割安株、ナフコ(2790)について分析をしてみる

      2018/04/10

 会社四季報(2018年1集 新春号)を読んでいたとき、1つの銘柄が目にとまりましいた。それは、ナフコ(2790)です。

 同社は九州、中国を中心に小売業を行っている会社です。PERは9.6倍、PBRは0.39倍と割安なうえ、外国人持株比率は23.9%もあります。

 そこで今回は、ナフコ(2790)についてご紹介します。

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目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容

 1-3.改善傾向にある業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.事業の内容

 2-2.経営方針

 2-3.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.当座比率が低い

  2-3-2.たな卸資産回転比率が低く、たな卸資産が多い

  2-3-3.総資産回転率が低い

  2-3-4.営業利益率は高い

  2-3-5.有利子負債合計と純資産合計の関係

  2-3-6.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

 2-4.売上高は増加しているものの・・・

3.投資は見送る

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 早速、会社四季報(2018年1集 新春号)から会社のチェックポイントについて解説します。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 業績記事は「出店4・退店6見込み店舗数純減(前期純増7)。資材・DIYは堅調。家具・日用品も底打つ。出店費抑制や不採算店閉鎖が寄与。光熱費減等効き営業増益。震災関連特損なくなり減損も減る。19年3月期も出店抑制など費用減効き連続増益。」と採算性重視の記事内容になっています。

 また、材料記事では「採算重視し出店抑制方針を継続。家具はNBと共同開発による独自品開発に注力。日用品のPB比率向上も狙う。」と、引き続き採算性を重視する内容になっています。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は61.4%もあるため、安全性は十分です。

 総資産222,936百万円に対し、有利子負債は28,767百万円です。総資産の10.2%しかなく、大型店を経営する会社にしいては少ない方だと思います。

 資本金3,538百万円に対し、利益剰余金は28,767百万円もあります。ここまでしっかり経営を行い、十分な利益を蓄えてきた印象を受けます。

 

 

 

1-3.改善傾向にある業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

224,122 11,253 11,558 6,825 229.2
14.3

(実績)

232,662 11,905 12,260 5,982 200.9
15.3

(実績)

222,254 7,306 7,672 4,019 134.9
16.3

(実績)

229,908 8,709 9,308 5,203 174.7
17.3

(実績)

231,040 8,733 9,170 4,358 146.3
18.3

(予想)

231,200 9,700 9,900 5,600 188.0
19.3

(予想)

233,000 10,300 10,500 6,000 201.4

 売上高は横ばいであるものの、2015年3月期から営業利益が減っています。しかし、2016年3月期から再び改善傾向にあり、2018年3月期以降もそれが続く見込みになっています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第48期(平成28年4年1日-平成29年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

資材・DIY・園芸用品 大工家具、建築金物、ペイント、左官用品、園芸用品、水道用品、エクステリア、木材、シェルフ、ルームアクセサリー、作業用品、グリーン、電材
生活用品 家庭用品、季節用品、収納用品、文具、日用品、調理家電、履物、食品、化粧品、アウトドア用品
家具・ホームファッション用品 家具、フロアカバリング、カーテン、インテリア小物、照明、家具、寝具、リフォーム、床材

 この会社は、「資材・DIY・園芸用品」「生活用品」「家具・ホームファッション用日」を扱っており、専門店チェーンとして店舗網を拡大しているようです。そして、現在は全国に371店舗あるようです。

 

 

 

2-2.経営方針

 

 今後の経営方針は、ドミナント出店(一定の地域に、集中的に店舗を設ける出店戦略)を行ってシェアアップに努め、既存店の増床や改装を行っていく方針のようです。

 また、利益率の高い輸入品の品目数や取引量をさらに拡大していく計画のようです。

 

 

 

2-3.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-3-1.当座比率が低い

 

 一般に、当座比率は100%あるべきだといわれています。でも、この会社のばあいいは37.02%しかありません。

 しかし小売業の場合、お客さんに商品を売った後はすぐに現金がはいります。ナフコ(2790)は小売業です。そのため、当座比率が少ないことはさほど気にしていません。

 

2-3-2.たな卸資産回転比率が低く、たな卸資産が多い

 

