東日本大震災後に買った割安株、FJネクスト(8935)について

      2018/04/10

 2011年3月の東日本大震災で多くの銘柄が大暴落に見舞われました。それからしばらくしてほとんどの銘柄が値を戻したものの、今度はヨーロッパの信用不安で株式市場が再び低迷をしたのです。

 そんな中、私はその割安性(PERは6.5倍、PBRは0.30倍)から1つの銘柄に注目をしていました。それは、FJネクスト(8935)です。株式市場が低迷したことで買いのチャンスが生まれたのです。

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目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.強気な業績記事

 1-2.財務内容

 1-3.改善傾向にある業績

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.魅力的な市場

 2-2.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-2-1.たな卸資産が増えている

  2-2-2.営業キャッシュ・フローが赤字になっている

3.2011年6月に株を取得

4.最近のチャートと業績

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 同社は主に首都圏でワンルームマンションを販売している会社です。また、それ以外にも、不動産管理事業や建設事業、旅行事業も行っています。

 当時、私がこの会社のどのような点に注目をしていたのかについて解説していきます。

 

 

 

1-1.強気な業績記事

 

 会社四季報では「主力の投資用ワンルームマンションは大型物件含め960戸(前期915戸)を計画。ファミリーマンションも前期からずれ込みがあり194戸(同46戸)に拡大。震災の影響で不動産市場低迷が懸念だが建築費低下、販売費効率化で営業増益。」と強気な記事になっていました。

 

 

 

1-2.財務内容

 

 自己資本比率は53.6%と、安全性に問題はありません。

 有利子負債は6,602百万円で総資産に占める割合は21.9%です。不動産を扱っているため有利子負債は多くなる傾向ですが、同社は少ない方だといえそうです。

 そして時価総額50.7億円に対し、現金同等物は66.7億円も持っていたのです。

 

 

 

1-3.改善傾向にある業績

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

08.3

(実績)

29,995 4,077 4,013 2,090 65.0
09.3

(実績)

22,477 374 168 ▲504 ▲16.0
10.3

(実績)

24,720 ▲841 ▲987 ▲1,245 ▲40.0
11.3

(実績)

23,513 1,562 1,426 677 21.7
12.3

(予想)

29,600 2,100 1,900 760 24.4
13.3

(予想)

33,000 2,300 2,100 850 27.3

 2010年3月期の大幅赤字から業績は黒字化し、2012年3月期以降も売上高、利益ともに改善の傾向が見られました。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 続いて、有価証券報告書第31期(平成22年4年1日-平成22年3月31日)から詳しく見ていき、気になったポイントについて解説していきます。

 

 

 

2-1.魅力的な市場

 

 不動産業界は住宅ローン減税などの住宅取得優遇制度により、住宅関連の取引は回復基調とのことでした。また、東京都では単身者を中心に人口の流入があるので賃貸需要は底堅く、マンションを運用商品として認知されていた時期でもあったのです。

 魅力的な外部環境で不動産事業を行っていたことも、好材料の1つでした。

 また、同社は独自ブランド「ガーラマンションシリーズ」の強化を図っていたのです。

 

 

 

2-2.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-2-1.たな卸資産が増えている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

割合

(%)

H22.3.31

(千円)

割合

(%)

H23.3.31

(千円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 5,206,683 16.4% 8,751,069 31.7% 6,908,386 22.9%
 販売用不動産 15,015,438 47.3% 6,765,375 24.5% 8,716,845 28.9%
 仕掛販売用不動産 7,923,164 25.0% 9,249,030 33.5% 10,948,793 36.4%
流動負債            
 支払手形及び買掛金 1,046,835 3.3% 520,967 1.9% 1,919,049 6.4%
 未払法人税等 166,264 0.5% 83,983 0.3% 1,044,247 3.5%
総資産合計 31,743,066   27,569,636   30,110,068  

 現金及び預金が減り、支払手形及び買掛金と未払法人税等が増えています。そして、販売用不動産と仕掛販売用不動産(両方まとめて、たな卸資産と言います)がその分増えています。

 おそらく、たな卸資産を取得するために現金及び預金を使用し、さらに支払手形及び買掛金と未払法人税等から調達したと思います。 id=”a01″

 

2-2-2.営業キャッシュ・フローが赤字になっている

 

 

 

H21.3.31

(千円)

H22.3.31

(千円)

H23.3.31

(千円)

営業キャッシュ・フロー 3,371,329 5,301,528 ▲1,390,638
当期純利益 ▲504,934 ▲1,245,601 677,324

 平成23年3月期は、黒字業績なのに営業キャッシュ・フローは赤字になっていました。詳しく調べてみると、その主な原因はたな卸資産の仕入れのために3,700,299千円も使用したことが原因のようです。

 「何で今期は、営業キャッシュ・フローが赤字になったのだろう?」と気になり、過去の出来事も調べてみました。すると、平成20年3月期も黒字業績で営業キャッシュ・フローは赤字だったのです。ちょうどその頃は、リーマンショックで不動産価格が大きく下がっていたときです。

 今回たな卸資産を大量に仕入れたのは東日本大震災によって不動産価格が大きく下がり、それを会社がチャンスと捉えたためではないかと思いました。

 

 

 

 

3.2011年6月に株を取得

 


 

 これが当時のチャートです。私は2011年6月に、東日本大震災直後の安値である149円で購入しました。

 しばらくして株価どんどん上がってゆき、そして2012年3月に242円で売りました。

 

 

 

 

4.最近のチャートと業績

 


 

 これが、2012年3月以降の現在のチャートです。2012年3月と比べると、現在の株価は倍以上になっています。そして、業績はこのようになっています。

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

12.3

(実績)

30,545 4,212 4,096 2,136 68.63
13.3

(実績)

31,153 3,897 3,821 2,203 70.8
14.3

(実績)

40,500 5,938 5,902 3,885 119.1
15.3

(実績)

40,151 4,638 4,625 2,916 85.6
16.3

(実績)

51,955 6,593 6,614 4,151 122.2
17.3

(実績)

61,416 8,015 8,103 5,474 163.0

 2011年3月期以降も売上高は右肩上がりを続け、当時と比べたら2~3倍も上がっています。

 会社の株を売らず、現在も保有し続けていた方がはるかに儲けることができたのです。実に、惜しいことをしました。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 不動産業, 業種別

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