自慢の持ち株、山大(7426)について

      2018/04/10

 それは、2015年11月頃だったと思います。当時、会社四季報(2015年4集 秋号)を読んでいると、奇跡ともいえる1つの銘柄を発見しました。それは、山大(7426)です。

 復興需要に伴って業績が拡大する可能性を秘めていたにもかかわらず、PERは4.3倍、PBRは0.5倍と信じられないくらいの割安で放置されていたのです。当時この株を発見したとき、私はものすごく興奮をしました。

 今回は、この会社の魅力についてご紹介します。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.業績拡大の期待が持てる記事

 1-2.財務内容

 1-3.特需一巡後は改善傾向にある業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.国策

 2-2.新たな工場の設備投資

 2-3.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-3-1.現金及び預金が増えている

  2-3-2.完成工事未収入金が増えている

  2-3-3.建物仮勘定が増えている

  2-3-4.関係会社株式が減っている

  2-3-5.長期貸付金が増えている

  2-3-6.有利子負債合計が減っている

  2-3-7.金融資産が増えている

  2-3-8.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

  2-3-9.固定資産圧縮損を計上

3.2016年6月に株を取得

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 同社は宮城県で木材など住宅資材販売と木材加工を中心に行っている会社です。県産材を使用しており、注文住宅請負も手掛けています。

 当時、私がこの会社のどのような点に注目をしていたのかについて解説をしていきます。

 

 

 

1-1.業績拡大の期待が持てる記事

 

 会社四季報(2015年4集 秋号)の業績記事では、「東北被災地での災害公営住宅建設が本格化し、地元県産杉材やプレカット製品の需要が再拡大。学校など大型木造建築の上乗せも。消費増税の反動で落ち込んだ戸建て住宅も夏場から復調。営業益好転。」と復興需要が期待できそうな記事になっていました。

 また材料記事では「県から土地購入し、本社工場隣接地に製材工場建設、16年4月稼働。投資額18億円は借入と補助金で充当。リフォーム需要取り込みへ住宅設備展示場開設。」と、復興需要への取り組みが見られます。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は53.6%と、安全性に問題はなさそうです。

 総資産5,751百万円に対し、有利子負債は1,264百万。総資産に占める割合は21.9%なので健全レベルです。

 

 

 

1-3.特需一巡後は改善傾向にある業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

6,125 582 618 653 587.2
14.3

(実績)

5,936 620 681 407 366.2
15.3

(実績)

5,770 444 496 338 304.6
16.3

(予想)

5,920 530 570 360 324.0
17.3

(予想)

6,300 580 620 390 351.0

 2013年3月期の注文住宅特需後、業績は右肩下がりでした。しかし、2016年3月期から再び上昇に転じることを予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第57期(平成26年4年1日-平成27年3月31日)から詳しく見ていき、気になったポイントについて解説していきます。

 

 

 

2-1.国策

 

 政府の公共建築物等木材利用促進法により、低層の公共建築物については木造化が義務付けられたため、木材を使用した低層の公共建築物件や民間の大型物件が増加したようです。そして、会社側はそれらに対応できる技術や受注できる工場があるようです。

 また、公共建築物等木材利用促進法により、木造建築物を供給する企業については補助金が受けられるようになったそうです。

 

 

 

2-2.新たな工場の設備投資

 

 木材利用促進法による大型木造物件の需要と営業エリアの需要に応えるため、宮城県石巻市にウッド・ミル第2工場を新設するようです。これによって、生産能力が60%増加。更に、製造原価を抑えることが可能になるとのことです。

 

 

 

2-3.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-3-1.現金及び預金が増えている

 

 

 

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 217,142 4.2% 457,821 8.6% 559,322 10.7%
総資産合計 5,178,066   5,309,117   5,233,762  

 現金及び預金が順調に増えています。業績の好調ぶりが伺え、会社として最も好ましい状況です。

 

2-3-2.完成工事未収入金が増えている

 

 

 

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 完成工事未収入金 17,539 0.3% 2,000 0.0% 184,695 3.5%
総資産合計 5,178,066   5,309,117   5,233,762  

 平成27年3月期になると、完成工事未収入金が急激に増えています。内訳について調べてみると、180,144千円は石巻市に対するものでした。今後も、官公庁からの受注が続くかもしれません。