 

 

H27.3.31

(回転)

H28.3.31

(回転)

H29.3.31

(回転)

たな卸資産回転比率 3.63 3.78 4.04

 小売業のたな卸資産回転比率の平均は20.0回転といわれています。しかし、この会社は4.04回転しかありません。

 たな卸資産回転比率が低いということは、商品が売れていない、不良在庫を抱えている可能性があります。

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 商品 61,241 28.8% 60,889 26.9% 57,179 25.5%
 貯蔵品 4 0.0% 10 0.0% 9 0.0%
たな卸資産合計 61,245 28.8% 60,899 26.9% 57,188 25.5%
総資産合計 212,533   226,626   224,315  

 また、たな卸資産合計は57,188百万円もあり、総資産の25%近くもあります。たな卸資産が多いと在庫の管理費や処分費などで利益を圧迫しますので、これは問題ありと言えそうです。

 

2-3-3.総資産回転率が低い

 

 

 

H27.3.31

(回転)

H28.3.31

(回転)

H29.3.31

(回転)

総資産回転率 1.05 1.01 1.03

 小売業の総資産回転率の平均は2.0回転といわれています。しかし、この会社は1.03回転しかありません。

 

2-3-4.営業利益率は高い

 

 

 

H27.3.31

(%)

H28.3.31

(%)

H29.3.31

(%)

営業利益率 3.3 3.8 3.8

 たな卸資産回転比率や総資産回転率が低かったため、「売上に見合う利益は出ているのだろうか?」という疑問が生まれました。そのため、営業利益率について調べてみることにしたのです。

 一般に、大手小売業の営業利益率の平均は1.0%ほどです。しかし、この会社の場合は3.8%もありました。利益率については優秀みたいです。

 

2-3-5.有利子負債合計と純資産合計の関係

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

流動負債      
 短期借入金 22,630 22,630 22,630
 1年内返済予定の長期借入金 1,732 2,308 3,002
固定負債      
 長期借入金 3,564 4,005 4,572
有利子負債合計 27,926 28,943 30,204
純資産合計 126,884 130,947 134,201

 これは、有利子負債合計と純資産合計を表しています。純資産合計にほぼ比例するかのように、有利子負債合計も比例しています。

 おそらく、利益が出ることによって純資産が増える。それを元手にして借入金を増やし、店舗拡大をはかる。そのような無理をしない経営戦略を取っているように感じます。

 

2-3-6.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

 

 当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素の差額について見てみると・・・

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 9,837 12,156 13,080
当期純利益 4,019 5,203 4,358
差額 5,818 6,953 8,722

 と、しっかりキャッシュの裏付けがある利益を確保していることが確認できました。

 

 

 

2-4.売上高は増加しているものの・・・

 

 さて、会社は積極的に店舗拡大を行ってきているようですが、ここ最近、売上高はほとんど増えていません。そのため、「店舗拡大はうまくいっているのだろうか?」と疑問に思ったので、1店舗当たりの売上高を調べてみました。それが、下のグラフです。

 

  H20.3.31 H26.3.31 H27.3.31 H28.3.31 H29.3.31
売上高
(百万円)
195,742 232,662 222,254 229,908 231,040
店舗数 231 339 352 364 371
1店舗あたり
売上高
(百万円)
847.4 686.3 631.4 631.6 622.7

 売上高はほとんどあがっていないのに、1店舗あたりの売上高は減少しています。つまり、最近の出店は失敗だといえるでしょう。

 発売された会社四季報(2018年1集 新春号)によれば、最近になって採算性を重視し、出店抑制の方向に舵を切ったようです。

 しかし、以前から1店舗あたりの売上高は減っているのに、もっと早く手を打つべきではなかったのかと思います。

 

 

 

 

3.投資は見送る

 


 

 以上より会社について見てきましたが、私は投資を見送ることにしました。一番の理由は、1店舗あたりの売上高が減っているためです。

 最近になって採算性を重視する経営戦略に舵を切ったようですが、もし1店舗当たりの売上高が増えてきたら、再び投資を行うか検討したいと思っています。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 小売業, 業種別

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