業績回復株、石油資源開発(1662)に投資

      2018/04/10

 前回、WTI原油価格連動型上場投信(1671)での投資に関する失敗談についてお話をしましたが、今回は業績回復が期待できそうな石油資源開発(1662)への投資に関するお話です。

 同社は、石油・天然ガス関連の事業活動を行っています。

 実はこの会社、原油だけにとどまらず将来の収益確保に向けての布石をうっていました。

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 関連記事:WTI原油価格連動型上場投信(1671)での大失敗について

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.記事内容

 1-2.財務内容について

 1-3.2019年3月期から、業績回復の傾向

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 2-1.税の優遇措置を活用

 2-2.2019年3月決算以降も、設備の新設を計画

 2-3.大株主が経済産業大臣

 2-4.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

  2-4-1.有価証券及び投資有価証券が減っている

  2-4-2.鉱物資源(純額)と建物仮勘定が増えている

  2-4-3.高財務なうえ、キャッシュリッチな会社

  2-4-4.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

3.長期ビジョン

 3-1.中・長期的には外部環境が改善

 3-2.収益の見通しについて

4.チャートから買いのタイミングを計る

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 では、会社四季報(2018年1集 新春号)から大まかにチェックしたポイントについて解説します。

 

 

 

1-1.記事内容

 

 会社四季報(2018年1集 新春号)の業績記事では「下期はカナダでガス価格下落が響くが、為替差益が想定上回り経常赤字回避。法人税調整で最終黒字。増配。19年3月期はカナダで新たなオイルサンド操業本格化。営業外損失や特損見込まず。」と記載されていました。業績の回復が期待できそうですね。

 

 

 

1-2.財務内容について

 

 続いて財務内容を見てみると、時価総額1,470億円に対し、現金等同等物は1,036億円もありました。

 また、総資産746,006百万円に対し、有利子負債は134,604億円しかありません。会社の業種や規模を考えると少ない方だと思います。自己資本比率は60.5%もあり、安全性に問題はありません。

 

 

 

1-3.2019年3月期から、業績回復の傾向

 

 次に、業績を見てみると・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

231,086 13,906 28,082 ▲865 ▲15.1
14.3

(実績)

276,588 24,634 43,889 29,015 507.7
15.3

(実績)

304,911 32,146 54,839 29,567 517.4
16.3

(実績)

240,302 8,336 4,652 2,090 36.6
17.3

(実績)

207,130 685 2,222 3,443 60.2
18.3

(予想)

213,800 4,300 650 1,740 30.4
19.3

(予想)

220,000 5,000 6,500 4,000 70.0

 このようになっていました。

 2013年3月期は赤字になっていますが、どうやら特別損失による一時的なもののようです。原油が低迷していた2015年から2016年の間も、しっかり黒字を確保しています。

 そして、2018年3月期を底に、2019年3月期からは業績の回復を見込んでいます。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から詳しく見ていく

 


 

 ここまで会社四季報(2018年1集 新春号)を活用して、大まかに見てきました。続いて、有価証券報告書第47期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)から詳しく見ていきます。

 

 

 

2-1.税の優遇措置を活用

 

 鉱業の税優遇措置として、深鉱準備金制度、海外投資等損失準備金制度、新鉱床探鉱費の特別控除制度があるようです。どうやら、この会社はこの制度を活用しているようです。

 

 

 

2-2.2019年3月決算以降も、設備の新設を計画

 

 2017年11月には相場LNG基地及び天然ガスパイプラインの工事が完了し、2018年3月の操業開始に向け、現在は試運転を開始しているようです。

 それ以外にも、新たな設備計画があるようです。それが、このようになっています。

 

事業所名

 

所在地

 

設備の内容

 

着手年月

完了予定年月

長岡鉱業所 新潟県新潟市 ガス供給設備及び
天然ガスパイプラ
イン
自 平成27年7月
至 平成30年9月
長岡鉱業所 新潟県見附市 送ガス設備 自 平成30年3月
至 平成32年3月

 

 

 

2-3.大株主が経済産業大臣

 

 大株主の状況を見てみると・・・

 

氏名又は名称 所有株式数
(株)
発行済株式

総数に対する

所有株数

の割合(%)

経済産業大臣 19,432,724 34.00
国際石油開発帝石株式会社 2,852,212 4.99
JFEエンジニアリング株式会社 1,848,012 3.23
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 1,417,400 2.48
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 1,357,800 2.38

 何と、経済産業大臣がバックにいるのです!! その次に、国際石油開発帝石株式会社と続きます。

 

 

 

2-4.連結財務3表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書)を分析してみる

 

 次に、私が連結財務3表を分析して気になったポイントについて触れていきます。

 

2-4-1.有価証券及び投資有価証券が減っている

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 有価証券 45,605 6.2% 23,551 3.3% 1,302 0.2%
投資その他の資産            
 投資有価証券 187,926 25.5% 135,261 19.1% 148,237 19.9%
総資産合計 736,851   707,595   746,730  