 ちなみに、石巻市のホームページを確認すると、平成32年度までの復旧・復興にかかる事業費は1兆1,524億円(震災前の石巻市の一般会計予算17年分に相当)とのことです。これだけ事業費が多ければ、当然会社側に入ってくる仕事も多くなることが予想されます。

 

2-3-3.建物仮勘定が増えている

 

 

 

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物仮勘定 127 0.0% 0 0.0% 21,600 0.4%
総資産合計 5,178,066   5,309,117   5,233,762  

 増えた建物仮勘定の内訳は、ウッド・ミル工場を取得したためのようです。

 また、前期はウッド・ミル工場で使用する木材加工機等を91,947千円分取得していました。貸借対照表からも、会社の設備投資の様子が伺えます。

 

2-3-4.関係会社株式が減っている

 

 

 

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 関係会社株式 76,790 1.5% 76,790 1.4% 0 0.0%
総資産合計 5,178,066   5,309,117   5,233,762  

 関係会社株式が減っています。平成26年4月1日に連結子会社を吸収合併したようですが、そのために減ったのではないでしょうか。

 

2-3-5.長期貸付金が増えている

 

 

 

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

投資その他の資産            
 長期貸付金 543 0.0% 0 0.0% 27,862 0.5%
総資産合計 5,178,066   5,309,117   5,233,762  

 平成27年3月期に長期貸付金が増えています。その理由は、吸収合併した連結子会社を引き継いだためのようです。

 

2-3-6.有利子負債合計が減っている

 

 

 

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

流動負債            
 短期借入金 330,000 6.4% 155,000 2.9% 125,000 2.4%
 1年内返済予定の長期借入金 175,072 3.4% 89,506 1.7% 43,196 0.8%
固定負債            
 長期借入金 492,710 9.5% 478,034 9.0% 434,838 8.3%
有利子負債合計 997,782 19.3% 722,540 13.6% 603,034 11.5%
総資産合計 5,178,066   5,309,117   5,233,762  

 総資産合計はほとんど変わらないのに、有利子負債合計が減り続けています。会社の繁栄ぶりが伺えます。

 

2-3-7.金融資産が増えている

 

 

 

H25.3.31

(千円)

割合

(%)

H26.3.31

(千円)

割合

(%)

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 217,142 4.2% 457,821 8.6% 559,322 10.7%
 受取手形 334,515 6.5% 280,886 5.3% 285,803 5.5%
 売掛金 772,387 14.9% 774,027 14.6% 698,668 13.3%
 完成工事未収入金 17,539 0.3% 2,000 0.0% 184,695 3.5%
投資その他の資産            
 投資有価証券 10,160 0.2% 9,280 0.2% 13,600 0.3%
金融資産合計 1,351,743 26.1% 1,524,014 28.7% 1,742,088 33.3%
負債合計 2,725,346 52.6% 2,544,306 47.9% 2,156,255 41.2%
総資産合計 5,178,066   5,309,117   5,233,762  

 金融資産が増え続け、総資産の33.3%も占めるほどキャッシュリッチな会社になっています。逆に、負債合計は減り続けています。会社としては、すべてがうまくいき、笑いが止まらない状況でしょう。

 

2-3-8.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

 

 当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素の差額について確認をしてみると・・・

 

 

 

H25.3.31

(千円)

H26.3.31

(千円)

H27.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 826,247 760,294 353,586
当期純利益 708,110 406,721 338,527
差額 118,137 353,573 15,059

 と、しっかりキャッシュの裏付けがある黒字を確保していることが確認できました。

 

2-3-9.固定資産圧縮損を計上

 

 営業キャッシュ・フローを確認すると、固定資産圧縮損が計上されていました。これによって利益を抑えることができ、会社にその分キャッシュを残すことができます。

 節税を心掛け、内部留保に努める会社は好きです。また、私にとっては銘柄選びの要素になります。

 

 

 

 

3.2016年6月に株を取得

 


 

 これが現在のチャートです。2016年の株価低迷時期に1株平均1,235円で購入しました。

 実は2015年11月当時と現在の業績を比べると、業績は下がっています。しかし、株価は上がっています。それでも、PBRは6.1倍と割安です(2018年1月19日の終値1,700円ベース)。

 最近発行された会社四季報(2018年1集 新春号)の記事によれば、「一般住宅の復興需要に一巡感はあるものの、2019年3月期から木造公共施設が着実増」とのことです。

 このまま会社の株を保有し続け、投資家が注目するのを待ち続けたいと思います。

 

最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 卸売業, 業種別

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。