特需株、日本アンテナ(6930)について分析をしてみる

      2018/04/10

 以前紹介した船井電機(6839)に続き、4K・8Kテレビ関連として注目を浴びそうな特需株を見つけました。それが、日本アンテナ(6930)です。「・・・いかにも!!」っていう社名だと思いませんか?

 さえない業績に割高なPBR、株価の長期にわたる低迷により多くの投資家は見向きもしない銘柄だと思います。しかしこの会社、只者ではありませんでした!!

 今回は、私が注目している日本アンテナ(6930)についてご紹介します。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 関連記事:特需株、船井電機(6839)について分析をしてみる

 

 

目 次

 

1.4K・8Kテレビは総務省主導のもと、普及活動が行われている

2.会社の事業内容

3.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 3-1.弱気な業績記事

 3-2.財務内容

 3-3.冴えない業績

4.有価証券報告書から詳しく見ていく

 4-1.事業構造改革の実施

 4-2.テレビ市場は回復基調

 4-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  4-3-1.流動資産が減っている

  4-3-2.たな卸資産が少ない

  4-3-3.超キャッシュリッチな会社

  4-3-4.金融資産が多い

  4-3-5.営業キャッシュ・フローが赤字になっている

 4-4.3年連続で自己株式を取得

5.TOBについて

6.気になること

7.チャートから、買いのタイミングをはかる

 

 

 

 

1.4K・8Kテレビは総務省主導のもと、普及活動が行われている

 


 

 総務省の4K・8K推進のためのロードマップによれば、2014年6月から4K試験放送が開始され、2020年頃には市販の4K・8Kテレビが普及している計画です。そして、2018年12月には実用放送が開始されます。

 

 4K・8Kの実用放送を受信するためには、4Kテレビや4K対応テレビにBS・110度CS対応の4Kチューナーや、BS・110度CSアンテナが必要みたいです。

https://www.youtube.com/watch?v=_wnv1Btcbrg&feature=youtu.be

 また、適切な衛星放送用受信設備を用いなければ、電波漏洩により他の無線局の運用に影響を及ぼす可能性があるようです。そのため、総務省は家電販売業者や電気工事業者等へ電波漏洩に関する技術講習会を実施するようです。

 

 

 

 

2.会社の事業内容

 


 

 同社は通信用、放送用アンテナの製造販売大手であり、電波障害工事も行っています。

 そのため、4K・8K実用放送に伴ってアンテナの販売と電波障害工事の両方で注目を浴びるのではないかと推測しています。

 

 

 

 

3.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、会社四季報(2018年1集 新春号)で大まかに見ていきたいと思います。

 

 

 

3-1.弱気な業績記事

 

 会社四季報では「4月の社員早期退職で人件費大幅削減。住宅需要は底堅く関連工事堅調。が、テレビは4Kや8K番組少なく対応アンテナの需要起こらず価格競争も続く。黒字化だが前号より幅縮小。19年3月期はアンテナの五輪需要で上向くが低水準」と、弱気な記事になっています。

 

 

 

3-2.財務内容

 

 自己資本比率は83.6%と、十分すぎるくらいです。有利子負債はありません。

 極めつけは、現金同等物を128.5億円も所有しているのに、時価総額は92.9億円です。屈辱的な放置プレイとしかコメントできません!

 

 

 

3-3.冴えない業績

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

17,698 286 298 ▲378 ▲29.3
14.3

(実績)

20,034 1,304 1,341 856 66.2
15.3

(実績)

16,771 387 370 319 24.7
16.3

(実績)

16,378 233 263 118 9.3
17.3

(実績)

14,051 ▲292 ▲343 ▲1,474 ▲117.8
18.3

(予想)

14,300 70 50 10 0.8
19.3

(予想)

14,500 100 70 30 2.4

 数年にわたり、業績は冴えません。2018年3月期以降も、やっと黒字程度の予想になっています。

 

 

 

 

4.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第64期(平成28年4年1日-平成29年3月31日)から詳しく見ていくことにします。

 実は有価証券報告書にこそ、この会社の旨みが載っていたのです。

 

 

 

4-1.事業構造改革の実施

 

 体制の再構築や組織人員の適正化を行うため、平成29年3月31日決算で事業構造改革に伴う特別損失の計上を行っています。

 実施後は人件費などが少なくなり、利益の出やすい体質に生まれ変わることが期待できると思います。

 

 

 

4-2.テレビ市場は回復基調

 

 これまでテレビの需要が低迷していましたが、これからは4Kテレビやハイブリッドキャスト対応のテレビの伸長が見込めるようになったそうです。

 また、官公庁や通信事業者向けの通信用アンテナや、事業者向け通信モジュールを中心に推移すると見込んでいるようです。

 