 有価証券と投資有価証券が減っています。

 有価証券の内訳については、調べてもわかりませんでした。

 投資有価証券の内訳について調べてみると、78.9%分は国際石油開発帝石株式会社を所有しているようです。これまで減っていた投資有価証券ですが、最近はその持ち株の株価が上昇したことで増えたようです。

 もし、原油価格が本格的に回復をして国際石油開発帝石株式会社の業績が上がれば、株価も上昇するはずです。そうすれば、持ち株の国際石油開発帝石株式会社の含み益が増えますので、連結損益計算上の利益に貢献することが想像できますね。

 国際石油開発帝石株式会社以外にも、日東紡績株式会社やK&Oエナジーグループ株式会社も保有していました。

 

2-4-2.鉱物資源(純額)と建物仮勘定が増えている

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

有形固定資産            
 鉱物資源(純額) 40,741 5.5% 40,935 5.8% 50,810 6.8%
 建物仮勘定 132,122 17.9% 179,420 25.4% 217,984 29.2%
有形固定資産合計 289,714 39.3% 336,215 47.5% 383,786 51.4%
総資産合計 736,851   707,595   746,730  

 有形固定資産の鉱物資源(純額)と建物仮勘定が増えています。そして、建物仮勘定が総資産の30%近くにものぼり、ダントツです。

 残念ながら、建物仮勘定の詳しい内訳についてはわかりませんでした。しかし、設備投資の概要や設備の新設計画から考えると、相場LNG基地関連と天然ガスパイプライン建設工事によるものが多くを占めているのではないかと推測します。

 ちなみに、その設備投資のために長期借入金が増えていることも確認できました。

 

2-4-3.高財務なうえ、キャッシュリッチな会社

 

 実はこの会社、キャッシュリッチです。下の表をご覧ください。

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

割合

(%)

H28.3.31

(百万円)

割合

(%)

H29.3.31

(百万円)

割合

(%)

流動資産            
 現金及び預金 92,980 12.6% 104,359 14.7% 109,488 14.7%
 受取手形・売掛金 25,248 3.4% 24,642 3.5% 28,283 3.8%
 有価証券 45,605 6.2% 23,551 3.3% 1,302 0.2%
 短期貸付金 13,810 1.9% 28 0.0% 4,348 0.6%
投資その他の資産            
 投資有価証券 187,926 25.5% 135,261 19.1% 148,237 19.9%
 長期貸付金 17,172 2.3% 16,522 2.3% 11,672 1.6%
金融資産合計 382,741 51.9% 304,363 43.0% 303,330 40.6%
総資産合計 736,851   707,595   746,730  

 金融資産は総資産の40.6%も占めています。

 また、当座比率は366%もあります。これだけあれば、全く倒産の心配はありません。

 

2-4-4.現金の裏付けがある利益をしっかり確保

 

 当期純利益と営業キャッシュ・フロー利益要素の差額について見てみると・・・

 

 

 

H27.3.31

(百万円)

H28.3.31

(百万円)

H29.3.31

(百万円)

営業キャッシュ・フロー利益要素 77,673 52,496 45,484
当期純利益 29,567 2,090 3,443
差額 48,106 50,406 42,041

 と、しっかりキャッシュの裏付けがある黒字を確保していることが確認できました。

 

 

 

 

3.長期ビジョン

 


 

 有価証券報告書とは別に、会社の長期ビジョンが発表されていました。それについても取り上げたいと思います。

 

 

 

3-1.中・長期的には外部環境が改善

 

 現在は、シェール革命等による原油の供給過剰傾向や世界的な需要低迷、国内天然ガス事業の競争激化や地球環境対策問題などの外部環境の悪化を挙げています。

 一方では、中長期的に新興国を中心に石油や天然ガス需要が大幅に増加することや、化石燃料の使用を極端に抑制する国際合意形成の可能性が低いこと、今後も石油や天然ガスが主要エネルギーの役割を担うなどの外部環境の改善を挙げていました。

 

 

 

3-2.収益の見通しについて

 

 中期的には、原油回復と、カナダオイルサンド、カナダLNGの立上り、相場LNG基地を通じたガス拡販及び発電事業により、大幅な収益の改善を見込んでいました。

 ちなみに、LNG取引は経済産業省による国家戦略でもあります。

 はじめ、私は原油だけを取り扱っている会社だと思っていました。しかし、同社が原油だけにとどまらず、将来的に市場拡大が見込まれるLNG事業への布石をうっていると知ったとき、ものすごい興奮を覚えたものです。

 

 

 

 

4.チャートから買いのタイミングを計る

 


 

 最近のチャートはこのようになっています。

 

 私は2017年11月に1株平均2,293円で少しだけ購入を行い、残りの資金は直近の安値1,919円で全力買いをするつもりでした。

 会社四季報(2018年1集 新春号)が発売されて時点では、株価は2,572円にまで上昇していました。予想PERは84.6倍と割高であったものの、PBRは0.33倍と割安だったのです。

 しかし、株価は上昇を続け、とうとう3,000円を超えてしまいました。株価が値下がりするのを待っていますが、もうチャンスはなさそうですね。少し、残念です。

 

 最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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