成長株のアズマハウス(3293)について、分析をしてみる

      2018/03/02

 最近発売された会社四季報(2018年1集 新春号)を読んでいたとき、1つの銘柄が私の目にとまりました。それが、アズマハウス(3293)です。

 同社は和歌山県で賃貸、ホテル経営も行っている総合不動産会社です。また、2013年12月に上場したばかりの比較的新しい会社でもあります。

 この会社は売上高が比較的右片上がりにもかかわらず、PERは7.4倍、PBRは0.53倍と割安に放置されていました。

 今回は、この会社について見ていこうと思います。

 財務データをダウンロードする(Excel形式)

 

 

目 次

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 1-1.明るい記事内容 

 1-2.財務内容について

 1-3.順調な売上高

2.有価証券報告書から事業内容について、詳しく分析してみる

 2-1.事業の内容

 2-2.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)からわかったこと

 2-3.主要な設備の状況

 2-4.セグメント別の売上高、利益

3.気になること

 3-1.繰延資産が計上されている

 3-2.有利子負債が多い

4.チャートから買いのタイミングを計る

 

 

 

 

1.会社四季報で、会社を大まかにチェック

 


 

 会社四季報(2015年3集 夏号)から、大まかにチェックしたポイントについて解説します。

 

 

 

1-1.明るい記事内容

 

 会社四季報の業績記事では「賃貸の順調拡大に加え、ホテルが足元回復。建設、土地有効活用事業も下期に盛り返す。会社計画保守的で営業増益の公算大。19年3月期も手持ち受注豊富、営業増益続く。」と業績の拡大が期待できそうな内容です。

 また、材料記事でも「14年進出の大阪地域が賃貸拡大に寄与するほか、リノベーション需要の取り込みも進む。今後もM&Aを視野に入れマーケットエリア拡大に注力。」と明るい内容となっています。

 

 

 

1-2.財務内容について

 

 自己資本比率は50.7%と、安全性に問題はなさそうです。また、資本金596百万円に対し、利益剰余金は12,058百万円もありました。1977年5月に設立されていますが、ここまで順調に利益を出していることが伺えます。

 

 

 

1-3.順調な売上高

 

 次に、業績を見てみると・・・

 

  売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

利益

(百万円)

1株益

(円)

13.3

(実績)

10,013 1,252 1,220 757 236.6
14.3

(実績)

13,226 1,658 1,572 1,030 301.3
15.3

(実績)

11,224 1,173 1,363 901 228.8
16.3

(実績)

10,932 1,192 1,187 780 195.0
17.3

(実績)

12,349 1,563 1,557 940 234.5
18.3

(予想)

12,500 1,600 1,500 950 236.9
19.3

(予想)

13,500 1,800 1,700 1,050 261.8

 と、売上高や利益は年度ごとでばらつきはあるものの順調です。さらに、2018年3月決算以降も業績は右肩上がりを予想しています。

 

 

 

 

2.有価証券報告書から事業内容について、詳しく分析してみる

 


 

 ここまで大まかに見ていると疑問に思ったことがあります。それは「この会社はどうやって事業拡大を行っていくのだろう?」ということです。

 そこで、有価証券報告書で詳しくチェックしてみることにしました。

 

 

 

2-1.事業の内容

 

 この会社は「不動産・建設事業」「不動産賃貸事業」「土地有効活用事業」「ホテル事業」の4つで事業展開を行っているようです。

 

 

 

2-2.財務3表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)からわかったこと

 

 貸借対照表を分析してわかったことは、この会社が有形固定資産の取得に積極的になっているということです。

 

 

 

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

有形固定資産            
 建物(純額) 4,367,043 18.2% 4,803,912 18.7% 5,122,986 20.0%
 土地(純額) 8,597,732 35.9% 9,637,530 37.6% 10,548,207 41.2%
 その他 577,676 2.4% 277,711 1.1% 239,067 0.9%
有形固定資産合計 13,542,451 56.5% 14,719,153 57.4% 15,910,260 62.1%
総資産合計 23,973,632   25,638,658   25,612,514  