 

 

4-3.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

4-3-1.流動資産が減っている

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産合計 19,563 75.6% 20,787 78.8% 19,668 79.7%
総資産合計 25,887   26,368   24,684  

 平成29年3月期には流動資産が減っています。連結財務3表を確認したところ、売上高の減少で赤字業績に陥ったことが主な原因だと考えられます。

 流動資産で減少したものは主に、現金及び預金、受取手形及び売掛金、たな卸資産になっていました。

 

4-3-2.たな卸資産が少ない

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 たな卸資産 2,275 8.8% 2,116 8.0% 1,943 7.9%
総資産合計 25,887   26,368   24,684  

 たな卸資産は、総資産の7.9%しかありません。一般に、たな卸資産が多くなると、在庫の管理費や機会損失による処分等が発生し、利益を圧迫すると言われています。

 そのため、たな卸資産が少ないということは在庫管理が上手いということであり、好材料の1つになります。

 

4-3-3.超キャッシュリッチな会社

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 11,032 42.6% 13,251 50.3% 12,857 52.1%
総資産合計 25,887   26,368   24,684  

 現金及び預金が12,857百万円もあり、総資産の52.1%も占めています。これは今期の売上高14,051百万円に匹敵し、負債合計4,721百万円の2倍以上に匹敵します。

 

4-3-4.金融資産が多い

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 11,032 42.6% 13,251 50.3% 12,857 52.1%
 受取手形及び売掛金 5,250 20.3% 4,630 17.6% 4,192 17.0%
投資その他の資産            
 有価証券及び投資有価証券 1,202 4.6% 716 2.7% 1,143 4.6%
 長期預金 797 3.1% 300 1.1% 0 0.0%
金融資産合計 18,281 70.6% 18,897 71.7% 18,192 73.7%
総資産合計 25,887   26,368   24,684  

 金融資産合計は18,192百万円もあり、総資産の73.7%も占めています。もはや、ゲンナマの塊のような会社としか言いようがありません。

 

4-3-5.営業キャッシュ・フローが赤字になっている

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

営業キャッシュ・フロー 239 1,879 ▲58
当期純利益 319 118 ▲1,474
差額 ▲80 1,761 1,416

 平成29年3月期には、営業キャッシュ・フローが赤字になっています。キャッシュ・フロー計算書で確認を行いましたが、業績の悪化が最大の原因のようです。

 営業キャッシュ・フローの赤字が続けば、いずれ会社がカネを債務者に支払えなくなり、そして倒産することになってしまいます。そうならないためにも、営業キャッシュ・フローが黒字であることは絶対条件です。

 

 

 

4-4.3年連続で自己株式を取得

 

 

 

H27.3.31

(株)

割合

(%)

H28.3.31

(株)

割合

(%)

H29.3.31

(株)

割合

(%)

自己株式数 1,372,962 9.6% 1,697,330 11.9% 1,792,470 12.5%
発行済株式数 14,300,000   14,300,000   14,300,000  

 実はこの会社、3年連続で自己株式を取得していました。

 一般に自己株式の取得を行うということは、会社自身が将来は明るいと考えていたり、他に投資をするよりも会社自身に投資をする方がよいと考えているためです。

 そのため、自己株式の取得は私にとって好材料の1つです。

 

 

 

 

5.TOBについて

 


 

 さて、ここまで会社を詳しく見てきました。

 ゲンナマの塊のようなこの会社のPBRは0.47倍(2018年1月19日終値725円ベース)です。

 ここまで安いと、ハゲタカファンドがTOBを仕掛けてくるのではないかと個人的には考えています。みなさんは、どうでしょうか!?

 

 

 

 

6.気になること

 


 

 有価証券報告書64期(平成28年4年1日-平成29年3月31日)を読んでメリットばかりが目につきましたが、大きいなデメリットもありました。

 それは、2008年3月期以降から売上高が減少しており、2017年3月期ではピークの半分程度しかないということです。

 まだ会社に余裕が感じられますが、このまま売上高が減少していくと会社の資金を食いつぶしてしまい、倒産になる恐れもあります。そうならないためにも、業績の回復を早めに行ってほしいものです。

 

 

 

 

7.チャートから、買いのタイミングをはかる

 


 

 これが現在のチャートです。

 

 ここ最近の安値は508円なので、510円ぐらいまで安くなるのを待っていますが、下がる気配がありません。それでも、辛抱強く待ち続けたいと思います。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 業種別, 電気機器

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。