思っていました。しかし、含み益が大きくなったため利益確保の誘惑に負けてしまい、株を売ってしまったのです。

 その後株価は更なる上昇を続け、2015年4月には579円の高値にまで上昇をしました。

 有価証券報告書で会社の分析を行い、会社が収益拡大に向けての設備投資を行っていることまで知っていたのに、私は早い利益確定をしてしまったのです。実に、惜しいことをしてしまいました。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 電気機器

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