 不動産会社なので、有形固定資産の占める割合が多くなっています。その中でも土地が多く、総資産に占める割合は40%を超えています。

 では、土地と建物はどのように活用されているのでしょうか? 次に、主要な設備の状況で見ていきましょう。

 

 

 

2-3.主要な設備の状況

 

 まず、建物の設備状況について見ると・・・

 

事業所名

セグメント

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

本社(和歌山県和歌山市)
不動産・建築事業
297,130 6.8% 259,063 5.4% 245,928 4.8%
和歌山アーバンホテル(和歌山県和歌山市)
ホテル事業
164,904 3.8% 156,769 3.3% 154,525 3.0%
ワカヤマ第1冨士ホテル(和歌山県和歌山市)
ホテル事業
50,145 1.2% 52,733 1.1% 54,609 1.1%
ワカヤマ第2冨士ホテル(和歌山県和歌山市)
ホテル事業
78,518 1.8% 74,807 1.6% 80,226 1.6%
営業部支店(和歌山県和歌山市他)
不動産・建築事業
72,494 1.7% 62,463 1.3% 48,691 1.0%
グランメール美園他119件(和歌山県和歌山市)
不動産賃貸事業
2,806,035 64.5% 3,261,694 68.5% 3,445,855 67.8%
岩出ショッピングセンター他16件(和歌山県岩出市)
不動産賃貸事業
486,411 11.2% 461,107 9.7% 567,887 11.2%
橋本複合店他50件(和歌山県橋本市他)
不動産賃貸事業
196,251 4.5% 188,352 4.0% 183,751 3.6%
岸和田市貸地他13件(大阪府岸和田市他)
不動産賃貸事業
196,798 4.5% 243,345 5.1% 302,321 5.9%
建物帳簿価格合計 4,348,686 4,760,333 5,083,793

 このようになっていました。

 建物では、グランメール美園他119件(不動産賃貸事業)での投資が目立ち、最近では岩出ショッピングセンター他16件(不動産賃貸事業)へも投資を行っているようです。

 次に、土地の設備状況について見ると・・・

 

事業所名

セグメント

H27.3.31

(千円)

割合

(%)

H28.3.31

(千円)

割合

(%)

H29.3.31

(千円)

割合

(%)

本社(和歌山県和歌山市)
不動産・建築事業
190,724 2.2% 124,983 1.3% 63,587 0.6%
和歌山アーバンホテル(和歌山県和歌山市)
ホテル事業
0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%
ワカヤマ第1冨士ホテル(和歌山県和歌山市)
ホテル事業
34,700 0.4% 34,700 0.4% 34,700 0.3%
ワカヤマ第2冨士ホテル(和歌山県和歌山市)
ホテル事業
51,740 0.6% 51,740 0.5% 51,740 0.5%
営業部支店(和歌山県和歌山市他)
不動産・建築事業
134,938 1.6% 134,938 1.4% 134,938 1.3%
グランメール美園他119件(和歌山県和歌山市)
不動産賃貸事業
4,444,166 51.7% 5,125,954 53.2% 5,756,147 54.6%
岩出ショッピングセンター他16件(和歌山県岩出市)
不動産賃貸事業
2,020,939 23.5% 2,401,036 24.9% 2,565,574 24.3%
橋本複合店他50件(和歌山県橋本市他)
不動産賃貸事業
756,345 8.8% 756,345 7.9% 763,006 7.2%
岸和田市貸地他13件(大阪府岸和田市他)
不動産賃貸事業
960,642 11.2% 1,004,295 10.4% 1,174,978 11.1%
土地帳簿価格合計 8,594,194 9,633,991 10,544,670

 こうなっていました。

 建物と同様、グランメール美園他119件(不動産賃貸事業)と岩出ショッピングセンター他16件(不動産賃貸事業)への投資が目立ちます。

 

 さて、ここまで調べてみると「グランメール美園と岩出に積極的に投資を行っているが、まちの将来性はどうなの?」という疑問が浮かんできました。そこで、まちの将来性について調べてみることにしました。

 残念なことに、グランメール美園についてはわかりませんでした。しかし、岩出市のことを調べてみると、和歌山県内にある某不動産会社からこのように紹介されていました。

『和歌山県に有る岩出市は徐々に人口、世帯数共に増えているまちです。

 岩出市は、隣接する和歌山市内へマイカー通勤する人が多く、また、大阪府への通勤や通学をする人も多く住むようになりました。いわば、ベットタウンとしての役割にちょうど良いエリアとして注目され人気が出てきているのです。

 大阪までは約1時間の距離です。鉄道はJR和歌山線が通っており、岩出駅から和歌山駅まで20分前後で行ける距離です。

 このように交通アクセスに恵まれているため、人口の割に大きなスーパーや飲食店が多く立ち並んでいます。コンビニやカラオケ店も多く、若い人も生活しやすいため、岩出市の年齢別人口の比率でも若い人が多く住んでいるまちです。学校や病院も複数有り、小さなお子様がいる家庭でも生活に困らないとても住みやすいまちとして移り住む人が増えたのでしょう。そのため、賃貸物件のニーズもどんどん増えてきいているようです。』

 ・・・なるほど。この会社が岩出市に投資を行っているのは、人口の増加にともない、それが収益の拡大になるからだということがわかりました。 

 

 

 

2-4.セグメント別の売上高、利益

 

 会社はグランメール美園他119件と岩出ショッピングセンター他16件へ積極的に投資を行っていますが、ともにセグメント別(事業別)では不動産賃貸事業に分類されています。

 不動産賃貸事業に力を入れている理由もセグメント別売上高、利益から確認できました。それがこちらです。

 

  H27.3.31 売上高割合
利益率
H28.3.31 売上高割合
利益率
H29.3.31 売上高割合
利益率
不動産・建設事業  
 売上高 8,625,595 76.8% 7,926,506 72.5% 8,796,721 71.2%
 利益 909,941 10.5% 612,670 7.7% 950,173 10.8%
不動産賃貸事業  
 売上高 1,463,934 13.0% 1,623,103 14.8% 1,798,233 14.6%
 利益 617,289 42.2% 592,884 36.5% 649,962 36.1%
土地有効活用事業  
 売上高 509,111 4.5% 664,206 6.1% 976,018 7.9%
 利益 45,461 8.9% 80,458 12.1% 111,939 11.5%
ホテル事業  
 売上高 626,218 5.6% 718,745 6.6% 778,971 6.3%
 利益 135,394 21.6% 173,141 24.1% 129,268 16.6%
売上高合計 11,224,858   10,932,560   12,349,943  
利益率合計 1,708,085 15.2% 1,459,153 13.3% 1,841,342 14.9%

 4セグメントのうちで不動産賃貸事業の売上高は14.6%と、高くはありません。しかし、利益率は36.1%とダントツです。

 

 

 

 

3.気になること

 


 

 さて、ここまで有価証券報告書を活用して会社の事業内容について見てきました。しかし、気になることもあったのでご紹介します。

 

 

 

3-1.繰延資産が計上されている

 

 一般に、繰延資産は早めに費用計上をした方が節税効果はあるとされています。この会社の貸借対照表を見ると、ほんの少額ながらも社債発行に伴う繰延資産が計上されていました。

 しかし、繰延資産の費用計上は終わり、現在はありません。

 

 

 

3-2.有利子負債が多い

 

 多額の資金を必要とする不動産業なので仕方ありませんが、総資産に占める有利子負債の割合は42.2%もありました。売上高で比べても、87.3%にものぼります。

 私の場合、倒産のリスクを避けるためにも強固な財務体質の会社を好みます。そのため、有利子負債が多いということは気になってしまうポイントです。

 

 

 

 

4.チャートから買いのタイミングを計る

 


 

 最近のチャートはこのようになっています。

 

 最近では株価も右片で上がり続け、とうとう2013年12月の高値を更新しました。

 株価が下がる気配はありませんが、私は1450円付近の値段で株価が下がるのをじっと待っています。

 

  最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 - 不動産業, 業種別

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